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相原彼方の異世界物語  作者: klow
第一章 偽りの姫
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第一章  十一話  ラッグさんは策士?ガリアの理不尽

ガリアに仕事報告しようと城を探索している今日この頃。お父様・お母様・バカ妹。元気でお過ごしでしょうか?僕はとても元気でございます。


ティアと二人で城を抜け出して街に繰り出してから数日が経った。


「カナタァーー。こっちこっち!!」


元気よく名前を呼ばれて辺りを見渡すとフェリスがいた。いつも道理ハイテンションのようだ。昨日はどこかでぼろ儲けしたって言ってたからな機嫌いんだな。


「カナタお前スゲーな。精鋭部隊がまんまとやられたのに一人で王子を連れて助けたなんて。今じゃあ城で皆噂してるぜ。噂の木馬様ってよ!」


フェリスとは最近すれ違いで会っていなかったからちょっと前の話を持ち出せれた。てか噂が変になってやがる。


「木馬かよ!!せめて白馬にしろよ。一体どこからそんな困った噂が流れたんだよ。だからさっきから周りからの視線を感じてたのか・・・・・最悪だぁ。てかフェリスは何でこんな所にいるんだ?」


「あのなカナタ・・・。俺はこの国の騎士なんだぜ。城にいてもおかしい所は一つもないんだっつうの。それよりも今練習場で模試戦をやってるんだが見に来るか?」


「ガリアもそこにいると思うか?」


「呼び捨てはまずいだろ。ガリア師団長もくるだろ。そして試合に乱入してド偉い事をいつもやってくれるぜ。」


あの馬鹿は一体何を考えてるんだ。やっぱり脳みそまで筋肉で出来てるんじゃないか?そう思いながら、フェリスについていこうとダルい身体を無理矢理練習場に向ける。










*********

「なぁフェリス‥‥‥これはどういうことか説明して貰おうか。俺には何一つ理解が出来ないのだが。」


「悪いなカナタ。このフェリス様でさえ頭が追いついていないからな。」


練習場には何とも惨たらしい光景へと変貌していた。所々に人の山が形成されていて。魔法を使った痕跡なのか地面が普通じゃ考えられないほど削られていたり、周りの壁が無残にも崩壊している。


練習場に今立っているのはどこを探しても二人だけのようだ。一人は知っている通りガリアだが、後一人がよく分からない。


「ガハハハハ!!やはり俺ら二人に敵う奴はいなかったな。お前ら。誰か一人でも勝てたら飯を全員分奢ると言ったがな。負けたんだからわかってるだろうな。明日は楽しい基礎筋力作りだぞぉハハハ!!!」


「ガリアさん。気絶している人達に言っても無駄ですから‥‥‥。それよりも来客が来ていますよ。」


男にしては長い髪の毛を一つに縛ってガリアに流れる様なツッコミを入れている人のせいで、ガリアが獲物を見つけた目でこちらを見てくる。


「なぁフェリス。あのガリアの隣にいる奴は誰だ?見たことないんだが。」


「そっか。カナタは知らないんだっけな。あの人はガリア師団長の部隊に所属しているラッグ副団長。ガリアさんは力だけどなラッグ副長は反対的に魔法を得意としてる相性の良い二人なんだぜ。」


「君がカナタ君?」


フェリスの話に集中していて二人の接近に気付かなかった。ラッグさんは小さな笑みを浮かべながら聞いてくる。


「相原 彼方です。カナタって呼んでくれて構いません。」


「おいカナタ。俺の時と態度がちが「僕の名前はエルファーサ・ラッグって言うんだ。先日仕事を終えて帰ってきたんだ。はじめましてだね。よろしくカナタ君。」」


差し出された手を取り軽く握手をする。


「おいラッグ!!団長が話てるときに「こちらこそよろしくお願いします。ラッグさん」」


省かれて横で叫び声をあげているガリアはほっとき、ラッグさんとの話に花を咲かせていると不意に人の山から声がしてきた。


「んっ・・・この声はガリアさんを倒した永久の騎士団のカナタさんじゃないか?」


一人のその声に反応して周りも死んでいた顔を上げこちらを見てくる。その表情に嫌な予感が俺にはプンプンとした。


「本当だ!!あの筋肉ガリアを倒したお方だ。」「救世主だ」「我等は今救われた。」「またガリアを倒してくれぇ」「筋肉を黙らせろ」


そこまでストレスが溜まっているのか、それとも仲が良いのか分からないが好き放題言ってくれている。俺はもうガリアとなんて戦いたくもなかった。


「ラッグさん、フェリスもあっちの離れたテラスで喋ろうぜ。」


「僕もそうした方がいいなと思っていたよ。」


「そうだな。なんかカナタと一緒に俺までなにか起こりそうな予感がしてきたぜ。」


三人とも同じ意見だったのですぐさま歩きだす。知らず知らずの内に歩きからだんだん走りに変わっていく。時すでに遅しだった。


「おっおお前らぁぁぁぁああああ!ちょっと待てやぁぁぁああああ!!!!!!!!」


ビクッと身体を震わしそこで立ち止まってしまう俺ら三人。予想道理ガリアの怒りが爆発してしまった。このイベントを回避は出来なかったようだ。


「カナタァァこの俺様に喧嘩売るなんて良い度胸してるじゃねーか、ちゃんと首は洗ってきたんだろうな。あぁあ!!」


「おいおい待ってくれよ。俺はガリアに喧嘩なんて売った覚えはないぜ!それは言いがかりだろ。」


「そんなこと知るかぁぁああ!!!なんでもいいから勝負するぞ。お前なんかな10秒もたたないうちにボコボコにしてやる。」


理不尽だ。あの人は怒りで冷静さを失って聞く耳を持たない。そこで隣にいたラッグさんが一歩前に出て俺とガリアの間に割って入ってくる。


「じゃあガリアさん。僕たち全員であなたと戦ってもよろしいですか?あなたほどのお方なら僕らの力を合わせても大したハンデにはならないと思いますけど。どうですか?」


ラッグさんの提案は俺にとって願ったり叶ったりだが誰が聞いても三人の方が有利だろう。


いくらお世辞を言ったとしてもその条件を飲む人は自殺願望者か本当の馬鹿のどちらかである。しかしガリアの反応をみると満更でもないような・・・


「おいやめろよ・・・そんなこと言われても俺は油断なんてしねーぞ。まっまぁしょうがねーなそこまで言うならお前ら全員でかかってこいや。」


どう見ても照れまくっている。


なんなんだあのオヤジはくねくねと体を動かしやがって・・・。ラッグさんは自分で提案したのに馬鹿な師団長をみて頭を悩ませている。


「よし。じゃあ勝負スタートだ!!。」



「カナタ君はここにいて。僕とフェリス君は左右に回り込んでガリアさんを周りから攻めるよ。」


ガリアが高らかに宣言したとほぼ同時にラッグさんが指示をとばし、困惑することもなくガリアを中心とした三方の布陣を立てた。


だがガリアはその動きになんのアクションも示さずにただ立っているだけ。


それを見て三人は一気に攻め立てる。三か所からの剣での攻撃。避けるにしては難しい攻撃である。俺の攻撃は剣で止めたはいいが横からの攻撃は防げない。


「もらったぁ!!」


フェリスは横からそう宣言し切りつけるが二人の攻撃は金属が合わさる音がして弾かれる。何らかの魔法だと思う。


俺はスピードを落とさずに剣を様々な角度から放つ。二人はガリアの後方気味に退きながらフェリスは剣を変形させ雷をまとった矢を早打ちで放つ。ラッグさんは小さな小型ナイフを懐から取り出してガリアの足元に投げつける。


俺はその場からすぐさま離れるとラッグさんのナイフが地面に刺さり強烈な爆発を巻き起こす。魔力を込めた特別なナイフのようだ。そこに間髪いれずにフェリスの放った矢が次々と直撃する。


「おいおい生きてるかガリアは?」


やりすぎた感じがあったが俺は自分の考えをすぐさま訂正する。半径3メートルほど抉れた地面には手に矢をきっちり10本掴んでいるガリアが薄気味悪い笑みを浮かべながら立っている。


「ありえねーって・・・。」

「シャレにならんなあの体は。」

「さすが団長といったところですね。まさに化物です。」


三人の驚きが口から零れる中ガリアは右の拳を振り上げて、力いっぱい地面にたたきつける。直後三人の足元に凄まじい地割れが起こる。それをジャンプで避けると地割れした所から鋭利な岩石が次々と出てくる。


すぐさま尖った部分を剣で切り落としていき、なんとか攻撃をしのげた。ラッグさんもギリギリ防げたようだが所々に傷を負っていた。


フェリスは地面にぶったおれている。おいおい気づいたらやられてるとかかっこ悪すぎだろアイツ。


「あと二人だな・・・。」


今ではガリアの低い声を聞くと恐怖を植えつけられる。フェリスも魔法で防いでいたが、回り込んでいたガリアに気づかず顔面にグーパンチを食らった。ご愁傷さまだ。


ガリアの体の大きさであのスピードは本当に脅威だ。


「カナタ君!少しでいいからガリアさん僕に近づけないように相手をしてくれないかな。」


「ちょっ無理で「ありがとうカナタ君。」・・・・。」


チクショウォォオオそんな笑顔でお礼言われたら断れないでしょうが!!!死亡フラグが完成しちまったよちきしょう。


「お前は厄介だからなラッグ!!そんな事了承するわけないだろ。」


ガリアが急いでラッグさんに突進を仕掛けるがそこに無理やり割って入る。剣の一振りが前よりも重くなっていた。この人の底がしれない。


「ラッグさん!1分以上は確実に持ちません。」


俺の言葉に笑顔を向けて返事は返さない。了承してくれたことを願うばかりだ。力を限界まで上げてガリアを後方へと下がらせる。黒く光った剣を下に落として下段の姿勢をとる。


この場から遠ざけようと俺から仕掛けに行く。俺は魔法が使えないから一番の武器はこのスピードにある。ガリアの剣を綺麗に打ち払い懐に入り込む。生半可な攻撃は通用しない。一転集中。


「食らいやがれ!!五光(ごこう)流星」


首と両肩足の関節を一気に狙い浴びせる。一発目は防げたが後の四発は完全に直撃した。今日初めてガリアは苦痛の表情を浮かべたが退こうとはしない。俺の胸倉を掴み力任せに地面に張り倒す。


「ガハァ!!」


口からは血が零れて一瞬気を失う。その間にもガリアはラッグさんに詰め寄っていく。ラッグさんは何かを呟いていて気付いていない。危険だ。よろめきながらも立ち上がり地面をける。


ガリアは勝ちを悟ったのか剣ではなく怪我を最小限にしようとフェリス同様拳を振り上げる。そして最後を語っているかのように今まで以上のパンチが繰り出される。


「させるかぁぁぁぁああああ!!!!!グハァdごうごうgづ・・・。」


俺はそこにダイブしていきパンチをもろに喰らう。倒していたとおもっていた俺の介入で、ガリアの動きが止まる。そこにラッグさんが不敵の笑みを浮かべる。


「よく頑張りましたカナタさん。ありがとうございます。」

『縛られた悪魔は逃げられない 天をも落とせこの地上に 悪魔(ラビリンス)(レイチャー)


ラッグさんが素早く最後の言葉を紡ぐ。ガリアは慌てて魔法を出そうとするが遅かった。魔法陣が地面に浮き出てきてそこから数えきれないほどの漆黒の鎖がガリアを捉える。


「ちっ!!捕まっちまったか。だが捕まえただけじゃこの俺は倒せないぞラッグ!!どうするんだ。」


「どうするも何も後は皆さんにやってもらうだけですよ僕は?みなさん準備は完了していますよね。」


『おおおぉぉぉ!!!!!』


周りから今まで隠れていた騎士たちが姿を現す。いつでも魔法を繰り出せる準備をして。みんなの顔は嬉々としていて、いまこそ復讐の時だと高らかに叫んでいる。


「おい待てラッグ!こいつら全員は戦いに関係ねーだろうが。」


「何を言っているんですかガリアさん?僕は最初にこう言ったじゃないですか。僕達全員と戦うって。三人なんて誰も言ってませんよ。」


ラッグさんは策士だった。ガリアは悲壮な顔をしてラッグさんを見つめる。


「ラッグ!!お前らぁぁぁあああ憶えよけよ!!!!」

『総員攻撃』


後日聞いた話だがガリアの悲鳴は城の外まで響いたらしい。門番兵が苦情の対応に追われて困っていたと噂で聞いた。













**********

「あぁ疲れたな。フェリスの家に戻るなんて久しぶりだからなぁ~~なんかワクワクしてくるぜ。」


練習場の片付けをみんなでやりやっと帰宅できた。足はもうボロボロである。


「しかしなぁガリアさんは本当に強かったなぁ。あれを身につけるのは相当‥‥んっあれはたしか永久の騎士団のメンバー達じゃないか?」


城の門を出ようとするとフェリスがやや驚きながら呟いた。


「しかし面白いよな。アラン王子が敵に遭遇して傷を追わされたのに無傷で帰ってくるなんてな。運がいいな。」


前から他のメンバーを気にしながらもワームスさんぐらいにしか会っていなかったので俺は興味が沸いて来る。しかし何故か体は拒否をしているように感じる。


「フェリス。先に行っててくれ少し挨拶してくる。」


俺はフェリスにそういうとメンバーの方に近づいていく。角の曲がりで話しているからなのかこちらには気付く様子はない。


「おい聞いたか?あの疫病神まだ生きてるらしいぜ。今城中で話してるから確かだ。」


「とっとと死んでくれよ、この前の作戦の時は肝が冷えたぜ。襲われていなくなる予定だったのに、疫病神が死ななかったから俺らが敵ってこと知られる所だったな。」


「まぁあの日には支障がでないから良いか?ハハハハハ。」


誰の話をしているのかは明確だった。ティアがあんなにも必死だったからどういう奴らかと思えばただのクズだ。俺は怒りを必死に押さえここから立ち去ろうとした。


今動いたらどう考えても俺に不利な状況になってしまう。ここにいないがワームスさんも黒かな・・・。まとめてたたかないといけない。


「まったく昔にわざと優しくしたら図に乗りやがって。あんな奴生まれてくる意味あったんか?」


「あるわけないだろ!!災いの子だぜ。」


『アハハハハハ!!!!!!!』


耐えろ耐えろと自分で言い聞かせていたがまだ続くティアの悪口に俺は自制がきかなくなる。


─────プツンッ


自分の中で何かが切れた。俺は振り返り拳を血が滲むほど握りしめ走り出す。もう後先のことは何も考えていなかった。


「お前らぁぁぁあああああ!!!!!!!!」







よろしくおねがいします!!”

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