内戦?⑦
第100話 「内戦?⑦」 始まります。
「ちょっと、どういう事なのよ。ちゃんと説明しなさいよね」
弥生は席を立つと藤治郎の側に行き、腕を頭に巻き付け締め付けながら問い詰めようとしていた。
「痛いって、言うから」
弥生の性格を知っている藤治郎は焦らす事を諦めた。
「千鶴、顔を見せておくれ」
藤治郎は顔を見ながら、鑑定結果画面の昭美と書かれた所をクイックして、その画面に載っていた写真を見ていた。
「いい顔しているな。義父殿は達者であったか?」
「はい、私が此方に来る前までは」
藤治郎の質問に答える千鶴。
「そうか叔父上はご健在かぁ。よきかな、よきかな」
藤治郎は一人頷いていた。
「そちらでの暮らしは楽しかったか」
「はい、とてもよくして頂いて幸せでした。もちろん今もですが、最後に実の母と父に会いたかったです。
でも、そのひとつ今適いました。姿は違えど」
「余も逢いたかったぞ、伯父からは聴いておった」
義父の言葉を思い出した千鶴は、
「陛下、・・・失礼ですがこの名は前世も同じで」
「うむ、おなじじゃ」
「吉伸おじさんの子であった吉政さん」
顔を上げていたが再び伏せると、
「よいよい、書類上従姉妹になるからな」
「太閤殿下とは知らず失礼いたしました。」
「いい女に育っておったのじゃな。よかったよかった。伯父上に預けて正解じったわ」
痺れを斬らした弥生は声を荒れてた。
「この千鶴は余の長女であるはずの娘であった」
藤治郎の言葉に一同驚愕した。
「まさか、御父さんなの?」
「すまん、千鶴いた世界、つまり儂の母の世界では、儂らの子に出来なかったのじゃ。書類の上でも法としても、昭美は千鶴が生まれた事を知らん。
知らせてないしな。
じゃが、学業を終えた後、儂のいる世界に呼ぶ積もりじゃった。
が、千鶴は予想以上に育ってくれた。戦のある世界より幸せであろうと、長生きしてくれるだろう。
そう思い呼ぶのは止めたのじゃ。
すまなかった」
次回「内戦⑧」おたのしみ m(_ _)m