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バニシングゲーム

作者: 菜月

『バニシング・ゲーム』


「判んない。それナニ? > トンボ」

返事が無い。誰かに落とされたらしい。あいつも人間だったのか。見破ったのは残

ってるオレにマナにヨシュア、ノリの4人。この中の誰かがAI(人工知能)だ。


バニシング・ゲームはチャットというパソコン通信を利用したモード内で行う犯人

捜しのゲームだ。元々は実際シナリオを作って誰かが犯人役をやってその犯人を当て

るゲームだったのだが、シナリオを作るのもホネなのでAIをチャットに入れて皆な

AIの真似をしてログイン・ネームを変えて参加し、AI捜しと人間追い落としをや

るようになったものだ。

AIがやってるログイン・ネームはどれか。それを早く見つけた人に時間に応じて

点数が入る。又、AIの振りをしてる人間を指定したらその人のそこまでのポイント

の半分を奪える。指定はコントロール・キーでコマンドを送るとマシンが判断し、間

違ったり当てられたりしたらさっきのトンボのようにゲームから脱落だ。

ゲーム開始時にいた11人も次々と消されていまや4人。俺にもバニシング・ポイ

ントが2人分入ってる。AIを発見したらそれでこのゲームも終わりだから残る誰か

がAIだ。

さっきから同じ事言ってるノリは却って怪しい。人間だろう。しかし、今回はAI

もプレイヤーもこの手のゲームのブロックを勝ち抜いて来たつわものだ。

ここで間違うと却ってトータル・ポイントを与えてしまう。ここは第1感に従って

ノリは人間だ。ホストからバニシングポイントが3人に増えたとそっと知らせてくる。

これゲーム・ポイントはまだしも、トータル・ポイントはほぼ1位だろう。しかし

このゲームにも勝たないと回り道をすることになる。後3人。もう一人落とせば残り

がAIか人間か判る訳だ。AIみたいな話し方をしたり、わざと人間に近い話し方に

したり…。AIも進化しててタマに変な言葉を出すからだ。

“ヨシュアがバニシングされました。“ホストが知らせる。

やった、これでゲーム・オーバーだ。ヨシュアがマナを人間と間違ったのだろう。

いつものゲーム・メッセージを待ったが、こない。ハハァさては…。俺は以前にや

ったバニシング・ゲームでホストが黙って2人分AIを入れてたのを思い出した。あ

れと逆で途中でAIをわざと落としていたのに違いない。

待てよ。ここでこいつを人間と指定してAIだったら……。

その時、ホストからメッセージがあった。“貴方は正体を見破られました。“

あいつは人間だったのだろうか?AIだったのだろうか……。ふとそんな疑問が頭

をかすめた。そしてゲーム終了のスコア表示がなされた。

それとももしかして俺は…。

ゲームは終わった。                   (了)


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― 新着の感想 ―
[一言] ゲームのルールが分かりづらい。オチはベタだが、読書中は面白いと感じれたので合格。ディックの「にせもの」に負ける。
2007/01/20 10:44 通りすがり
[一言] ゲームのアイディアが面白いですね。 発想の逆転を応用したブラックなラストでしたが、短篇作品なのでアリだと思います。
[一言] 文章もストーリーの流れもわかり過ぎるくらいわかりやすかったデス。オチが途中で読めるから、SSとしてはいまひとつデス。
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