内戦?⑧
第101話 「内戦?⑧」始まります。
「親の心子知らず、この子心親知らずとはよく言ったもやなぁ。過去の事言ってもしゃぁない。千鶴が今どうしたいかやな」
ミツエが馴れ馴れしく話すと、千伽は誰と思い顔を上げ、声の主を視る。
「光ネェさんなの」
「あら、覚えていてくれたの。嬉しいわ。それはそうと、どうしたいの?」
千伽は首を傾げながら考えた。
「折角逢えたんやから御父さんの所にいたい」
「解った今の父ちゃんに逢わせてくれるか?」
「はい」
藤治郎の問いに千伽は、ニッコリ笑うとしっかりと頷き、店子にもどった。
「では、お客様此方へどうぞ」
千伽に付いていく藤治郎達、裏口から出るとそのまま林道に入り進んでいくと、其処には藁葺きで作られた。平屋建ての一軒家があった。
「よくおいで下された」
「邪魔するよ」
「ちょ、あんた知っていたの?」
家主の掛け声に答える吉政。に驚く弥生。
「ちょっとな」
解る訳無いわな。若うなりすぎだろ。
「そなたは昭美か、姉貴にくりそつじゃな。
光江殿か久しいのう。まぁこっちでは初めましてと言うべきなんじゃがな。
知世ちゃんか、そなたまで来ておったとはなぁ
そちらの御仁は、織田家家老じゃった・・・五郎左殿。
んーと、覚醒されておらんか?まぁええ、坊主そう硬くなるな」
次々と前世の事を言い当てられ驚愕する吉政の連れ達、
「藤治郎、この者達がこの世界での腹心か?」
「そうだな腹心とその候補生って言った所か」
「なるほど見習いか。よきかな、よきかな」
そう暢気にしてられない。まだ戦の最中だからな。
吉政は、笑顔で語るこの青年の型をした老人に、劣等感を覚えた。
次回「内戦?⑧」 お楽しみに m(_ _)m