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神に愛された故に

作者: 珀

読んでくださりありがとうございます。

初作品のため拙い部分ありますが、感想や添削お待ちしております。

私たちは2人で1人。


1人では生きてはいけない対の存在としてこの世に産み落とされた。


でも物心ついた時からこの鳥籠の中だ。


鳥籠の中はとてもとても広い。

お花畑だって湖だって、私たちの住む大きい家だってある。


でもここには私たち2人と神様と何匹かの動物しかいない。


神様は僕たちを外へは出してくれなかった。


神様に私は問う。


「偉大なる全能の神、お父様。何故私たちはここから出られないのですか?」


神様は応える。


「それは君たちが誰よりも美しい天使だからさ。もう2度とあの穢らわしい種族に遭遇しないように守ってるのさ。」


私の片割れが問う。


「穢らわしい…種族?それはどんな種族なのですか?」


神様は応える。


「君たちが知る必要のない下等な種族だよ。今話したことは忘れて今日はもうお眠りなさい。」


神様の返答を聞いている間に眠ってしまう。


明日になったらなにを質問しよう。

神様は1日に2つだけ質問に応えてくれるのだ。


今は何回目の質問だったかな…?


明日の質問も楽しみだな。今日もぐっすり眠れそう。


朝になって目が覚めると昨日の質問を忘れてしまうことがある。


片割れに問う。


「…昨日の質問憶えてる?」


片割れは悩んだ末にこう答えた。


「憶えてない、どうしてだろう?」


私は過去にも何度か同じことがあったことを思い出す。


「まぁいっか!」


片割れの明るい声にハッとして笑顔を向ける。


今日は絵を描こうか?かくれんぼをしようか?

刺繍もいいかもしれないし、お花の図鑑を見るのも楽しそうだね。


1日が過ぎるのはあっという間だ。毎日があっという間だ。

私たちは何時からここにいて、何時までここで暮らすのだろう。


たまにここに何故私たちと神様以外に言葉を話す生き物がいないのか疑問に思う事がある。


私たちはお喋りが好きだ。

でも、神様に私たち以外の言葉を話す生き物のことを聞いてはいけない。


そもそも「私たち」はなんなのだろう。

どうして対でなければならないのだろう。


爛れている羽根が背中から生えている私たち。

爛れているため、空を飛ぶことは出来ない私たち。


これは元々なのかどうかさえもわからない。


神様は私たちだけの世界で十分だという。

他の世界は知らなくていいという。



神様が毎日私たちにこう言うんだ。


「君たち双子は私の最高傑作だ。誰よりも何よりも愛してるよ。ここからは出なくていいんだよ。ここには君たちに危害を加える者はいないから、楽しく過ごしなさい。」


危害なんて加えられたことあったかな?

危害を加えたのは誰なの?


そんなことは考えてはいけないのかも。


最高傑作って1番すごいってことでしょう?

とてもすごい栄光じゃないか。


私たちは既に幸せなんだ、と気づいた。


私たちはこれからもずっと神様に愛されてこの鳥籠の中で過ごせればそれだけで幸せなのだから。


爛れた羽根を背負っていても、空を飛ぶことが出来なくても、私たちだけでいいのだから。

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