2 自販機からのワンダーランド
『痛いわ!!何や!!話せや!!!何やー!!!!』
なにか茶色く偉そうなぬいぐるみ?みたいなものが喚いている
『これはー、飲み物ではないね。なんかちょっとタオル生地だし』
『まず、しゃべってることに驚かないの!?さすがだわー』
『でもホントこれなんだろうね』
その時ソラ手を振り払った、茶色の何かが見事な放物線を描き着地した。
『お前ら何やねん!!わいをにぎにぎしやがって!!!ほんま意味わからんわ!!!! ところでここどこですの?』
『ここは日本の千石町というところよ。君はなに?ぬいぐるみなの??』
『アホか!!こんなぬいぐるみあるかいな!!!とにかくわいは帰らんと、えらいことに・・・・』
『しかし、どう帰ったらええんや?とりあえずもっかいココにはいってみたらええのかしら』
茶色のなにかは自販機に戻って行った。
『んー、何だったんだろうね。今の』
『あれじゃない?いい感じのネズミさん!!タオル生地だったし!!』
『絶対違う。とりあえず、飲み物買ったら?』
『おぉーっとそうでした!!では気を取り直してー!ポチ!!!』
(ボテェ!)
『おいおい今度はボテェかよ』
『何がでてるかなーーー?』
『おや!!なんだか湿ってるよ!!!このネズミさん』
(やっぱりこいつかよ)
『あ、あかん・・・なんぼして戻られへん。こんなことしてる場合ちゃうのに』
『おいちょっと!さっきの人!!』
『なんか呼んでますよ、マキ隊員♪』
『あんた楽しそうだね。なんかようかい?』
『わいを故郷連れてってほしいんやが、場所知っとるか??』
『故郷??どこよ???』
『わいの故郷は【ドリンキングダム】や!!わかるやろ?ほなよろしゅう』
そういって茶色なにかはソラの肩に飛び乗った。
『ではいこーーー!!えいえいおーーー!!!!』
『おーー!!』
ソラと茶色はなぜだか凄くテンションがあがっている。
『いや、ちょっとまて。なぜそんなにノリノリなのだ。』
『だって【ドリンキングダム】に行けるんだよ!!楽しみじゃない!』
『そもそもなんだけどソラ場所知ってるの?』
『え、マキちゃんが知ってて連れていってくれるんじゃないの!?』
『じゃないの!?』
『いやだって【ドリンキングダム】なんて聞いたことないし』
『なんやてぇ!?????そこそこデカイはずやのに。なんか落ち込むわー』
『そもそもこれ人じゃないことは確かだしね
『人ではないね!!それはわかってたぞ!!!だってタオル生地だもん!』
(タオル好きだなこの子)
『そういやココわいの住んでるとこと全然風景ちゃうなー。あんなそこらじゅうに棒立ってないしな』
(電柱のことか?)
『そういや、自己紹介まだやったな!わいは【紅tea】ドリンキングダムの皇帝や!!!コウティーがコウテイなんやぞ!!おもろいやろ?』
『すっごくおもしろい!!よろしくねコウティー♪私はソラ。こっちは』
『マキだ。ちなみにそんなにだぞさっきの。しかしコウティーか、紅茶だとしたら自販機から出てきても不自然ではないな。まあ存在自体が不自然だからもういいかってなってる自分がいる』
『クンクン、たしかにコウティーから紅茶のいい香りがするよー』
『あんま嗅がれると照れるわー。ほなソラ!マキ!!よろしくな!!』
『ほなしゅっぱーーーーつ!!』
『しゅぱーーーーーつ!!』
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『で、どっちにいったらいいんだっけ???』
『・・・・・・先がおもいやられるな』
『とりあえず、もっと詳しく話を聞こうか』
さてさて奇妙な感じで出会ったコウティーと名乗るなにか。
この先どうなるのか。【ドリンキングダム】は存在するのか。
次回!! コウティーは皇帝??