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ラスボス召喚術で異世界最強~剣聖の家に生まれた最弱召喚士は前世の記憶を取り戻し無双する~  作者: small wolf
第四章 魔人国編

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第5話『決裂』



「女王様……恐れながら申し上げます。私はMPなど求めていません。全て女王様に差し上げましょう」


「あら……なかなか物分かりが良いのですね。少し見直しました」


 おっ、中々に好印象だ。

 この調子で次はおねだりしてみよう。


「その代わりといってはなんですが……女王が使役している主人公の一人であるコウ。彼を自由にして頂けませんか?」


「……コウを?」


「はい。彼はこちらに居るリリィの兄君。リリィと彼にはこの世界で健やかに過ごして欲しい。それが私の願いです」


 そうして俺が自身の影を指さすと、そこからリリィさんが姿を現した。

 恭しく顔を伏せ、女王に対してこうべを垂れるリリィさん。

 そんなリリィさんの表情は俺からも女王からも見えないけれど、きっと見えない方がいいのだろう。


「ふぅん」


「……叶えて頂けるでしょうか?」


「お断りさせていただきます」


 えぇぇぇぇぇぇ。普通に断られたんだけど。

 兄と妹を一緒に暮らさせるのってかなり良い事じゃない? ここで断るとかある?

 下手したてに出て損した。



「……なぜです? 前世にて望まぬ争いを強いられていた兄と妹。その彼らが共に幸せに暮らす事は間違っていると?」


「ええ、間違っています」


 こ、このアマァ……。

 人が下手に出ていれば我がままばっかり言いやがって……。

 必死に拳を握りしめて怒りを抑える俺をよそに、女王が語り始める。





「兄と妹以前に、コウとリリィは主人公とラスボスですよ? その二人が相容れる訳がないでしょう、汚らわしい。

 主人公とラスボスは決して分かり合う事が出来ない対立の関係。そして、それはわたくしとあなたにも言える事。いわゆる不倶戴天ふぐたいてんの敵同士ともいえるかもしれませんね。しかし、今は共通の敵が居る。だからこそ一時的に力を合わせよう。それだけの話です」



 ほ、ほぉう。

 よくもそこまで上から目線で物が語れるなぁ女王さん。

 つまり何か? 役に立つ道具だから俺とラスボスを利用しようと。そういう意味か?


「あぁ、でも安心してください。私はあなたやラスボスに何か思う所があるわけではありません。先ほど言ったように、今回わたくしに協力してくださるのなら見逃してあげてもいいと思っているのです。感謝してくださいね?」


「なるほどなるほどなーーるほど」


 主人公召喚士だからって調子に乗りやがってこいつぅぅぅっ!!

 そもそも、ラスボスと主人公の関係は確かにその通りだが、でもそれだけじゃないだろうが。

 特にコウとリリィさんはラスボスと主人公云々の前に兄妹なんだぞ。


 怒り狂いたい所だが……ダメだ。ここで俺が衝動のままに暴れたらそれこそリリィさんとコウの未来が閉ざされるかもしれない。

 少し攻める方向を変えてみるか……。 


「しかし、それは女王の考えですよね? コウ自身はどう思っているのですか? 彼も兄として妹と共に暮らしたい。そう思っているのではないですか?」


 この女王さんは主人公召喚士というだけあって、何かとラスボスを毛嫌いしている。

 俺はラスボス召喚士ではあるが、別に主人公を嫌っていない。だが、両者が対立の関係である事は理解できている。毛嫌いするのも……まぁ分からんでも……ない?


 ――とにかく。

 そうやってラスボスを毛嫌いしている女王が相手だからこそ、俺は主人公であるコウの意志を尊重するようにという方向で女王の慈悲を引き出す事にしたのだ。

 兄であるコウも妹のリリィを死なせてしまった事をあの世界では後悔していた。

 そのコウがリリィさんと共に歩むことを望まないはずがない。俺はそこに賭ける!!


 そんな思惑だったのだが――



「関係ありませんね」


「……は?」


 一蹴。

 主人公であるコウの意志すら関係ないと。この女王は言い切りやがった。


「コウはわたくしだけの主人公です。彼がどう思っているかなど関係ない。そもそも彼とリリィが兄妹だったのは創作上の話でしょう? そんな関係なんかより、召喚主であるこのわたくしと共にあるべき。そうは思いませんか?」


「あぁ……なるほどね」


 オッケーオッケー。よーーく分かった。

 

 こいつ……主人公の事が何も分かってないクズだわ。


 下手したてに出る意味はもうないなぁ、うん。



「女王さん……アンタの名前……もう一度聞かせてくれるか?」


「……ペルシー・ローレルライト。それが何か?」


「そっかそっか。ペルシー・ローレルライトか……。覚えておこう。だから……お前にも覚えておいて欲しいんだ」


「わたくしは別にあなたの名前になど興味はありませんが?」



「ん? ああ、違う違う。別にお互いの名前を覚えておこうなんて事は言わないさ。だけど、それ以上に覚えておいて欲しいことがあるんだ?」


「なんでしょう?」



 俺を脅威と見ているのか、一歩後ずさる女王さんことペルシー。

 後ろに居るセンカ達も「ラ、ラース様?」と困惑顔だ。


 今までの付き合いで俺が何かをやらかすと、そう感じたんだろう。



 ――正解だ。



「これから体験するであろうラスボス達の恐ろしさ……地獄に落ちても覚えておけよっ、ペルシー・ローレルライトォォォォォォッ!!!」


「――ヴァレル、優馬ユウマっ!!」


「ったく……しゃあなぇなぁ……」

「………………ふっ」


 俺が反逆の意志を見せると同時に、ペルシーは主人公であるヴァレルと優馬をけしかけてきた。

 なので――


「頼むっ。ルゼルス、アリス、リリィさんっ!!」


「くすくす、待っていたわ。久しぶりに遊びましょうか優馬。それともヴァレルが私の相手かしら?」

「キャハハハハハハハハッ。ルゼルスちゃんダメだよぉ。全部全部ぜーんぶアリスが頂いちゃうんだからぁっ!!」

「兄さん以外の為に力を尽くすなんて死んでも嫌ですが……今回だけは従ってあげます。二人は存分に暴れてください。サポートは私が」



 相手の主人公を足止めするべく飛び出してくれた三人。

 これで時間が稼げる。

 しかし、それは向こうも同じ事。


 相手も俺と同じ召喚士だ。

 ならば、ここでお互いがすることは一つ。

 出だしはあちらの方が速かった。


「ランダム通常召喚っ!!」


 そうして虚空に姿を現し始めるいずこかの主人公。

 しかし、ランダム通常召喚とはな……。

 確かにラスボスと違い、主人公というのは世界やら人間やらを守る物だ。外れなんてないからランダムで召喚して構わないという事か。


 ならこっちは――


「ランダム永続召喚っ!!」



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