三人目
am 12:(*+1)0、この時間、学生なら学校で友達と遊び社会人なら上司の愚痴やコーヒーでも飲んでいたりするのだろう。本当はこんなクズの世話などせずに今持っている莫大な資産を使って、悠々自適に過ごした方が良いのだろう。まぁ、どうでもいい話か。
昼間にも関わらず、薄暗く光る廊下を歩きながら今まさにその例のクソお嬢様の室内に入ろうとしたところ、そんなことを考えたこと自体がバカらしくなった。目の前に浮かぶのは、件の客人がいるはずの間にも関わらず、我知らぬ存ぜぬの形で眠りこけているクソ嬢だ。いくらクソでも、女であることには違いない。それに対して、少々傷つけるのも躊躇われたがいたしかたなし。さっそく、それに対して一発殴りにかかろうとしたところで、私はある種の衝撃を受けた。いないのだ。いや、厳密に言えば、いないのではなく確かにそこに存在している一人の男児らしき人はいるのだが、先ほど尋ねにきたはずのあいつがいないのだ。帰った?いや、ありえない、もしそうなら唯一の出入り口である扉の鈴の音が聞こえるはずだ。それでは、窓を破壊して出て行ったのか?いや、それは前述の理由からもっとない。それでは、このクソを眠らせて、屋敷の情報を盗むために、どっかに隠れたのか?いや、これは、今挙げた理由の中で一番ないだろう。....まぁ、そこに思案しても仕方ない、まずは、このクソを起こさないと始まらない。そう思い起こし、とある言葉を紡いだ。
「***」
「ん、ああ悪い悪い。寝てしまったのか。」
「減らず口もここまでいけば、天賦の才だな、下郎。あいつはどこに行ったんだ。」
「ん?....ああ、あの人かい。死んだよ。」
「おふざけも大概にしろ。そんな話を聞きたいのではない。」
「まぁ、どうではいいでしょ、そんなこと。それよりも私は、この子と話したいんだが、どいてくれるかい?」
そこまでいうということは、本当にもう何もないのだな、と言いそうになって言うのをやめた自分を今は褒めておくところに留めておこう。そして、その人物は作りたくもない飯を作りに、厨房へと去った。
よしと、この男児を起こしにかかりますか。
意識が今にも切れそうな糸のように途切れかかっている、
『人は普通は夢の中では意識というものはないのではないか?仮にあったとしても行動は自由にできず、ただ見ているだけなら意識がないのとどう違うのか?』
?だれなの?この人格は?そう思ったと同時に僕はまた、別の意識に呑まれそうになって、暗いのか明るいのかさえもわからない場所にいって、それから.....?それからって、いったいなに?そもそも、なにを...nanuqo..."\u751f\u304d\u3066\u76ee\u7684\u3092\u679c\u305f\u3059\u306e\u304c\u3001\u672c\u61d0\u3063\u3066\u3075\u3056\u3051\u308b\u306a\uff01\uff01" ! ! !
「ッッッ!!!??」
深い深い海のようなところにいたはずの意識が急に甦った気がした。そして...
「やぁ、おはよう!ごめんねぇ、驚いた?」
「なにをしたの?」
「ん?いや、何も。ただ私の親指と薬指で鼻をつまんだ。それだけ。」
と言いながら、ウィンクを返してきたが、そんな冗談はどうでもよかった。あんな現象が、ただの指摘みだけのはずがない。
「本当に何をしたの?」
そう返したら、これ以上詮索されたくないのか、気怠げそうに言って
「だ か ら 、乙女の貴重な柔肌の一部である指を使って、君の呼吸を止めたの?今回ばかりはどうしょもないけど、次は寝てはダメだよ!!さもないと、次は本当の呼吸を止めるからね」
「....はい。」
...実際に、僕よりもこの人が先に寝たのにという嫌味も言えず、そう言うしかなかった。別に反抗したことで、さらなる苦痛を味わうのを恐れたわけではない。むしろ、不思議と反抗心や恐れすら抱く気持ちにすらなれず、ペットとして飼われている犬のような従順で家畜のような傀儡と同じ気持ちかもしれな....ってなにこの思考と例え...こんな難しい言葉そもそも知らないから、出せるわけないのに次々と話し言葉のように出てくる。やっぱり異常だと、知覚?しても、と思考の最中に、目の前にいる人はこう言った。
「ねえ、さっき、話した話ってどこまで話したっけ?」
「理性が今から話す話の能力の根源というところまでだよ。」
と反射的にこの人の問いに逆らえず、答えてしまった。そして、なぜかその話を聞かずにはいられない気がして気付けばそのまま置かれた椅子の上で話を聞く体勢になっていた。
「え〜!そこまでしか、話していないの? ...わかった。それじゃあ、今から話すのは、私の大好きなとある『語り継がれなかった話』。」
今からずっと昔、大体、紀元前6世紀後半かな。ヨーロッパのある国の話。その国では少ないけど、遺伝子または理性の力を使って、今で言う超能力的のようなマジシャンとは比べ物にならないようなことをしていたの。ん?信じられないって?まぁ、それは現代を生きる君にとって当然な反応だろうね。でもね、考えてみてよ。テレビでも見たことあるんじゃない? 例えば、マヤ文明?だったけ。そこで、信じられないほどまっすぐな線を古代の人が描いたって話。この時代、衛星もなければ、空飛ぶものもない。仮に信じられないほど巨大で真っ直ぐな定規を作ったとしても、その技術はもっと未来で解明されるとある必要な規則を知らなければ作れない。そう考えると、さっき言った力も現実味を帯びてくるんじゃない?まぁ、この際それの実際の存在の真偽はともかく、これからはこういう力が存在する前提で話すからね。あ、ちなみにそのヨーロッパの気候や金銭等に関しては覚えていないから、そこは適当に決めるね。
BC510、7月25日、ある明るい朝の日、太陽は恨めしいほどの照っているが、そんなことはどうでもよかった。とりあえず、愛しき我が妹に会いにいくとしよう。そのあとのことは、いやどうでもいい。そう思考し、とある男は寝癖を直しもせず、郊外の貧民街の酒場に向かった。その道の最中、一人の見知った女性と会った。彼女は、艶のある銀色の髪を靡かせながら、自家栽培しているさくらんぼの収穫をしていた。彼女は僕の姿を認識すると、笑顔を見せながら
「あら、サナエ。こんな朝早くどうしたの?」
と尋ねてきたが、即座に思い出し、「愚問だったわね、ほら早く妹さんのために、いきなさい。」と言ってくれた。銀髪の女性、シャーリドさんは僕の亡き母との親友らしい。らしいというのは、実際、母は僕が生まれた時にはすでに息絶えていたためだ。代わりに自立できるまで育ててくれたのが、シャーリドさんだ。彼女は、この国では国宝とも言える能力者で、本来ならばこんな場所で住むのは世間的には相応しくないが、彼女の強い希望でこの場所に住むことが許可されたらしい。だとしても、護衛の一人もつけていないのは、....まぁ、それはいう必要もないか。とにかく、彼女には恩を感じているが、妹のことで急がなければならないために彼女の申し出はありがたかった。
「ありがとう、シャーリドさん。午後の17時には、8月分の金を振り込むから家にいてくれよ。」
といいながら、急いで酒場へ走った。シャーリドさんが「わざわざ、そんなことしなくてもいいのにぃ」と言っていたが、僕は、何かを栽培する技術もないし、物を作ったりする技術もない。だからこれくらいの金で、恩返しくらいしないと僕の気がおさまらないのだ。幸いとして、その金を使って彼女は貧しい人のための食料の栽培、生産また、孤児院の経営に関わっているらしいため、無駄になっていなくてよかった。
郊外の貧民街、かつてここは昔の首都近くの比較的に賑わっていたところだったらしいが、ある時期を機として人が引っ越しを続けた結果、今では栄えていない貧民街と成り果てていた。普通、この類の貧民街と言ったら災害や大気汚染の影響で、町から人が去ったというような例を簡単に思い浮かべられると思う。しかし、この街は、少なくても僕が生きている間では災害が全くなく、空気もむしろ首都の密集した人の空気よりも遥かに良いものだと思う。だから、僕はなぜここが貧民街になっていったのか不思議であった。
貧民街の酒場に着き、中に入ろうとした途端、背筋も凍るような嫌な予感が脳内を占めていた。なぜなら、嗅いだ瞬間わかる血の匂いが酒場から漂っていたためだ。僕は、酒場に不安な気持ちを抱きながら、急いでドアを開けると、そこには、数十人の死体が酒場にあった。
「ッッ!!!」
....俺は必死に妹の安否を確認に妹の部屋に向かった。いや、正確には向かおうとしたと言った方が正しいだろう。なぜなら、ある理由で俺はその部屋へすら自力では進むどころか、動くことさえできなかった。それは、俺が部屋に向かおうとした瞬間に誰かの死体で足を滑らせて、転んだんだが、その死体が、血を滴れせながら、仰向けに寝ていた女性が
『妹』にそっくりだったからだ。。。。