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ラスボス召喚術で異世界最強~剣聖の家に生まれた最弱召喚士は前世の記憶を取り戻し無双する~  作者: small wolf
第三章 亜人国編

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第21話『ロボット無双』


 ――ルナ視点


 拝啓。

 クソご主人様の健一へ。

 そちらの戦場は今どうなってますか?

 こっちの戦場は……えっと……生きた心地がしません。


「クククククククク。ハハハハハハハハハハハハハハハハ。脆い。脆いぞっ! 悲しい程に脆くて余は驚きを隠せぬ。よもや余の慢心の隙を突くため、わざと雑魚の振りをしているのではあるまいな? フハハハハハハハハハハハハハハハハ」


「イヤァァァァァァァァァァメェェェェェェェェェテェェェェェェェェェッ」


 鳴り響く爆音。

 隕石群でも落ちたのかというくらい、量産されていくクレーター。

 ついでに気候は滅茶苦茶で、しいて言うならば火山ときどき氷河という感じです。


 私の目の前で広げられている光景……これを端的に言うならそう――地獄です。


「争いなき世界に、野蛮な者は不要。塵一つ残さず無となるがいい――『アブソリュート・インフィニティ』」


 私を案内役として連れまわしているこの『余の人』。もといロボの人(確かクルベックと呼ばれてたかな?)。いいや。とりあえず『鋼鉄の悪魔』と呼ぶことにしよう。 

 

 率直に言おう。

 こいつ……私が言うのもなんだけど絶対に頭おかしい。

 というのも、こいつはさっきから『平和』だの『争いのない世界』だのを目指してるって言うの。


 あ、別に平和を馬鹿にしてるわけじゃないよ? むしろ平和サイコー。

 黒の眷属たる私だけど、別に争いを求めてるとかじゃないしね。


 ただ――


「イギャアアアァァァァァァァァ」

「ナンダアノバケモ――」

「ファァァァァァァアッッッ」


 こいつ……今も争いなき世界の為とか言っときながら地上を焦土にしてるんだけどぉぉぉぉぉっ!?

 どう見てもこいつこそが争いの根源だよ!


 ちなみに今、私と『鋼鉄の悪魔』は地上数十メートルの上空に浮遊している。

 私は飛んだりなんて出来ないから『鋼鉄の悪魔』さんの肩に乗っているだけだ。正直、落ちたらと思うと怖くてさっきから色んな意味で震えが止まらない。


「ふむ……これで鬼族と獣人族の集落に巣食っていた邪悪は殲滅したか。しかし、やはり争いとは虚しいものよ。後にはこうして何も残らぬのだからな」


「ソ、ソウデスネ……」

(いやアンタが言うなってぇの!!)


 口では同意しつつも心の中で地団太を踏む私。

 まぁ? 別に怒らせたところでこいつが私に傷を付ける事なんて出来ないと思うんだけど? でもやっぱ怖いから怒らせないでおこうっと――


「さて、では次なる戦場に征くが……しかし、ふむ、面白いな」


 鋼鉄の悪魔はそのゴッツイ首を私へと向けた。心なしか値踏みするように見られている気がする。


「な、何がでしょうか?」


「貴様の事だ。正直、途中で巻き添えを喰らってあっさり死ぬと思ったのだがな。だが、今もこうして生きている。どころか傷の一つも負っていない。余の機体ですら反動によるものとはいえ損傷を受けているのに……だ」


「あぁ……。って巻き込む気満々だったんじゃないこのスカタンッ!!」


 ロボットの肩の上に乗っている私は思いっきりその頭を蹴る。

 しかし、それは空振りに終わった。


 それは別に鋼鉄の悪魔が私の攻撃を避けたとか、そういう訳じゃない。 


「ほぅ……。興味深い。貴様、余の世界には居なかったが幽霊か何かか?」


 空振りに終わる私の蹴りは、避けられた訳じゃない。単純にロボットの頭をすり抜け、当たらなかっただけだ。

 そう――これこそが私の能力。


「――ミスディレクション。クククククククク。これこそが我の持ちうる唯一無二の力である。貴様の目に見えているこの体はただの幻想。実体はこことは異なる次元に隠れ潜んでいるのだ。ゆえに、我にはどんな攻撃も効かぬのよ! アーッハッハッハッハッハッハッハッハッハッハッハッハーーーーーー」


 例え隕石が落ちてこようがこの世界が滅びようが、別の次元を渡り歩ける私を滅ぼす事など不可能。

 つまり、私こそが最強といっても過言ではないわけよっ! ふふん。 


 胸を思いっきり張る私(胸ないけど)。

 そんな偉大過ぎる私を見て、鋼鉄の悪魔は恐れおののいて――


「そうか。なら遠慮は要らぬな。これからは最速で処理していくぞ。雑魚が多く、散られたら面倒なのでな。次、近い亜人の集落はどこだ?」


「へ? ああ、あっちにある竜人族の集落かな?」


「そうか。――――――征くぞアルヴェルっ! 最速で突っ切れっ!」


 グオォォォォォォォォォォォッ――


 鋼鉄の悪魔が操るロボットが雄たけびを上げる。

 そうして、徒競走選手のスタート時のような姿勢を取った。

 え? ちょっと待ってちょっと待って。なんかすっごい嫌な予感が――


「カウント3……2……1……発進!!」


 瞬間――私は光になった。


「止まってヤメテ怖い怖い怖いイヤァァァァァァァァァァッ――」


「む? しまった。通り過ぎてしまったか」


「馬鹿なの!? アンタ馬鹿なの馬鹿でしょ!? もうイヤァァァァァァァァァァ。助けてケンイチィィィィィィィィィィィィッ」


「別に良いではないか? どれだけ速度を上げた所で別次元に居る貴様に影響があるわけでもあるまいに」


「視覚とか一部の感覚は共有するようにしてるから純粋に怖いのよぉぉぉぉぉぉ! そもそも生身でこのスピードに晒されたら即ミンチでしょうがバカァァァァァァッ!!」


「くははははははははははは。余を馬鹿と申すか。気に入った。貴様、面白いぞ。……あぁ、すまん。また通り過ぎてしまった。ククク」


「ぜぇぇぇぇったいにワザとだぁぁぁぁっぁぁぁぁぁぁぁぁ!? イィィィィィヤァァァァァァァァァァッ!!」


 そうして私と鋼鉄の悪魔は……この世界を何周かしたんじゃないかというくらい巡りまわってようやく竜人族の集落へとたどり着いた。




 そこに――


「貴様らぁ……よくも……よくも私の計画を台無しにしてくれたな……」


 徐々に体を巨大化させながら迫る鱗を身に纏う男の竜人が現れた――


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