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ラスボス召喚術で異世界最強~剣聖の家に生まれた最弱召喚士は前世の記憶を取り戻し無双する~  作者: small wolf
第一章 少年期 ラスボス召喚編

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第24話『提案』


「――って感じですね」


 ギルド長さんとその他職員二人にラスボス召喚について語った。


 ギルド長さんはしばらく何かを考え込むかのように腕を組み、


「にわかには信じられないな」


 と半ば俺が予想していた言葉を口にした。


 まぁ、そりゃあ信じられないよな。


「召喚士はウチのギルドの冒険者の中にも幾人か居る。だが、彼らが使役できるのは基本的に自身より弱い魔物などだ。格上の、それも人知を超えた存在の召喚など聞いたこともない。それに、憑依召喚などという召喚方法も初耳だ」


 そう、この世界の召喚士は基本的に自分より弱いものしか召喚出来ないのだ。

 だから、俺のラスボス召喚は召喚士としては異例中の異例。

 説明されてハイ納得なんて出来る訳がない。


「試しにここでその憑依召喚をやってみせてもらう……というのは難しいのだよね?」


 ギルド長がそんな提案をする。

 だが、彼が言う通りそれは難しい。

 そんなMPを無駄にするような事、俺としても正直気が乗らないし、同時にオススメもできない。


「まぁ、そうですね。MPが減る云々であまり気が乗らないというのもあるんですが、何より俺が召喚するラスボス……召喚する人たちは俺の制御を離れた者しか居ないので正直、何をしでかすか分からないんですよ……」


 ラスボスと言っても通じないと思ったので彼らにはラスボスの事を『人知を超えた力を持つ人たち』と言い方を変えて伝えている。

 そこから一々説明するのも面倒くさいしね。



「なるほど。強大ではあるが制御出来ていない力……という訳か」


 うーん、少しニュアンスは違う気がするが大体あってるしそれでいいや。俺は首を縦に振ってその通りだと肯定する。



「……ちょいと待ってくれ少年」


 ギルド長がうーんと考え込む中、レイナさんが恐る恐る声をかけてくる。


「さっきの話だと……憑依召喚? ってのは少年自身の体に召喚する奴の力の十分の一を纏わせるんだよね?」

「ええ。まぁ俺自身もこの力についてそこまで分かっていないんですけど多分そんな感じかと」


 まだ片手で数えられる回数しか召喚してない事もあって、俺自身もラスボス召喚についてはまだ手探りの状態なのだ。

 ゆえに絶対そうだとは言えない。


「って事はあれかい? この間、少年はテラークのやつと戦ってたけど……アレ、憑依召喚じゃなくて普通に召喚してたらあの時の少年の十倍強い奴が現れてたって事かい!?」


 あぁ、そういえばレイナさんはあの時、審判として間近で俺(正確にはウルウェイだけど)とテラークさんの戦いを見ていたんだっけか。


「まぁ、その認識で多分間違いないですね。もっとも、あの時はそんなMPはありませんでしたけど」

「………………」


 俺の答えに対し、口を大きく開けたまま固まってしまうレイナさん。

 うーん、まぁラスボスの性能ってこの世界じゃ完全にオーバースペックだからな。驚くのも無理はない。


 そうしてレイナさんが黙り込む中、何やら考えていたギルド長が口を開く。


「そんな力を使っていて君自身は大丈夫なのかね? 副作用は?」


「副作用は――」


 ない。と言いかけて少し悩む。

 憑依召喚したときに召喚者の俺の精神すら上書きするラスボスの精神。あれが副作用と言えばそうなのかもしれない。

 あれが酷くなると俺の精神が擦り切れ、最終的に俺自身がラスボスになってしまうという懸念点があるにはあるが――


『それについては言わない方がいいわね。『こいつはいつ暴れだすか分からない人間だ』なんて思われたら今後やりにくくなるわよ?』


 まぁ、ルゼルスさんの言う通りですね。

 そこに関してもぼかして答える事にしよう。


 俺は考えた末に、副作用はない。あるとすれば憑依召喚の間は制御が効かないので近くに味方がいたとしても関係なく暴れまわるかもしれないとだけ伝えた。


「なるほど……。だから君は人気ひとけが少なくなる夜に単身、魔物の群生地帯である森に向かったという訳か……。その間に君がやった事も全部召喚した者の意志だから君自身ではどうしようもない――と」


「まぁ、俺は俺が召喚する人たちの事が大好きですし、あまり彼らのせいにだけはしたくないんですが……まぁ、そういう認識で大丈夫だと思います」


 そんな俺の言葉を受けて頭を抱えるギルド長。


「うぅむ。それだとここでラース君に対してこの世界の常識をいくら諭しても意味がない……という訳か」


「まぁ、俺が憑依召喚する対象は俺の記憶を一応は引き継いでるみたいなんで全くの無意味ではないはずですけど……それでも効果は薄いでしょうね」



 なんたってラスボスだもの。

 ラスボスに常識をいくら諭したってきっと彼らはそんなのお構いなしに自分のしたいように動くだろう(確信)。


「うぅむ……」


 そこでギルド長はまたしばらく考え込む。

 他の職員さんはそんな彼を見つめ、見守っているので場に静寂が訪れる。


 そうして答えが出たのか。ギルド長は俺に対し、


「ラース君。君、狩りをする場所に拘りがないのであれば我々が指定する場所での狩りをしてくれないかい?」


 なんてことを言ってきた。


「はい? それはどういう事ですか?」


 ギルドが指定する場所での狩りだって?

 それってつまりは厄介払いがしたいって事か?


 俺が値踏みするような目でギルド長を見る中、彼は俺の視線に動じることなく話を続ける。


「いや、何。君のその力はとても強大だがとても扱いづらい物のようだ。だからこそ周囲に人が居ないような場所での狩りに興じていたのだろう?」


「まぁ、そうですね」 


 周囲に人がいる状態でラスボスを召喚なんてしたらかなりの確率で巻き込んでしまうからな。


「だが、それでも万が一という事がある。仮にその憑依召喚中に他の冒険者や、もしくは旅人なんかに偶然出会ったら君は危害を加えてしまうかもしれない」


「ええ」


 その可能性は十二分にあるだろう。

 そして、ギルド長は――俺に対して一つの提案をしてきた。


「だが、それを差し引いても君のその力は人類を脅かす魔物の殲滅せんめつにかなり有用だ。腐らせておくのは惜しい。だからラース君。我々、ギルドに君のサポートをさせてくれないかい?」



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― 新着の感想 ―
[良い点] 楽しく読ませていただいています [気になる点] 内容とは関係ありませんが、『まぁ』という表現が多すぎる気がします
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