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「マラッカ海峡漂流記」 8

 

「フランコいつの間に? 凄いな」

 「まぁなイカダに戻っても水がないと生きられないからな。しかしこれでは一日で無くなるが」

 「いや、まだ生きられる。希望はあるさ」

 その日から二日目の朝を迎えた。すでにペットボトルの水は殆どなかった。

 「どうやら最後の時が来たようだなモレノ。お前に会えて良かったぜ。今度生まれた時はモレノ

俺の友達になってくれよな」

 「ああ、ただの友達じゃない最高の親友として迎えるよ」

 漂流してから18目だった。もう最後の運も尽きてしまった。あとは天命に任せるだけだ。


 そんな時だ。ドッドッっとエンジンの音が聞こえて来た。

 小型漁船が近づいて来るのが分かった。二人は起き上がるのもやっとの状態だったがこの時

ばかりはバネ仕掛けのように飛び上がり漁船に向かって手を振った。

 すると漁船から汽笛が何度も鳴り、ライトが点滅していた。救われた。二人は抱き合って喜んだ。

 二人は奇跡の生還を遂げたのだ。モレノは喜んだ。家族に会える嬉しくて堪らない。

もう死んだと思っているかも知れない。だから漁船員に頼んで無線を打ってもらった。

だがフランコは上陸するのを拒んだ。このまま逮捕されるんじゃないかと恐れたのだ。


モレノは助かった事が嬉しく、一瞬ブランコの処遇まで頭に浮かんでいなかった。

フランコは海賊だ。陸に上がれば色々と追求され裁判に掛けられ服役する事になるだろう。

それだけは避けなくてはならない。襲う側と襲われる側、18日前は確かにそうだった。

今は違う命の恩人でもあり友情を誓いあった仲だ。なんとしても助けたかった。

「心配するなフランコ。今ではお前は大事な友人だ。幸い誰もお前が海賊だと知らない竜巻に

巻き込まれ、一緒に漂流していたと言えば誤魔化せる。俺を信じろ」

フランコは信じるも何も、それしか方法はなかった。ここでもモレノに賭ける事にした。


幸い助けてくれた船は20トンクラスの小さな漁船で、細かい事は追及しなかった。

モレノは海洋調査船に乗っていて遭難したと本当の事を告げた。

 もう一人の男は調査船に現地で、臨時に雇った雑用係りの男だとなんとか誤魔化した。

ともかく二人は陸に上がったが、騒ぎを恐れて小さな漁村に船を着けてもらった。

ここではフランコだけ降りて貰った。まもなくモレノの親戚の者が迎えにくるから数日そこで

待っていてくれと伝えて。


つづく(次回最終話)

次回最終回となります。

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