【12】遊里の過去②
このくらいのペースで書いていけるようにしたいなぁ
食堂から出た俺と霞は近くの公園のベンチで座っていた。
「意外だな、大介はともかく詩乃にも言ってないなんて」
「んー、なんて言うか詩乃ちゃんって事を大きくしそうじゃない?」
「まぁ、あんな性格だからな」
それから霞は一度曇った空を見上げたあと眉を八の字にして困ったような顔をした。
「詩乃ちゃんとは高校も同じでさ、付き合ってた彼とも面識あるんだよね。もし詩乃ちゃんに別れたなんて話したら絶対に彼に連絡取ったり周りに言いふらす様なこともすると思うんだよね」
「アイツはサバサバしているというか、自分が気になった事には周りの事気にせず突っ込んで行くところがあるからな」
「うん、だから気持ちの整理が付くまでは言わないでおこうと思ってるんだ。今みんなに言うとさ、きっと泣いちゃうからさ」
霞は立ち上がり、両手を上に伸ばしがら「んー!」と言い、深呼吸した後またベンチに座った。
「別れたって言ってたけど、アレか霞がフラれた感じか」
「ははは、遊里はズバッと言っちゃうね」
今まで少し悲しそうな顔をしていた霞だったが、一瞬目を丸くした後に笑っていた。
「フラれたというかなんというか……最近喧嘩が多かったんだ、ほんと些細な事で喧嘩ばっかしててさ」
少し気持ちに余裕が出来たのか、霞はなぜ別れたのか話し始めた。
「お互い大学や仕事の話をしてたんだけどさ、私は遊里達と話すことが多いから楽しいことばかりなんだけど、向こうは仕事してるからやっぱ楽しいことよりも辛いことの方が多いわけで……」
「俺はこんなに辛い思いしてるのに、そっちは楽しそうでいいな。みたいな事を言われる訳か」
「うん……」
こういうのは多分仕方のないことなんだろうな、働いている人からしたら俺たち学生は楽そうに見えるのかもしれないな。
「そういうことが最近多くて喧嘩が増えて、一緒にいて安心する存在からお互いストレスを与える存在になってるんじゃないかって彼から言われて」
「うん」
「私もそう思うって言って、彼はお互いがお互いを嫌いになる前に別れようって言ってきて最後にハグをして別れたの」
霞は座ったまま手足をグッと伸ばした。
「あーー!なんか話したら少し楽になった!」
「俺ほんとに聞くだけで何もしてないけどな」
「いいの、いいの!楽になったんだから」
確かに最初ここに来たときよりは表情は明るくなっていた。
「じゃ、少し聞きたいことがあるんだけど」
「うん、何?」
「話を聞く限りだと円満に別れたように感じるけど、霞自身向こうに未練があったりしてるの?」
霞は少し悲しそうな顔をして、「んー」と言い言葉を続けた。
「未練なのかなぁ……やっぱり二年半も付き合って今までの関係が終わると何だろうね。心に穴が開いてるような感じがしててさ」
「結構長いな」
「うん、だからこれが何なのかまだ分かってなくて」
「んー、俺もそこまで長い期間付き合った子なんていなかったからな」
すると、霞は「え!?」と言い立ち上がった。
「な、何だよ」
「いや、遊里って女に興味あったんだなって思って……」
「俺ゲイじゃないからな!?」
「遊里って顔は良いし、性格も良い方だとは思うのに彼女いないからてっきり女に興味がないかと……」
「お、おう……急に褒められると怒りにくいな……」
俺は恥ずかしさのあまり顔を霞の顔かそらしていると、霞は「いや」と言った。
「周りで遊里のことカッコいいって言ってる人は男でも女でも多いよ?」
「まじか!なんか照れるな……男の方に関しては聞かなかった事にしよう」
「でも、いつも私たちといるから私たちのどちらかが彼女って思われていることが多いのかも」
「お前らのせいかよ!」
「でも、一緒にいる私からしたら、遊里は平井くんか斉藤くんのどちらかを好きなのかと……」
「負の連鎖が止まらないな……」
俺が頭を抱えていると、隣で霞は腹抱えて笑っていた。
「でもさ、まだ大学生活はまだあるんだし、彼女くらいできるよ」
「それもそうだな、この先に期待しとくか」
霞はベンチから立ち上がり、クルッとこちらを振り返りニコッと笑った。
「遊里、今日は話を聞いてくれてありがと!元気出たよ」
「それなら良かった。あ、今からどうする?大介達のとこに戻るか?」
「んー、結構時間も経っているから二人でご飯にでも行かない?」
「それもそうだな。どっか行きたいところある?」
「んー、パッと思いつかないな」
「じゃ、この間できた定食屋にでも行くか」
「お!いいね。行こ行こ」
この後は定食屋に行き、霞からはなぜか好きな男性と女性のタイプを聞かれた。
まだまだ続きます<(_ _)>




