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「マラッカ海峡漂流記」 最終話

つたない小説を最後まで読んで頂きありがとう御座います。

やっと最終回まで書く事が出来ました。

そこから漁船は本来の目的地である港町に向かった。

出迎えたのは海洋調査船の重役と職員が数人とモレノの家族だけだ。

調査船側も騒がれるのを嫌った。漂流者が一人助かったが大勢の死者を出した責任が、また

蒸す返されては堪らないからだ。この点ではモレノに取っても好都合であった。

もちろん漁船の船長には内密に、それ相当のお礼が調査船側から支払われた。

それよりも何よりも妻と子供達に会いたかった。

モレノのは重役への挨拶もそこそこに、妻と子供の側に駆け寄り抱き合って喜んだ。


モレノは海洋調査船に乗ってから二ヶ月、夢にまで見た家族の再会を喜んだ。

その日の夜、妻に遭難して助かった理由を話した。もちろんフランコは命の恩人であることも。

翌日の朝、親戚の家へ行った。親戚の人々は良く助かったと喜んでくれた。

ここでもフランコが命の恩人である事を話して、相談に乗って欲しいと頼んだ。

 フランコはどうも勝手が違うのか、大きな体を持て余していた。

フランコは不安でいっぱいだ。海賊の仲間はいない。これからどう生きるのかと。

 「フランコ心配するなって、俺たちは生死を共にした仲じゃないか。俺にまかせろ」


フランコを連れてモレノの家に向かった。妻にも子供にもフランコを紹介した。

モレノは自分の家にフランコを招き入れた。フランコにしてみれば浦島太郎の世界である。

 今まで家族は海賊の仲間あり、親といえば海賊の船長であった。

そこは弱肉強食の世界で、強い者が欲しい物を手に入れるのが当然であった。

油断をしたら総てを失う。しかしここは違った。モレノの妻や子供は暖かく迎えてくれた。

最初は違和感があったフランコだが、しかしもう海賊には戻れない。

 人の物を盗ったら、人を殴ったら警察に逮捕される。海賊をやっていた頃は強い者が法律で

あった。しかし此処は違う。規律と道徳と人を思いやる事が生きる幸せに繋がる。

そんな事をモレノはフランコに言い聞かせた。人に親切にすれば親切が返ってくる。

 それからモレノはフランコの為に、近くにある空き家を探して住まいを与え仕事を与えた。


 モレノは海洋調査船を家族の為とフランコの為に降りた。今は海洋研究所で働いている。

 また別な海賊船に襲われてはたまらないからだ。そしてフランコを幸せにする責任がある。

 フランコは海賊生活が長いから、人の付き合い方を側で教えてやった。

 体力には自信があるフランコは港の市場で働いた。あとの心配は職場関係だった。

しかしフランコはモレノの教えを守った。(人に親切にすれば親切が返ってくる)

 (逆に怒りをぶつければ怒りが返ってくる)その通りだった。

人の親切に熱い物を感じたフランコは、その親切を返した。働く喜びと人の情を知った。

 フランコは生まれ変わった。愛情と友情というものがどんなに素晴らしい事かも知った。


やがて二年の月日が流れた。今フランコは小さな漁船を買って漁師になっていた。

あの海賊の荒々しい気性は消えて真面目に働いた。

最初の頃は巨漢で人相も悪く、人々は警戒したものだ。だが今は相手から言い寄ってくる。

  そして今、モレノの隣に新しい家を建てて妻をめとり、互いに兄弟のように暮らしている。

「よーフランコ産まれそうだって。いいのかい仕事どこじゃないだろう」

「なぁに心配いらないってモレノ、お前さんの奥さんが側に着いているから」

「なるほどフランコの奥さんと、家のカミさん仲がいいからな。生まれたらパーティーを派手に

やろうぜ」

 二人は声を上げて笑った。


 了


読んで戴いた方々にお礼を申し上げます。

この小説に対して感想または、ご意見を賜れば幸いで御座居ます。


次回作品は何時になるか分かりませんが、何時の日か折を見て投稿したいと思います。

尚、私は大の巨人ファンであり、三月の声と共に巨人144試合を

最初から最後まで観戦しております。巨人ファン万歳(笑)

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