表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
10/143

父上、一体何を

第十話「父上、一体何を」始まります。

「ふぅー、危ない危ない霞に何言われるか解ったもんでないわ」


 初めは軽い悪戯の積もりだからこそ見ないで居たのだが、

徐々にエスカレートしていく由紀に、吉政自身が耐えられなくなって、

浴室を出て与えられた部屋に行く。

吉政が部屋に入ったら、そこには満面の笑顔の霞が居た。


「父上、おはよう御座います」

「お、   おはよう」


 霞が居て驚いた吉政だが少し落ち着きを戻すと、

霞とテーブルを挟んで向かい側に座った。


「父上、一体何をされていたのですか?」


 霞は何言っているのだろうか?

余が毎朝やっている事は知っているはずなのだが、

 だから風呂場の事は、黙っておく事にした。


「えっ、何って朝稽古して風呂へ」

「そう、由紀さんとねぇ~楽しかった?そらぁ~楽しかったでしょうねぇ~」

「あぁ二人で稽古するのは楽しかったぞ」

「だよねぇー稽古の後は特別に」


 えっ知ってる訳無いよな。あの時は二人だけだったし、


「・・・」


 余が少し黙っていると、


「そうよねぇ~って、何故私を呼ばないのですか?で,何をされていたのですか?正直に言って見たのでしょ」


 えっ呼ばないのですかって、

霞はスポーツ万能でも武芸駄目じゃん。

見たって何をだ。

 

「まぁ、良いわ。見てたから、私にすればいいのに、

で、どうでしたか」

「ちょっと待ったぁ。見てたからって、私にすればって何をだ」


 余が霞に吠えた途端正面からハリセンが飛んできた。


「・・・痛いわぁ」


 また吠えると、


「静かにしていただけない事、結果はどうでしたか?」


えっ、使った事もばれていたのか、


「使えるみたいだ」

「そう、で使うときは慎重にしてね」


 わぁー、やっぱばれているよ。

 笑顔の霞を見て、冷や汗が流れ出しているのではないかと感じる吉政であった。



「入っていいでしょうか?」

「ちょうどいいわ、入って貰って」


霞が返事をしたが、余も言った方が良いだろう。


「いいぞ」


扉を開けた由紀さんをみれば、照れ顔満載であった。


「由紀いらっしゃい。どうしたの真っ赤になって」

「何でもないです」


 由紀は俯きながら答えた。


「まぁ、いいわ、入ってらっしゃい」


 由紀は、吉政を見つけると無意識に吉政の隣に座った。

 其れを見た霞が微笑み、話し出した。


「そう、由紀さんも聴いてね」

「はい」


 由紀は顔を上げ元気に返事した。


「父上の籍を作ってきました」

「えっ、今何て言った」


 霞の言葉に吉政は聴き間違いかと思い聴きなおした。

 すると霞は簡単な言葉に言い換えて話した。

 

「父上は私達の子になりました」



次回「ここでは無意味」お楽しみに。

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ