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小品

未亜の失恋

作者: 星野☆明美

悠斗と未亜は恋人同士だった。

「大学出てから仕事就くだろ?それから結婚して子どもができたら、そしたら俺、もういいかなー?役目果たしたかなー?って」

ある時、悠斗がそんなことを言った。

「馬鹿!その先があるでしょ!」

「えー」

とかなんとか言いながらちょこちょこ触ってくる。エッチだ。

「やめてよ!」

未亜はぷんすか怒っていつも手を振り払っていた。悠斗はつまらなそうに、未亜を見ていた。


大学出てから仕事に就いてー。お互いに音信不通になった。


未亜が最初の大晦日、買い物に郊外のスーパーまで行くと、道を渡るときライトバンが危ないところで止まった。未亜は会釈してたたたっと走ってったが、運転席にいたのは悠斗で、助手席には小柄な女性が乗っていた。

声もかけてこなかったので人違いかもと思った。


翌年の大晦日、未亜は軽自動車の運転席で信号停車した。

歩道の信号待ちしているカップル。白いふわふわの上着を着た小柄な女性を背の高い悠斗が覗き込むようにして、うっとりした表情でなにか囁いている。

悠斗のあんな表情、私は見たことなかった!

未亜はぽろぽろ涙をこぼした。


「悠斗君、結婚して、子ども生まれたって!もう独り身じゃないから誘っても遊べないっしょ?」

共通の友人から聞いた。人づてでしかわからないけれど、きっと幸せなんだね?

未亜はこれも失恋かなぁ、と大きなため息をついた。

子どもが生まれたなら、きっとそれなりの責任感を身につけるだろう。

「幸せに長生きしてね」

同じ空の下、想っているからー

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― 新着の感想 ―
[一言] うーん。悲しい。 それに健気。 でも、このくらいの年頃にはよくあることなんですよね。
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