内戦?から戦争へ⑦
第109話 「内戦?から戦争へ⑦」 始まります。
「ほう、なかなかやりますなウィルソンは。彼の戦振り初めて見るが、上手く統率が取れている。流石元騎士団総長だっただけある」
マイティは右手で顎を擦りながら感想を話していた。それに頷く他の観戦者達。
「全くで」
そして、二刻、先陣の半数を失ったものの敵を敗走させ、帰陣した。
「只今戻りました」
「うむ、ご苦労さん。良き練習になったでしょう。」
藤治郎は、奥から樽を二樽持って来させると、
「テール殿、これを持って帰り振る舞ってあげて下され」
「はい、有り難き幸せ」
ウィルソンは御辞儀をして、樽を持って帰って行った。
「さて、明日は義父上お願いしますね」
「ほう、腕なりますな。所で敵はいかほど」
「リザードが百五十、オーク三百、ビックラビット二百」
藤治郎は紫屋博太郎からの手紙を読み上げていた。
「義父上、学園の者達も率いてくれませんか」
「厳しき道ぞ」
「皆の為に盛るでしょう。弥生にその大将にします。そして副将にスペンサー先生で過剰戦力となるでしょ」
藤治郎は自信満々に答えるのであった。
「殿下、私も行きとう御座います」
由紀が甘えるように嘆願すると、
「あぁ、いいとも行っておいで、余以外の此処に来ている生徒生徒皆で行くが良い。・・・が、由紀は義父上の側にいる事が条件だ良いな」
藤治郎は由紀の頭を撫でながら答えるのであった。
「とうちゃん、妾も義兄と戦いたい」
由紀を見ていて、羨ましく思った霞までも、嘆願したのであった。
藤治郎は溜息をつくと、由紀と同じように撫でながら、
「わかったよ。由紀頼んだぞ」
妻である由紀に霞の事を頼むのであった。
次回「内戦?から戦争へ⑧」 お楽しみに m(__)m