6*台湾の朝ごはん:その②「小籠包と湯包類あれこれ」
さて、前回は台湾の鉄板朝ごはん、「豆漿(ドウジャン)」について語りました。今度はそれと一緒に食べたい、炭水化物の代表的メニューをご紹介します。やはり、台湾に来た日本人が必ず食べたいと思う「小籠包」は外せないでしょう。
ここで「あれっ、小籠包って朝ごはんに食べるの?」と思ったあなた。台湾人は、朝も昼も晩も小籠包を食べます(笑)ほんと、どこにでもあるんですよ。屋台にも夜市にも、ちょっとしたカフェにもあったりする、台湾の国民食ショーロンポー!
しかし、日本の観光客が行くような有名店は、けっこう高いです。そして一籠(中国語でせいろの単位はロンです)に10個から12個ほど入っていることが多いため、一人旅の人には多すぎたりします。
そういう場合は、朝ごはんで食べましょう。豆漿のお店でよく見かけますし、その他の早餐(ザオツァン/朝食の意味)店でもスタンダードなメニューです。そういう店のは、たいてい4~5個くらい、一人でちょっとつまむのに丁度いい量です。中には一粒単位で売ってくれる店もあります。
ただ、有名店に比べて小籠包の皮は少し厚め。千切りの生姜もマッチ棒くらいで、ビジュアル的にはやや庶民的になります。ミズカミは味さえよければ気にしないので、朝から鹹豆漿と小籠包、餃子などを頼むことが多いです。
そしてもうひとつ、ぜひ食べていただきたいのが「湯包(タンバオ)」です。関西では豚まん、それ以外では肉まんと呼ばれる、いわゆる中華まんですね。台湾の中華まんには、「肉包(ローバオ)」というものもありまして、見た目はほぼ同じなので違いを台湾人に聞いてみたことがあります。
すると、「似たようなもんだと思うけど、湯包は汁気が多い」とのことでした。確かに、湯包にはスープがたっぷり入っているものが多い印象です。ふかふかの皮の中から、美味しい餡と肉汁がジュワッと溢れてきて、それにかぶりつくのがたまりません。
汁気が多いので、これは蒸したてをその場で食べるのが絶対におすすめです。朝から湯気の上がるせいろを見つけたら、ぜひ壁のメニューをチェックしてみてください。
食べるときは、お店の片隅にある調味料コーナーで、小皿に酢や生姜を取って自分の好きなタレをミックス。店によって酸っぱい漬物があったり、日本風に辛子があったり、台湾人の好きな沙茶醤(サーチャージャン)なんかもあるので、あれこれ試してみるのも楽しいです。
あと、その他の朝ごはん炭水化物と言えば、厚餅(ホウピン)や焼餅(シャオピン)がスタンダードです。これらは筒形の窯や鉄板で焼いたパンで、そのままでも食べますが、だいたい何か挟んで食べることが多いです。サブマリンサンドイッチだと考えるとわかりやすいです。
例えば、厚餅夾蛋(ホウピンジャーダン)なら卵入り。「蛋」の部分を別のものに変えれば無限にアレンジ可能です。火腿(ホウァトン/ハム)、起司(チースー/チーズ)、培根(ペイゴン/ベーコン)など、好きなものを挟んでもらいましょう。中には油條(ヤウティオウ/揚げパン)を挟んでいる猛者もいて、「どんだけ炭水化物が好きなんや」と思ってしまいます(笑)