【16】遊里の過去⑥
今月にはこの過去の話も終わります<(_ _)>
それから俺と大介は他愛もない話をしていると、いつの間にかカラオケに着いていた。
「さぁて、それじゃ久しぶりにアニソンメドレーでも歌うか!」
個室に入ると大介は部屋に二つあったマイクの一つを手に取り、曲を入れ始めた。
「おい、馬鹿。俺にも歌わせろよ」
「ははは!悪い悪い、久しぶりでついテンション上がってたわ」
大介は一度マイクを置き、口笛を吹きながら、デンモクをいじり始めた。
「おぉ、こんなに曲追加されてたのかよ。今日時間足りるかな」
「俺もいる事忘れるなよ?」
それから、大介と俺はひたすら歌った。入って2~3時間経った頃にはお互いの喉は潰れ、高い声は出なくなっていた。
「あー、歌った、歌った~」
大介はコップに入っていたオレンジジュースを一気に飲み干した。
「なぁ、大介。なんか俺に話があって来たんだろ?」
大介は一瞬目を丸く、驚いた様な顔をしたが、頬を人差し指で掻きながらヘラっと笑った。
「あー、やっぱバレたか」
「まぁな、意外なことにお前は基本遊ぶときは相手の予定を聞いてから決めるからな」
「意外って……」
「そんな事はいい、要件を言ってくれ」
それから大介は大きく息を吐くと、ズボンのポケットの中からスマホを取り出し、視線を画面に向けたまま口を開いた。
「なんかな、アイツが霞ちゃんとお前の仲が最近怪しいって言っててな」
「怪しい?それにアイツってのは誰だ?」
「詩乃だよ」
「それが、お前とどう関係するんだ?」
大介は少し笑うと、再び大きく息を上に吐くと「んーと、実はだな……」と語り始めた。
大介が言うには、詩乃は何度か俺と霞が二人で一緒にいるところを目撃してたらしく、その時からおかしいと思い、霞の元カレに話を聞きにいったり、大介や桂馬に声をかけ、俺と霞の関係を調べる様に言ってたらしい。
霞のことを高校の時から知っている詩乃からしたら、例えどんなに親しい仲でもあっても男と二人で遊びに行くという事はないということが詩乃的にも引っかかるポイントだったみたいだ。それとなぜ親友である自分ではなく俺だけにしかその事を伝えなかったのか等と色々と思うところがあったらしい。
「ほーん、そんなことになってたのねぇ……それで何でお前は詩乃の言う事を聞いてんの?」
俺は大介から話を聞き終わると、テーブルの上に置かれていたウーロン茶が入ってたコップを一口飲んだ。
「いや、だって流石に、あんなこと聞いたらな……」
「ん?あんな事?」
「霞ちゃんの元カレの話だよ。お前も知ってるだろ?」
「あぁ、フラれたというか、別れたというか。多分霞がフラれた側のアレか」
俺がそう言うと、大介は下を向けてた顔をバッと上げ、俺の方を見て「は?なんて?」と言った。
「な、なんだよ」
「お前、何言ってんだよ」
「だから、何だよ」
「フッたのは霞ちゃんの方だ」
「は?」
「遊里、お前に惚れたから別れてほしい。そう言って霞ちゃんは彼氏をフッたんだろうが」
俺はこのとき大介が何を言ってたのか分からなかった。
もう少しお付き合いいただけると幸いです<(_ _)>




