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うらうらと、乙女と子猫。  作者: 緋和皐月
うらうらと。
2/11

乙女と子猫のツクシンボ。




「ふらふーたん!ツクシンボ採りに行きませんかね?」

「それは、お散歩かニャァ?」



 ごろろーん、と布団の上に寝転がった乙女と子猫。そのまま大きく頷いて、よいしょ、と乙女は体を起こす。



「麗らかな春の日ですからね! きっと、ツクシンボもう生えているのですね」



 頬を染めて、楽しそうに語る乙女。

 そんな彼女を、半目でちらりと見やってから、子猫は目を閉じた。



「ツクシンボって何だニャァ?」

「つくし、のことですね。ふらふーたんは、つくし知ってますかね?」

「知らないニャァ」

「じゃあ採りに行きましょうね! きっと楽しいですね」



 ぱっと外を歩くための服に着替えた乙女。ジーパンにTシャツ、コートというシンプルな格好だが、乙女が着るとすらりとして綺麗に見えるのが不思議だ。



「ほらほら、ふらふーたん! 早く行かないと、ぜ〜んぶ採られちゃうかもですね!」

「そんなに急がなくても、大丈夫だと思うニャァ……」

「そーやって、ずるずる先延ばしにしていたら、残っているツクシンボも枯れちゃうですね!」



 早く早く! と急かす乙女に、やれやれと子猫は体を起こした。



「そんなにツクシンボが好きなのかニャァ?」

「だって、早春の楽しみといえばツクシンボ採りですからね。もう少ししたら、たけのこも美味しくなりますね」

「ほんとーに、クルクルは食べることが好きだニャァ」



 1人と1匹は外に飛び出す。震えたくなる寒さの中に、仄かな優しさが紛れ込んでいる。



「桜は、もう咲きましたかね?」

「さぁ、我には興味の無いことだニャァ」



 スキップするように歩く乙女と、少し寒そうに駆ける子猫。

 河原に行くと、雑草と紛れて、つくしが生えていた。ぴんとまっすぐ天に向かって生えているつくしは、なんだか神聖に見えてくる。



「ツクシンボ、いっぱいありますね!」

「ちょっとトゲトゲしてるニャァ」

「そうですかね?」



 ふんふん、と不審げに顔を近づけた子猫にクスクスと笑って、乙女はつくしを摘んだ。



「つくし、どうやって食べましょうかね。やっぱり煮るのが1番ですかね?」

「我はどうでもいいニャァ。それより、美味しい魚を食べたいニャァ」

「じゃあ、帰りに魚屋さんか、スーパーに寄りますかね。鰆とか、春の魚はもうありますかねー?」



 こてん、と首を傾げて笑う乙女を見て、子猫は、むーんっと背伸びした。



「春は楽しいですね〜」

「我は冬が好きニャァ」

「ふらふーたんは、冬のコタツが好きなだけですよね? わたしは夏も好きですね」

「とか言って、クルクルは秋も好きニャァ」



 帰路をゆるりと歩む1人と1匹。少し寄り道して、魚屋を目指す。



「まぁ結局、わたしは全部、好きですね。春夏秋冬、いつの季節もご飯が美味しければ素晴らしいですね」

「クルクルは食いしんぼニャァ」

「ふらふーたんも、実は結構食べるほうですよね? 人のこと言えませんねー!」






あとがき。



どうもこんにちは、緋和皐月です。


前回の投稿から、ご感想をいただきました。ご感想第1号でございます! (=´∀`)人(´∀`=)ワーイ

ふわふわ綿毛のような、ふらふーたん。頭に乗る癒しの子猫、どうやら早速モテ始めているようですね。



ふらふー「我、いつでも頭の上に乗るニャァ!(ドヤァ」

クルクル「でも、ふらふーたん、だんだん重たくなってきてるので、あんまり乗せたくないですね」

ふらふー「…………(ぐしゃぐしゃぐしゃぐしゃっ!)」

クルクル「きゃっぱぁぁぁぁ!?」



いやはや。初回公開からご感想いただけるなんて、なんて有難い……しみじみと噛み締めておりやす。


ふらふー「ご感想、ありがとだニャァ!」

クルクル「ふらふーたんの魅力、どんどんお伝えしていきますね!」



皆様、今回もご覧くださり、ありがとうございます。


本作は、11時投稿を目指します。

のんびり起きてご飯食べて「あ、更新されてらぁ」と軽ぅ〜い感じで、GW期間中お楽しみいただければ幸いです。


天真爛漫な乙女と子猫、次は何して春を楽しむ? どうぞ次回もお楽しみに!


緋和皐月

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