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ラスボス召喚術で異世界最強~剣聖の家に生まれた最弱召喚士は前世の記憶を取り戻し無双する~  作者: small wolf
第一章 少年期 ラスボス召喚編

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第45話『男の名は――』


 そうして――――――かの魔人、ウルウェイ・オルゼレヴが召喚される――――――



 漆黒の軍服に身を包む精悍せいかんな顔つきの男。

 男は様々な武具をその身に纏っていた。

 背中には斧と大剣。

 腰には数本の刀やら鎖鎌まで据えている。

 それはさながら、全身が武器であるかのようだった。


「――――――召喚完了――――――」


 俺は召喚したウルウェイの顔色をうかがう。

 召喚されたウルウェイは辺りを見渡し、「はぁ」とため息をついた。



「――ああ、状況は理解した。全く、人使いが荒いな貴様。――まぁいい。己のやるべきことは変わらん。人類に害しか及ぼさぬ魔物などこの世には不要。一匹たりとも生かして帰さんっ!」


 そう言ってウルウェイ・オルゼレヴは背中の斧を取り出し、構えた。


「………………………………………………………………滅びろぉっ」


 長い溜めの後、ウルウェイはその斧を振るう。



 ――瞬間、遠くに居た魔物の群れが盛大に吹き飛んだ。

 響く爆音のせいか、魔物の断末魔の叫びすらも聞こえない。

 それくらい恐ろしい威力の一撃だった。


 ウルウェイ・オルゼレヴが複数持つ伝説の武器の一つ、戦斧せんぷ方天戟ほうてんげき

 ウルウェイの持つ武器の中で最も高い威力を出せる武器だ。

 この武器には弱点も多く、使用する為には長い溜めの時間が要る。

 更に、使用した後も大きな隙が出来てしまうのだ。

 

 ただ、その代わりに威力だけは折り紙付きだ。大軍を相手にする場合、ウルウェイは好んでこの武器を使う。



「さすがウルウェイだな。あんなに居た魔物の群れが一瞬で吹き飛ん――」


 眼前の魔物が居なくなり、警戒が緩んだその時だった。

 地面が――揺れた。



「な、なんだ? 地震か? いや――」


 この世界において、地震なんて自然現象はない。

 ならば、これは――


「ラース様、危ない!!」


 いきなり影から飛び出てきたセンカに押し倒される。

 そして――


「ブモォォォォォォォォォッ」


 地中から巨大な芋虫型の魔物が這い出てきた。

 ジャイアントワーム。

 普段は地中に潜み、隙をついて人を丸呑みにする魔物だ。

 さっきの地面の振動はこいつのせいかっ!

 ジャイアントワームは今さっきまで俺が立っていた場所から這い出てきていた。


 あっぶねぇ。

 センカに押し倒されてなかったら為すすべもなく丸呑みにされていた。

 今の俺は憑依召喚も何もしていない状態だしな。


「まだ残っていたか。地中に潜むなど卑劣な……。死ぬがいい」


 戦斧せんぷ方天戟ほうてんげきを使った反動から回復したウルウェイは振り向きざまに腰にある日本刀を引き抜き、瞬く間にジャイアントワームを倒す。


「グモォ……オッ……ヲッ……」


 断末魔の叫びを上げながら息絶えるジャイアントワーム。

 それを尻目にウルウェイは振りぬいた日本刀を再び鞘に収める。


「すごい……一瞬であんなでかいのを……あ、ラース様、大丈夫です……か?」


 ウルウェイの神速の剣技を見て感嘆の息を漏らすセンカ。

 俺も、ウルウェイの剣に魅入っていたから気持ちは分かる。


 ――その油断が、命取りだった。


「けほっ……くっ――」



 俺の胸から突き出た赤く煌めく刀。

 それを見て、センカは震えながら俺の名を呼ぶ。


「ラ、ラース……様?」


 だが、その呼びかけに俺は応える事が出来ない。

 動くことはもちろんの事、声を出すこともできない。


「えいっ」

「ぐっ――」


 背後に居る何者かの手によって、俺の胸から突き出ていた刀が引き抜かれる。そのついでと言わんばかりに俺は地面に押し倒され、身動きを封じられる。

 そいつは、動いたら殺すとでも言わんばかりに倒れた俺の眼前に刀を突き刺し、無理やり俺の顔を振り向かせた。


 そいつの顔を、俺は知っていた。

 その暗い笑みを、俺は知っていた

 怒りが……再燃する。

 俺から何もかも奪った男。

 もう関わり合いになる事もないだろうと思っていた相手。

 そいつの……名は――


「やぁっと隙を見せてくれたね。兄さん。この時を……くくっ、この時をずぅっとずぅっとずぅぅぅぅぅぅぅぅぅぅっっっっと待ってたんだよぉぉぉぉぉぉぉぉっ! クククククククククク、アハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハッ」

「アイ……ファズ――」


 アイファズ・トロイメア。

 剣聖の家系であるトロイメア家の次男であり、今世では俺の弟にあたる男。

 そんな男が今、俺の無様な姿を見て、いつの日かと同じか、あるいはそれ以上に暗い笑みを浮かべわらっていた。

 嗤っていた――

 

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