序章
天下人となりし
「信」の男と呼ばれた豊臣籐治郎吉政の別のお話。
~秋桜畑の誓い~始まります。
「申し上げます。徳川大納言家康様御謀反」
「状況は」
「はっ、総勢八万まもなく前方に見えまする」
「八万、なら先陣のほとんどが槍を返したというのか?」
突然、陣中に入ってきた荒武者が息を切らしながら報告に。
俺は床几が転ける勢いで立ち上がった。
「御意」
「残りの四万は如何したぁ」
俺は叫んだ。
「居りませぬ」
「何っ」
ならばその2万は何処じゃ、疑念が深まるばかりである。
俺は陣幕を出て見渡す。小高い丘の上前方は一面広がる田園風景、
前方には軍勢はまだ見えない。
すると、後方の林の向こうが騒がしい。幕内に入り状況確認に行かそう。
「誰か見て参れ」
俺は物見を派遣したが、落ち着かない何故?
陣内をグルグルと歩き回った。
そこへ先程の物見が戻ってきた。
「申し上げます。伊達権中納言政宗様五万、家康様に同調し後方にて槍合わせ中」
別の使者がやって来た。
「右側より白地に雁金と黄地に無字立て三つ、柴田勝家様と織田信雄様と見受けます
その数四万」
どうすればよいのじゃ、この場合はえっーーーと、
立ち止まって、父・吉伸ならどうするのか、と考えていた。
俺の父である。吉伸は今、大阪石山にいる。
寝返った将は歴戦の強者達率いる十七万こちらは四万五千、
しかも三方からの挟み撃ち、厭おそらく全方位囲まれている。
暫くすると使い番が入ってきた。
「豊臣大納言秀吉様討死」
「前田大納言利家様討死」
「諏訪権大納言勝頼様討死」
判断が遅く、次ぎから次へと入ってくる凶報。
俺は頭を抱えた。
そこへ、
「吉政公覚悟」
後ろを見れば、突如大太刀を振り下ろしてきた近衆。
怖くなり目を瞑った俺は、無我夢中で小刀を持った腕を胸から敵将になった近衆へ振り切った。
吉信「俺は木下関白太政大臣吉信、吉政の父である。 愚か者の藤治郎をよろしくお願い致す」
吉信「ん、誰も居らぬの わっぁぁぁ 何故そちが居る」
白 「久しぶりじゃな」
吉信「だから何故そこにいる」 大太刀を抜き首に当てる
白 「やば」
※ シューン
吉信 「相変わらず消えるのぅ 」
吉信 「次回もお楽しみに」