表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
もう一度恋をしてみたい。  作者: 種有 小粒
20/43

【19】遊里の過去⑨

今回は何とか早めに出すことが出来ました!

霞は泣くのをこらえるようにそう言うと、視線を俺の目から下へと移した。

それから少しして目から零れる涙を落ちないように指ですくい取った。


「まぁ、なんだ……その……すまん。こういう時ってなんて言えばいいか分からなくてよ」


「流石の遊里でもこの状況はお手上げみたいだね」


そう言った霞は少し困った様に笑っていた。

いつもの俺だったら、テキトーに笑ってごまかしてたりしてただろうけど流石に泣いている姿を見てしまったらそんな事は出来なかった。


「私ってさ、詩乃とずっと一緒に居たじゃん?だから遊里達以外で話をする人たちって詩乃の友達しかいないんだよね」


霞が話し始めたから、俺は黙って頷いた。


「でね、その子達って詩乃の友達なんだ」


「ん?霞の友達でもあるんじゃないか?」


「うーん、友達の友達ってやつだよ」


「あー、そういうやつか」


「だからさ、詩乃との関係が消えちゃったら、私一人なんだ」


霞は話の雰囲気が暗い事は分かっていたからなのか、声のトーンは明るめで話していた。


「一人じゃないだろ。俺や大介、桂馬だっている」


俺がそう返すと、霞は首を横に振り「違うよ」と言った。


「あれは五人揃っていたから成り立ってたんだよ。だからね、あの関係の中で亀裂が入ると多分いつもの様にはいかないよ」


そう言いながら霞は街灯に群がる虫を見つめてた。


多分大介が言ってたのは、この事だったんだろうな。詩乃と霞、二人の仲がこうなったらもう前の様には戻れない。


「ねぇ、遊里」


そう聞かれた時には霞の視線は俺の方に向けられていた。


「私はどうしたらいいんだろうね」


そう聞いてきた霞は笑って、涙を流していた。


人の気持ちはいつの間にか変わっている。

つい先日まで友達として接してたはずの相手でも状況や環境、情報が変わり、相手のことを知れば情が移り、何とかしてあげたいと思ってしまうようになる。多分コレは恋と呼べるものではないと思う。

けど今この瞬間だけはこの子を何とかしてあげたい。そう思った。


だからこそ俺はこう言った。


「俺が側に居てやるから、そんな顔するな」


「え……?」


霞は何を言われたのか分からないような顔をしていた。


「俺が霞を一人にしない。誰がなんと言おうが霞と一緒に居るから。だから、霞も俺と一緒にいてくれ」


「何よ……それ、告白みたいじゃん」


「告白だよ。彼女として俺の側に居て欲しい」


「うぅっ……良いのかな……こんな私でも、遊里の側に居ても良いのかな……」


俺がそう言うと霞は泣いていた。今まで見せていた何かをこらえるような涙でもなく、悲しみから流れる涙でもなかった。


「馬鹿、こっちから頼んでるんだよ。決めるのは霞だよ」


霞は零れる涙をこらえる様に俺の前まで来て、俺の胸に頭をすり寄せた。


「こんな……私でも良ければ、うぅっ……お願いします」


「こちらこそお願いします」


俺は自分の胸に置かれていた霞の頭を両手で包み込みながら言った。


これにて一旦過去は終わりとさせていただきます<(_ _)>

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
[一言] この霞が、浮気して別れた元カノでしょうか???
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ