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転送術士候補生  作者: よのもり せいう
1/23

その1 出会い(Part. H)



“転送術科 ドアーズ・ポケット先生 失踪のお知らせ”

入学式早々に聞かされたニュースに、王都に来てはじめて貧血を起こしかけた。

それはきっと、これから私の師となるはず人の名前だったからである。


「大丈夫?」「あ、ありがとう…(・△・;)」


肩を支えくれた隣の子にお礼を言いつつ、何とか話の続きを聞こうとする。

でも、声は音のように聞こえていても、内容が耳に入ってこない。


高名な転送術士、ポケット先生の弟子になりたい―。

そう思ってこの学園に来たのに…。

新しい制服の裾を掴むと、冷たく硬い感触が身に染みた。


と、そのときだった。

学生達が、にわかにわあっとざわついたので、何だろうと顔を上げる。

すると檀上には、校長先生に紹介されて話す、一人の新任教師の姿があった。

緑がかった髪に、表情を隠すように光る眼鏡、話すと吊り上がる怪しげな口元。


「…ポケット先生の代わりにこの学校の教員となりました、ディアスと申します。

 転送術科も兼任しますが、専門は…死霊術です。」


望んでいたはずの先生が、行方不明。

そして代わりの先生の専門が、私の希望と全然違うもの…。


初日から不良になっちゃおうかと思いました。



その1 終





【ひとこと事項】


・ハーミア

 転送術士になるためにやってきた新入生。

挿絵(By みてみん)


・ドアーズ・ポケット

 魔術学校スコラ・リンデに務める高齢の転送術士。


・ディアス

 行方不明のドアーズの代わりに転送術科も兼任となった死霊術士。


・魔術学校スコラ・リンデ

 最高峰ではないが、歴史は古い。それ故かマイナーな学科も有する学校。


・転送術

 人や物を対象の場所へと移動させる魔術の総称。自身を移動させる魔術を転移術、他を移動させる魔術を転送術と分けて呼ぶこともある。


・転送術士

 転送術を専門とする魔術士の呼称の1つ。


・死霊術

 他者の生命を媒介に行使する魔術の総称。その性質ゆえに、この世界では忌み嫌われる傾向にある。この術を専門とする者を死霊術士という。



―――

・Part. H ハーミアを一人称とするパート

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