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秘密~異世界ハーフの受難~  作者:
2章:白の貴婦人と不機嫌少女
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異世界拾得物管理士とは?

 結局、お披露目の件は覆ることはなくただただ疲労困憊しただけだった。そしてやっと逆らうだけ無駄だと分かったリリアナは、お茶とケーキに手をつける。とりあえずこちらに来て素晴らしい点は、毎日出されるこのスイーツ達だ。どんなにいら立っていても一口食べるだけでそんな気分が吹き飛ぶ。

 

 (あまり食べ過ぎちゃいけないのは分かっているけど、やめられないのよね)


 幸せそうにケーキを口にする妹を見てエヴァンスとアベルは目を細める。アベルとて本当は分かっているのだ。今回のスケジュールには無理があると。しかし、妹のお披露目と同時進行で進めている件にも関わりがあるので甘くするわけにはいかないのだ。


 「リリィ、市内に一棟ビルを手配しました。披露目が終わったらそこであなたの仕事を始めなさい。くれぐれも侯爵家の姫と同一人物とばれないように」


 「仕事と言われても依頼か異変が起きないと動きようがないのよね」


 「そもそもリリィの仕事について私達は知らないのだが」


 その言葉に最もだとリリアナは思った。そもそも兄達は一族には関わりがないので知るはずがないのだ。


 「異世界拾得物管理士っていうのはね…………」


 異世界とは現在確認されているだけでも1000以上存在している。それだけの世界があると当然世界事に文化や技術の発達の差があった。つまり技術力が高い世界の物が低い世界に落ちると色々と問題が発生するのだ。例えば落ちたものが食品やら娯楽品ならまだいい。だが兵器やそれに準ずる技術が落ちるとかなり危険なのだ。その結果、世界が滅びた例が多数ある。それを防ぐ為に各世界に派遣されるのが異世界拾得物管理士だ。管理士は、落ちたものを確認後即回収に回る。そして同盟に提出後それが落下した原因を調査するのが仕事だ。


 「主な仕事はこんな感じ」


 「それは随分と重要な仕事ですね」


 「あぁ、責任重大だな」


 「そうでもないよ。同盟では下っ端も下っ端。能力が低い人間がつく仕事だって馬鹿にされるんだよね」


 「そんなことはありません。とても重要です。自分達に扱えない技術ほど危険なものはありません」


 「じゃあ、お願いがあるんだけど」


 「何だい?」


 「あのね落ちるのは科学技術系だけじゃないの。魔法とかそう言ったものが関わる品物とかもあるの。そういうのは骨董品と間違えられている場合があるから上流階級とかの集まりで変な噂があったら教えて欲しい」


 「では尚更お披露目が必要ですね」


 「え?」


 「そういった噂は女性の方がよく知っています。自分で色々とつてを得なさい」


 「ケチ」

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