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第37話 家族の味、守る覚悟

カクカクハウスのキッチンに、カレーの香ばしい匂いが広がっていた。


 


ぱたぱたと木製のスプーンが皿を叩く音。


スプーンですくって、ぱくり。 


もぐもぐ、もぐもぐ。


 


「おいしぃぃぃ……!」


 


ブリジットちゃんが、瞳をうるうるさせながらカレーをかき込んでいる。


 


「兄さん、これマジでヤバいっすね……!」


 


リュナちゃんも、普段の飄々とした態度を忘れて、真剣な顔でスプーンを運んでいた。


黒マスクはテーブルの隅に外して置かれていて、口元がちゃんと見える。


リュナちゃんが無邪気に微笑みながらカレーを食べてるの、なんかすごいレアな気がするね。


 


「ボクも……ボクも……!」


 


小さなドッグボウルに盛られたカレーに、ちいさなフレキが夢中になっている。


ミニチュアダックスフンドサイズのフレキくんが、ぺろぺろ、ガツガツ、懸命にカレーを食べる姿はもう、完全に反則級にかわいかった。


 


(……癒しって、こういう光景のことを言うんだろうな)


 


俺は、目の前の三人(?)を見ながら、そんなことをぼんやり思った。


 


ふと、ブリジットちゃんが、ぱっと顔を上げた。


 


「ねぇ、アルドくん!」


「わたし、おうちにいた時、パーティとかによく連れてってもらってたんだよ?」


「王宮の晩餐会とか、有名な料理人さんのフルコースとかも食べたことあったけど——」


 


ぱぁぁぁっと顔を輝かせて、


 


「——でも、どんな宮廷料理よりも、アルドくんのカレーが一番おいしい!!」


 


と、満面の笑みで言い切った。


 


「えっ……」


 


耳まで赤くなったのが、自分でもわかる。


あまりにも真っ直ぐな賞賛に、思わず目をそらしてしまう。


 


「そ、そんな大袈裟だよ〜」


「俺、ただカレー作っただけだし……」


 


「ただ」って言ったけど、実際はこの世界の素材と魔法を組み合わせた、超特製カレーなんだけどね。


でも、こんなに喜んでもらえるなら、頑張ったかいがあったってもんだ。



「ねっ、ねっ!アルドくん!聞いても良い?」



「なっ……何かな!?」



ブリジットちゃんが、身を乗り出す様にして尋ねてくる。


急に距離詰めて来られるとドキドキしちゃう!



「アルドくんの誕生日って、いつ?」


「えっ?」



誕生日……誕生日か。


俺も知らないな、俺の誕生日。


悠天環にはカレンダー無かったからね。



「……7月25日だよ。」



とりあえず、当たり障りの無いように、

前世の誕生日を申告する。


何故か、この世界では前世の世界と同じ『太陽暦』が使われているんだよね。


異世界なのに!?って最初は驚いたけど、まあ分かりやすくて助かるし、いっか!と思ってスルーしてる。



俺の誕生日を聞いたブリジットちゃんは、一瞬何かに驚いた様に目を見開いたが、次の瞬間には天使の笑顔になった。



「……それじゃ、アルドくんの誕生日には、お返しにあたしが何か作ってあげるね!」



「え…ええっ!?ブリジットちゃんが手料理を!?」



「うん!いつも美味しいもの作ってもらってばかりだし、お礼したいなって思ったんだ!」



えぇー、何それ。超嬉しい。


悲しい事に、前世と合わせて100年余りの人生&竜生。誕生日に女子から手作りの料理を振舞われた記憶なんて、このアルド、一つもございません。



「あ、ありがとうー!めちゃ楽しみにしておくよ!」


「うん!楽しみにしてて! えへへ」



照れた様に笑うブリジットちゃん。

これはマジで楽しみだなぁ。

 


その隣では、フレキくんがドッグボウルに顔を突っ込んだまま、もごもご呟いていた。


 


「ボ、ボク……“縮小”スキルを覚えられて、ほんとうによかったです……!」


「小さい身体の方が……アルドさんのカレーを……いっぱい味わえるからぁ……!」


 


ぺろぺろ、ガツガツ、ぺろぺろ。


 


なんだこの天使の食事風景。


 


あ、フレキくんはフェンリルだからいいけど、


みなさん、普通のワンちゃんには絶対タマネギ入りカレーあげちゃダメだからね!!


アルドお兄さんとの約束だぞ!!


 


俺はそんな注意喚起を心の中でそっと叫びながら、幸せそうなみんなを眺めていた。



カレーをぺろりと平らげたリュナが、ふぅと一息ついてスプーンを置いた。


 


「いやー、兄さん。これはマジでヤバいっすね。

こんなうまいもん、この1000年で初めてっす!

ほんと!」


 


満足げに伸びをする。


 


「そっかぁ。気に入ってもらえたならよかったよ」


 


俺もほっと胸を撫で下ろしながら、食器を片付けようと腰を上げた——その瞬間だった。


 


ぴと。

 


「……え?」

 


リュナが、すっと俺の右手に腕を絡ませてきた。

 


そのまま、にこぉっと無邪気に笑う。

 


「あーし、もう兄さん無しじゃ生きていけない身体になっちゃったかも〜」

 


耳元で囁かれるような声。


腕に伝わる柔らかい感触。



「なっ……ななななな、なに言ってるのリュナちゃんっ!?」

 


顔面が一気に熱くなった。


ぎゅううっと、心臓が跳ね上がる。

 


あわあわしながらも、でも、ほんのちょっと

——いや嘘!ちょっとじゃないわ!かなり嬉しい自分がいるのが悔しい!

 


「あーれー? そんなに驚くことっすかぁ?」

 


リュナはくすくす笑いながら、腕を離そうとしない。


その悪戯っぽい表情に、完全に翻弄されてしまう俺。


 


でも——


 


「……っ!」


 


そんな様子を、じっと見ていたブリジットちゃんが、何かを決意したようにきゅっと拳を握った。


そして、えいっとばかりに、俺の左腕に飛びついてきた!


 


「あ、あたしもっ!!」


「あたしも、アルドくんがいてくれないと、困っちゃうよ!!」


 


頬を真っ赤にしながら、必死に俺に訴えかけるブリジットちゃん。


 


「ええぇぇぇぇぇぇっ!!?」


 


今度は完全にパニック。



リュナちゃんはともかく、ブリジットちゃんまでそんな大胆なアクションに身を投じるなんて!!



カレーのスパイスに、ここまで人を開放的にする力があるとは!?また作らなきゃ!!



左右から、黒ギャルと正統派ヒロイン。

黒と白、相反する属性の2人に抱きつかれているというこの状況。


これぞまさに美少女二刀流・陰陽交叉(おんみょうこうさ)


俺の理性が粉々に砕け散りそうだよ!



いや、これもう人間として耐えられるシチュエーションじゃないからね?真祖竜だけど。


 


「ふ、二人とも、ちょっと落ち着こう!? 冷静になろう!?」


 


必死に訴えるけど、二人は全然離れない。


むしろ、リュナちゃんはブリジットちゃんの様子に(おやおや〜?)と余裕の笑みを浮かべて、さらにぐいぐい来るし、


ブリジットちゃんも、負けじときゅっと腕にぎゅうっとしがみついてくる。



ちょっと!本当にやばいから!


一見美少年(久々の自画自賛)に見えるかもだけど、

俺、中身はまあまあ成熟した男性だからね!?


こんな状態が続くと『アラ、いいですねぇ』の波が押し寄せてきちゃうから!


反省文書かなきゃいけない事態になりかねないよ!!


 


小型フレキは、そんな俺たちを見ながら、ハッハッハッと息を弾ませて微笑んでいた。


 


(……あぁ……心が……持たない……!!)


 


でも、こんな温かい時間が——


俺は、心のどこかで、ずっと続けばいいなと思っていた。


 


——まだ知らない。


この平和な時間が、どれほど尊いものかを、俺がどれだけ本気で守ろうとするのかを。


 


そんな未来のことなんて、今はまだ、考えない。


 


今はただ——


 


二人の笑顔と、フレキの無邪気な息づかいに包まれて。


俺は、世界で一番幸せな気持ちになっていた。




 ◇◆◇




夕方の柔らかな光に包まれる、フォルティア荒野。


その真ん中で、俺は超巨大な鉄鍋を必死に振っていた。


 


ゴオオオオオオオオッ!!


 


焚き火と呼ぶにはあまりにも高火力な魔法の炎を、地面に設置した即席の炉の中で燃やして。


その上に、どでかい中華鍋。 


土魔法で成形した、特注の超重量級。


 


「よっ……っと!」


 


俺は右手でクソデカ中華鍋を、左手で火炎魔法を操りながら火力を細かく調整する。


焦がさず、でもちゃんと香ばしく。 


これが意外と、難しいんだよな。


 


鍋の中では、香ばしい香りを放ちながら、魔物肉と野菜たちが豪快に炒められている。


 


これでも一応、回鍋肉(ホイコーロー)のつもりだ。


この世界に甜麺醤(てんめんじゃん)はないけど、植物魔法とか色々駆使して似たような発酵調味料を作れたから、味は完璧……のはず。


 


「もうちょい、火を強めるか……!」


 


左手をひらりと翻し、火力を一段階引き上げる。


炎がごうっと唸り、鍋底をさらに焦がすように舐めた。


 


その炎を見上げながら、巨大な影たちが集まってくる。


 


ハッハッハッ……ハッハッハッ……


 


5m超の巨大フェンリル(犬)たちが、鍋の周りをぐるぐる、うろうろ。


みんな、舌を出して、尻尾をパタパタ振ってる。


待ちきれないオーラ全開だ。


 


その先頭に立つのは——


銀色の毛並みをなびかせた、マナガルム。


そして、その隣でちょろちょろしている、パグ顔のグェル。


 


「申し訳ない、アルド殿」


 


マナガルムが、低く落ち着いた声で頭を下げた。


 


「我々の食事まで……ご用意いただき、痛み入ります」


 


「いいっていいって!」


 


俺は笑って、手元の鍋をぐるぐると振った。


具材がカラカラと音を立てて、また香ばしい匂いが立ち上る。


 


「みんな、ノエリア領の一員になったんでしょ?」


「だったら、家族みたいなもんじゃん」


「……家族なら、腹いっぱい食べさせなきゃね!」


 


ぐっと親指を立てながら、笑顔で言う。


ノエリア領は、ホワイト企業だからね!


領民への福利厚生もしっかりしますよっと!


 


マナガルムは目を細め、静かに頷いた。


その横では、グェルがごくりと唾を飲み込みながら俺を見ていた。


 


(あれ?なんかグェルくん、すごい顔してるな……)


 


目が泳いでるというか、明らかに俺を「ヤバい人」見るみたいな視線を送ってきてるんだけど。


まぁ、いいか。


たぶん、あれだ。


“リュナ様が言ってた通り、こいつは絶対逆らっちゃダメな奴だ”って理解した顔だな。


彼、長い物には巻かれるタイプっぽいもんね。

 

そういう無言の悟り、俺は昔から敏感だから分かる。


営業職やってたとき、めちゃくちゃ役に立ったしね。


 


「さぁて、あともうちょいで完成だぞ〜!」


 


俺は、鍋をもう一振りして、香ばしい香りを更に強めた。


周囲のフェンリルたちが、わんわんと小さく吠えて大喜びしている。


その光景は、なんというか——



……ブリーダーの餌やりの時間?



そんな感じだった。


でも、みんなすごく楽しそうだから、こっちまで笑顔になった。



バサッ、バサッと鉄鍋から回鍋肉を取り分けて。


次々と、土魔法で作ったでっかいドッグボウルみたいな器に盛り付けていく。


 


マナガルム、グェル、——


そしてその後ろに控える、ずらりと並んだ巨大フェンリルたち。


100匹超え。


 

これ、レストランだったらブラック企業どころじゃないよね。



ワンオペだし。犬だけに。

 


そんなことを思いながらも、俺は笑顔で作業を続けた。


 


——そして、ついに配膳完了!


 


「いただきます!!」


 


ドワァァァァ!!


 


フェンリルたちが一斉にボウルに顔を突っ込む!


 


ハッハッハッ!


もぐもぐもぐ!


パクパクパク!


 


全員、めちゃくちゃ幸せそうに食べてる。


……音だけ聞くと、ちょっと騒音公害だけど。


まぁ、気にしない。荒野のど真ん中だしね。


 


俺も自分用に用意した回鍋肉丼を手に持って、ドカッと地面に腰を下ろした。


マナガルムやグェルも、並んで座る。


フェンリルたちも、その周りを取り囲むように、食べながらくつろいでいた。


 


前世は一人飯ばっかだったからなあ。


新型感染症とかもあって、会社の飲み会とかも減ってたし。


大勢で食べるご飯ってのもいいよね!

犬ばっかだけど!


なんか、胸の奥がほわっと温かくなる。


 


そんな中、マナガルムがふと真剣な顔になった。


 


「アルド殿……」


「まさか、あのベルザリオンを、ああも容易く追い払うとは……」


 

話によると、あのベルザリオン君が"フェンリル族に接触してきた魔王四天王"だったらしい。


ただの涙脆いオジサン風若者じゃなかったんだね。



「いや、追い払ったっていうか……」

 


俺は、丼をもぐもぐしながら苦笑した。

 


「俺、間違って彼の剣、折っちゃったからさー」


 


「え……」


 


マナガルムがびくりと目を見開く。


 


「めちゃくちゃ落ち込んで泣いちゃって……気の毒だから直してあげて……」


「それで、カレー食べさせたら感動して、あと何か若返って、帰ってっただけだよ」


 


俺は、あっさりと、でも正直にそう言った。


 


グェルは、目をぱちくりさせたあと、


 


「……さすが坊ちゃん〜!」


 


と、ハッハッハッと息を弾ませながら褒めそやしてきた。


絶対、心の中では『コイツやべぇ』って思ってそう。


そういう立ち回りを意識した姿勢、俺は嫌いではないよ!


 


でもまあ、いいか。


みんなが笑って、飯を食って。


 


この光景だけで、俺は十分だ。


 


(この笑顔を……)


(守りたいな)


 


そんなふうに、心から思った。




 ◇◆◇




回鍋肉丼を半分ほど食べ終えた頃だった。


隣に座っていたマナガルムが、ふと真剣な声音で俺に向き直った。


銀色の毛並みが夕陽に照らされ、どこか神々しくすら見える。


 


「アルド殿」


 


静かな呼びかけ。


 


俺は箸を止めて、マナガルムに目を向けた。


真剣な顔。


冗談や、世辞の一切ない、真っ直ぐな眼差しだった。


 


「貴殿なら——」


「……大罪魔王をも退けられる、やも知れません」


 


その一言に、周囲の空気がわずかに緊張する。


隣で食べていたグェルも、ピタリと動きを止めた。


 


マナガルムは続ける。


その声には、重みがあった。


 


「だが、ブリジット殿、リュナ殿は?」


 


言葉の端々に滲む、懸念。


 


「確かに、あのお二人も尋常ならざる力をお持ちだ」


「ですが、大罪魔王……」


 


マナガルムは、唇を噛み締めるようにして言った。


 


「奴らもまた、この世界において“最強”と称される存在」


 


「リュナ殿……かつて“咆哮竜ザグリュナ”として恐れられた存在とすら、互角以上とされる強者たち」


 


「もし、彼らと本気で敵対すれば……」


「アルド殿、貴方は良くとも、お二人の身には……」


 


そこで、マナガルムは言葉を切った。


だが、言いたいことは痛いほど伝わった。


 


俺は、ゆっくりと、視線を落とした。


 


ブリジットちゃんが傷つく姿。


リュナちゃんが苦しむ姿。


 


そんなもの——


絶対に、見たくない。


 


胸の奥が、ぎゅっと締め付けられるようだった。


 


その瞬間、何かが弾けたように、周囲の空気がピン、と張り詰めた。


 


——静寂。


 


100匹超のフェンリルたちが、ハッと動きを止めた。


ご飯を食べる手(前脚?)も止めて、


みんな一斉に、ピシッとおすわりの体勢を取る。


ガタガタ、ガタガタ。


小刻みに震えながら。


 


(……ああ)


(俺、たぶん……顔、すごい怖いんだろうな、今)


 


冷静なつもりだった。


けど、感情は——


抑えきれなかった。

 

 


俺は、食べかけの箸と丼を、そっと地面に置いた。


 


カチリ。


静かな音が、妙に耳に残った。


 


そして、静かに、言った。


 


「……もし」


「もし、あの二人を傷付けるような相手がここに来たら——」


 


一拍置いて。


 


「その時は……」


 


「俺が、相手するよ」


 


ボソリと呟いただけだった。


でも、その言葉に乗った感情は——


確かに、荒野の空気を震わせた。


 


ビシッ、ビシビシッ……!


 


地面に、細かな地割れが走る。


まるで大地さえも、俺の怒気に呼応したかのように。


 


(……やべ)


 


我に返った俺は、慌てて顔を上げた。


 


周囲を見れば——


 


マナガルムが、腹を見せて仰向けになり、ガタガタ震えている。


 


「む、胸毛……触ります……?」


 


消え入りそうな声で、申し出てきた。

 


グェルは、完璧なおすわりポーズを取っているが、


腰が抜けて、尻尾とお尻がぐにゃっと奇妙な形に曲がっている。

 


「ご、ごめんね!?」

 


俺は慌てて両手を振った。

 


「怖がらせるつもりはなかったんだよ!!」

 


謝りながら、箸と丼を持ち直して、カクカクハウスへと小走りで引き返す。


 


背中からは、フェンリルたちのざわめきが聞こえてきた。

 


「おい!グェル隊長がまた漏らしてるぞ!」


「マジかよ!?食事中だぞ!?」


「誰かバケツ持ってこいーー!!」

 


必死に笑いをこらえながら、俺は聞こえないフリを決め込んだ。


本当ごめんね!?グェルくん!!

 

 


カクカクハウスのドアをくぐり抜け、空を見上げる。


 


夜空には、満天の星。


荒野の空気は、ひんやりと澄んでいる。 


 


(大罪魔王、ね……)

 

 


俺は、ぼんやりと夜空を見つめながら思った。

 

 


(いずれ、会うこともあるのかな)


 


(できれば、平和に済ませたいけど)


 


(……ま、揉めないに越したことはない、よね)

 

 


そんな、どこか他人事のような。


でも、ほんの少しだけ覚悟を滲ませた独り言を、


星々は静かに、聞いていた。


  



——そして、その"いずれ"の時は、


思った以上に早く訪れる事になるのを、


この時の俺はまだ知らなかった。



物語は静かに次なる波乱へと向かっていく。

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