内戦?から戦争へ⑥
第108話 「内戦?から戦争へ⑥」始まります
そろそろ頃合いかな?
「申し上げます。星丘に赤地に白字赤鳥紋が立ちました」
やはりな。これならいける。
男は苦笑いをし、気を引き締めると、
「これより我らは室都を獲る。すべてが望みのままぞ。儂に続け進軍せよ」
男は采配棒を振り下ろした。
これにより兵二十二万が順次繰り出していく。総大将頭成茶々政教、鬼族の針田権六家勝、虎人族の大井五郎信直達が、我先にと駆け出していく。
そして夕刻にマザー海まで来た時、一人の男が信直に面会を求めて来た。信直はその男を信直の陣中に招き入れた。
男は信直の前に行くと、
「奥方様達からの手紙です。お受け取りを」
「してその方、この事知っておるのか」
信直は使者の目を覗き込んだ。信直の顔を直視しながら答えた。
「いえ、存じませぬ」
「暫しし待っておれ」
信直は使者の返事を聞いて飛び出して行った。
信直は総本陣へ入って行き事の次第を説明する。
「政教様、この戦中止にしましょう」
「はぁ、貴様何を言っているのか解って居るのか」
「はい、今なら兵糧だけの損害で済みます」
「余は初めより奴らを信じては居らぬ。別に居っても居らぬで同じ事、このまま進める。手紙の通り終わらせると奴の思うまま進める事になる。よいか彼処さえ落とせばそなたも存分に出来ると思うのじゃが?。」
信直は呆れていた。
いや離れる時が来たのかも知れん。
「解りました。明日の為にも今日は寝るとします。失礼しました」
信直が出ていくと、
「宜しかったので」
「構わん。奴も、もう少し利口になれば良い物を」
家勝もこの者離れる決心をした瞬間であった。
次回 「内戦?から戦争へ⑦」お楽しみに m(_ _)m