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さんすうのテストの紙飛行機

作者: さとう あか


 てんすうのわるいさんすうのテストをかみひこうきにした。


 そのかみひこうきはたかーく、とんだ。


 いいぞ。そのままどこか、しらないところまでとんでいけ。


 そうおもったのに、はしのうえにおっこちた。そして、はしのうえにいたひとが。


 あれ?かみひこうきひろった?

 あれ?ひろげた?なか、みてる?

 あれ?わらってる!?


 わらわないでよ!がんばったんだから!


 え、なんでかえるの!テストのかみひこうきもって!


「ぼくのさんすうのテストかえしてー!」


 いっしょうけんめいさけんだ。

 でも、そのひとははしをあるいてかえっていった。











 私に生きる気力をくれたのは飛んできた紙飛行機だった。


 算数の30点のテストで作られた紙飛行機。


 名前の欄に書いてあるのはわたなべ ゆうき。


 答案は何度も書いて、消して。くしゃくしゃになっているテスト用紙は試行錯誤を繰り返しているのがよくわかった。でも自信がなかったのか、最後におまけしてくださいというコメントにクスリと笑いが誘われた。


 ああ、小学生だってこんな風に頑張っているんだ。なんの取り柄もない自分だけど、もう少しこんな風にいきてもいいのかもしれない。


 そう思えて橋を歩いて帰っていった。

 読んでいただきありがとうございます。

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― 新着の感想 ―
ごく普通に母親に見つかる話かと思えば、拾った後が心温まるものでした。答案内容が現代っ子ではちょっと有り得ないところも良かったです。
紙飛行機が繋げた橋にて、二人のそれぞれの視点で生まれたドラマが良いバランスを保っています。 文も少年の時は平仮名で、男性の時は漢字が使われているテクニックに凄い効果を感じました。 テスト用紙……無…
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