【11】遊里の過去①
それでは過去編を始めます<(_ _)>
俺は大学最後の1年にある女子と付き合うことになった。
彼女との出会いは大学に入ってしばらくして席が何度か近くになっていたことが多くなり、少しずつ話すようになった。それからお互いの仲いい友人達を集め、気づけば男3人、女2人の5人で集まり話すことが日課となっていた。
今は授業が終わり男3人で残り2人の女子をいつもの集合場所の学食で待ちながら、俺は2人の男子と話していた。
「なぁ、遊里……大学生になったら自然と彼女ってできるもんじゃなかったのかよ」
俺の正面に座っていた男がため息をこぼしながら項垂れていた。
「なんで彼女がいない俺にそんなこと聞くんだよ。そんなのはお前の隣にいる彼女持ちに聞いてくれ」
そう言うと目を輝かせながらもう一人のの男子が身を乗り出していた。
「なんだなんだ~!俺の彼女について聞きたいのか?しょうがねぇな」
彼女を求めてるこの男は平井 大介、口を開けば彼女が欲しいと言っている。ただのアホだ。そしてニヤニヤしながらスマホを覗き込んでいるコイツは斉藤 桂馬、最近彼女が出来たらしく、ことあるごとに彼女のことやら、彼女との馴れ初め話を聞かされていた。
「桂馬の彼女の話はもう聞き飽きたし、彼女いない俺と遊里が虚しくなるからやめろ」
「おい、勝手に俺まで巻き込むんじゃねぇよ」
「彼女と出会ったのは公園だったんだけどさ……」
「「とりあえずお前は黙ってろ」」
「ふっ……これがモテない男の僻みってやつか、マジ哀れ」
呆れる俺たちをチラッと見ると桂馬はやれやれと言いながら両の手のひらを上にして肩をすくめていた。
「大介ほど彼女が欲しい訳じゃないが、これは流石にな?」
「よし、一度桂馬の野郎を絞めるか」
俺たちがそう言いながら席を立つと、隣から肩をツンツンとつつかれながら「ちょっと」と声がかけられた。
「あんたら……こんな昼間からなんて物騒な会話をしてるのよ」
隣を見ると2人の女子がいた。今声をかけてきたこの女は青葉 詩乃、そしてその隣には矢花 霞が呆れた顔をして立っていた。
「お前ら、来るのおっせぇよ、また桂馬の彼女自慢が始まるとこだったんだ」
大介は椅子に再び座りながら呆れ顔した2人に弁明するように言った。
「あー、それなら彼女がいないアンタらが怒るのも無理ないわ~」
それを聞いた詩乃は口元を押さえ、大介と俺を交互に見て馬鹿にするように笑いながら言った。その姿に少し俺も腹を立て言い返すことにした。
「そんなこと言ってるけど、詩乃も彼氏いねぇじゃん」
「は~?アンタらとは全っ然違うわよ。私はいない訳じゃないの私の魅力に釣り合う男がこの辺にいないのがいけないのよ」
詩乃は「これだからモテない男は」と言いながら、また馬鹿にするように笑っていた。大介は右手で頬杖をつき左手をヒラヒラさせ、笑いながらこう言い返した。
「は~魅力?ガサツの間違いだろ?お前のガサツさについて行ける男なんていないだけだろ」
「なんだと~この馬鹿!」
「いいや、お前の方が馬鹿だ!」
こうなった2人はしばらくなにを言っても無駄になる。そこで俺は桂馬の姿がなかった事に気づいた。
「あれ?桂馬はどこに行ったんだ。霞、桂馬はどこに行ったか知らないか?」
「あ、斉藤君なら『む?彼女が俺を呼んでいる駆けつけねば!それでは!』って」
「アイツほんとに彼女大好きだな……」
霞はクスクス笑いながら「ほんと、そうだよね」と言った。
「そんなこと言ってるお前だって彼氏とラブラブじゃないか」
俺は肩をすくめ、少しニヤつきながら聞いた。すると霞は「あー。んー。えーっと……」と何とも言えない顔をしていた。
「なんだ、もしかして喧嘩でもしたのか?」
「あー、喧嘩とかじゃないんだけど……」
それから少し沈黙が続いたあと、霞は歯切れの悪い声でこうつぶやいた。
「実は……別れたんだよね」
「……まじか」
「うん……まじ」
「ごめん、俺こういう時なんて言えばいいか分からなくて……」
「ううん、いいんだよ。それに今日このこと言うつもりだったしね」
霞の声は震えていた。笑顔を取り繕ってはいるが、全然感情は隠せていなかった。霞は俺の隣まで近づいて俺にだけ聞える声で囁いた。
「ねぇ、この後なんか予定とかある」
「いや、特に何もないけど」
「じゃ、すこし2人で話さない?」
「大介と詩乃は良いのか?」
「うん、一旦遊里にだけ話したくて」
「わかった」
大介と詩乃はまだ言い争っていたから、あとでメッセージでも送っとくか。そうして俺と霞は食堂を後にした。
こういうシリーズものは早く書いていきたい




