第六話 誰かの日常
ここはどこだ。
また同じことが起きたのかと思ったが、違うようだ。
ここは学校の門の前なのか。
そういえばバルケドは・・・
あれ、デストロイを消滅させるところまで全部覚えているぞ。
だけど依然として、世界のデストロイから前のことは全く思い出せない。
「どうしたの、桜城くん?」
後ろから聞いたことのある声が聞こえたと思い、振り返ると
「あれ、師匠?なぜここに」
後ろにいたのは師匠だった。
「師匠?何を言ってるの桜城君、綾瀬だよ」
綾瀬?全く聞いたことのない名前だった。
もしかしたら、ここは別の世界なのかもしれない。
前の世界とは、名前が全然違う感じがする。
そもそも、ここがどこなのか聞いてみるか。
「なあ綾瀬、ここは学校なのか?」
「何を言っているの桜城君たら、王立魔術高等教育学校『エジアング学院』だよ」
「えーと、一つ聞いていいか」
「なに?」
綾瀬が言った言葉が気になってしょうがなかった。
「魔術と魔法は何が違うんだ?」
「魔術は魔法陣を形成して行使する魔法で、魔法は魔法陣がいらないんだよ。」
「例えばこんなのか?」
俺はバルケドから教えてもらった、ウィンドを使ってみた。
「キュイービ・アディス・エビレーヴ ウィンド」
魔法を使うと目の前に落ちてきた葉っぱが風の刃によって切られた。
こっちの世界でも、あっちの世界の魔法が使えるのは驚きだった。
綾瀬も驚いたようにこっちを見てくる。
「どうした?」
「えーと、今の魔法だよね、どうして使え」
ドッタン!!
綾瀬が倒れた。
「おい、綾瀬どうした!」
何度呼び掛けても返事がない。
とりあえず、保健室にでも連れていくか。
俺は綾瀬を担ぎながら学校の中を走り回り、保健室を探した。
俺は保健室を見つけたので急いで入った。
バン!!!
「綾瀬が倒れたんだ、助けてくれ」
先生と思われる髪が長く黄色の目をした女性が一人いた。
「大変、そこのベットにたおして」
俺は綾瀬をベットにやさしく置いた。
「今から回復魔法をするから、待ってて」
「血に染まりし紅蓮の術式よ、絶望と共に立ち塞がる障害を穿て、ヒール」
すると、先生の足元にでかい円がたくさん重なったようなもの、たぶんこれが魔法陣なのだろう。
それにしても魔術は魔法と違い詠唱が長いな。
「うーん、ここはどこ?」
綾瀬が目覚めたようだ。
「ここは保健室だよ、綾瀬大丈夫か?」
「桜城君?私、倒れちゃったんだよね。」
「特に目立った外傷もないし大丈夫そうね、もう少し休んだら自分のクラスに帰っていいからね」
「桜城君、ここまでありがとう。先にクラス戻っていいよ」
そういえば、自分の学年とクラスを知らなかったな。
「えーと、俺のクラスを教えてくれないか」
「どうしたの、桜城君。今日変だよ」
さすがに、ばれるよな。
初めて会う人じゃないんだから
黙っていたほうが、いいのかわからないけど黙っておくか。
「いや、そんなことはない」
「ほら、桜城君は私にため口で言わなかったもん」
やっぱり、ばれるか
黙っている理由もないし、言っておこう。
「あのな、綾瀬」
「やっぱりいいや、隠しておきたいこともあるよね」
何か気を使わせてしまったようだ。
「何かすまない」
「えーと、クラスだよね。1-Aだよ」
「ありがとう、先に戻ってるね」
「うん」
俺は保健室を出た後、1-Aをさがした。
あっさりとすぐに見つかった。
俺は綾瀬に言われた敬語で入ることにした。
ガラガラガラ
「すいません、遅れました。」
教室の中には30人くらいの人と先生の姿をしたバルケドがいた。
この人もバルケドに、似ているが別人だろうな
「扉の前に立っていないで、早く座りなさい」
やはり違ったようだ。
「すいません先生、席が分かりません」
周りからたくさんの笑い声が聞こえた。
「桜城の席は、あそこの開いている席だな」
俺は刺された席に向かった。
隣も開いていたがその席は綾瀬の席のようだ。
クラスメイトが手を挙げた。
「先生、綾瀬さんがいません」
そういえば先生に言ってなかったな
「先生、綾瀬は保健室にいます。」
「そうか分かった。」
たんぱくだなと思った。
「次の時間は実技だから、体操服に着替えてください」
先生がそういったが俺の周りには体操服らしきものはないがバックがある。
案の定、このバックの中に入っていた。
女子が移動し、男子が着替えはじめたから俺も着替えることにした。
着替えながら思たっが、前の世界の体と全く違うことに気づいた。
前の世界より前に生きていた世界でも違う体をしていたのかと思った。
着替え終わったがこの体操服、、、ダサいな。
新章が始まりました。
第二章より長くなると、思いますのでよろしくお願いします