表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
24/26

ルート2の6:マイティーハート

 朝のまどろみの中、聴こえてくるのは神々しいまでに清らかな歌声。春の木漏れ日のように優しく、小鳥がさえずる様な可愛らしさ。しかしながらその奥には森の大樹が大地に根を張っているような、強さや深みを感じさせた。そんな極上の音色で紡がれているのは賛美歌”アメイジング・グレイス”。歌の名が示すように”神の恵み”と呼ばれるに相応しい天使の歌声だ。そのぬるま湯に浸かっているような心地良さはより深い眠りへと誘う。

「……やっぱりこの歌ではダメですね、ワットアピティー」

聞きなれた声。そして腹筋に感じる重み、柔らかさ、暖かさ。薄絹(ウスギヌ)のようにフワリとした髪の感触と甘い香り。

「お空に旅立つ白ネコさ〜ん、オーブンからは〜良い匂い〜。黒ネコさんに〜へ〜んしん」

気分は天国から地獄へ落ちるフォークボール。重い(マブタ)を目を開けると、艶のある漆黒(ウルシグロ)の瞳がキョウタロウ君寝起きフェイスを観察していた。

「モーニンモーニンです兄さん。お目覚めいかがですか」

ニパっとしてるのは前よりさらに明るくなってる俺の義妹、いや妹ことミィちゃん。

「おはようミィちゃん。10分前までは女神の祝福を受けてるような気分だったよ」

返事に満足したのか”よいしょ”といつも通り横に降りて

「姉さん達はもう食卓についてますよ。ハリーハリー」

と人差し指を立ててから、俺の部屋を出て行った。

 後宮家のキッチンを囲むメンツはあれからまた一名増えた。いつも親父が座ってた席には俺、その隣のお袋が座っていた席にはマリサ。まぁこの位置関係には深い意味はないはずだ。そしてその向かいの俺が座っていたところにミィちゃん。で、その隣の空いてる席には

「おはようございます京太郎」

と俺を呼び捨てにするセーラーの麗人が座っておられます。碓井(ウスイ)美鬼(ミキ)、改め園田美樹。本日から休校の解けた桜花学園に通うことになりました。

「おはようミキさん」

挨拶を返し、次は早くも朝の食卓で見慣れてしまっているツインテールに

「おはようマリサ」

と声を掛けて隣に腰掛ける。それに”おはようキョウ”と返事をもらってから、皆で手を合わせて朝食を頂く。鮭の塩焼きにワカメの味噌汁、ひじきと豆の煮物にダシ巻き卵。湯気を立ててるご飯は今朝炊かれたものだ。マリサもミィちゃんも洋食派だから今日はミキさん担当の模様。何より本来なら醤油とかが置かれるべきポジションであるソースの隣には”水飴(ミズアメ)のビン”が置いてあるからね。ラベルには

”ご自由にお使い下さい。MIKI”

「遠慮しなくて良いですよ皆さん。これは私の好意なんですから」

”フンフンフー”と機嫌良さそうに鼻歌を歌いながらお味噌汁へ水飴を流し込んでるミキさん。これはまだ序の口だ。次に制定カバンをゴソゴソと漁って取り出したのは三角フラスコ。中は金平糖(コンペイトウ)鼈甲飴(ベッコウアメ)と貞光さん作の”弾けるキャンディ”を混ぜてパウダー状に砕いた異次元のフリカケだ。ちなみに三つの混合比率は5:3:2で、これは”MIKIブレンド”と言う拘りの数字らしい。瓶のラベルには

”毎日の食卓へ。MIKI”

それをご飯へ”フフフンフー”とまた機嫌良さそうにサラサラかけている。美味しそうな朝食が闇鍋の勢いで台無しにされていく。破壊のカタルシスに通じそうなその光景を見守っている俺に気付いて、ミキさんはその赤い瞳を向けて

「京太郎もどうですか?」

ビンをズイと差し出してくる。

「ないですね」

即答。それに”フ”と大人っぽく微笑んで

「その奥ゆかしさは女性だけにあれば良いんです。男の子は遠慮してはいけません」

仰いながら異次元フリカケを手にして俺のご飯に”フンフンフー”……って

「ま、待ったミキさん!」

慌ててお(ワン)を持って遠ざけてる俺にキョトンとして

「何ですか京太郎? 私の顔に何かついてますか?」

たまに見せてくれるこの無垢な表情はすごく可愛い。いや今はそんな場合じゃなくて

「何もついてないから俺のご飯を”MIKIカスタム”しないでねミキさん」

さて、ここであの事件から今までの経緯を説明しておこうか。 

 今日から遡ること3日、昼前の学園であのシュールな光景を目撃した俺達はその後、仲直り、という言い方は少しおかしいかも知れないが

”これからは仲良くしましょう”

という意味を込めて、ミキさんを加えてマリサ邸で一緒にお昼を食べることになった。桃ちゃんから”キレやすい”と聞いていたから最初はおっかなびっくりと接していたのだが、全然そんなことはなくて拍子抜けするほど和気あいあいと過ごしてしまった。強いて言うなら食前に、ミユキ先輩とミキさんによるミィちゃん争奪戦が、昼食作りの際に

”ミヤコが欲しければ0.2秒以内にタマネギを千切りにしてみろ”

”良いでしょう従姉(ネェ)さん。弱火(トロビ)でじっくり煮込んだ甘味とコクのある水なしカレーに後悔しても知りませんから”

と無意味な形で何回か勃発したが特に問題はなかった。


”MIKIリミテッドカスタム”されたカレーの味以外は。


 さてその後、裏も表も事件を解決するということで警察に連絡し、グランドに待ち合わせて事情説明を行うことになった。そしてやってきた数名の捜査員に、貞光さんはフレンドリーに歩み寄って用意していた”神シナリオ”をニィと語ろうとしたのだが、そこでミキさんはいきなり

”全て私の責任です”

とまさかの第一声だ。それは美月ちゃんのママでさえ呆気に取られたほど。ミキさんが話した内容はまさに洗いざらい、嘘は一言もなかった。彼女なりにケジメを取ろうとしたのだろう。しかしながら事情が事情。いったいどこの誰が、極太の水柱を手から生成して校舎に傷をつけたり窓をカットしたり、トラックを式神なるサイコパワーで遠隔操作したり、体が短時間で伸び縮みするとかそんな話を信じてくれるだろうか。モヒカン軍団がバイクで乱入した辺りは真剣な面持ちで聞いていた捜査員の方達だったが、後半のファンタジーな内容には”うんざりだ”という具合に聞き流された。ともかくそのまま警察署に同行してさらに事情を詳しく話したのだが、やはり肝心な部分はまともに取り合ってもらえず、ミキさんが少し語気を荒げる場面もあった。そこへ巡査の一人が入ってきて

”少しお時間を”

と別室に案内さた。そこで手渡されたのは一枚の捜査報告書のコピーだ。皆でそれを覗き込むと、そこにはミキさんが俺達を襲ってきた、あの最初の事件についての詳細が記されていた。上司から大目玉を食らったやつだ。一部抜粋すれば

”被害者一名が道路面を削り取って加害者に向けて投擲(トウテキ)。殺傷能力が認められたが過剰防衛、もしくは正当防衛の余地も十分にあり……”

とか

”被害者から連絡を受けた目撃者の一名が加害者の頭部へ素手による痛打。数m先の民家の壁へ激突させ、一部破損させるも不可抗力と認められる。以後は事件に関与するので扱いを目撃者から……”

とか、まぁ確かに実際に見ていなければ雷を落としたくなる内容だ。巡査さんは自分から

”本当はこういう資料を一般人に見せることは決して許されないのですが”

と自分から切り出して、今度”信じてもらえない”ような報告書を提出すれば、前回の”ミキさん誤認逮捕”の件もあるのでここに”いられなくなる”ということを伝えられ、そして

”ですので、どうか現実的な内容で御願いします”

と最後は頭を下げられた。”校舎に入った傷”で一番筋を通しやすいシナリオはモヒカン軍団による犯行なのだが、それはミキさんが首を縦に振らず、結局お互いが歩み寄って出した結論、つまり後で捜査員に伝えた内容はこんな感じだ。まず最初の学園生の暴行事件。これは事実通りモヒカン軍団による犯行。次の空手部襲撃事件。これも事実通りミキさんによる犯行。しかし空手部部員達の中で、後に残るようなケガを負ったものはなく、また彼らを代表して主将の赤木先輩から

”事件にはしません。むしろ空手を女性に使用しようとした自分の未熟さにこそ非があります”

という割とかっこいい連絡を警察は既に受けており、このことは以後、刑事事件として問わないことになってるそうだ。あとは”君達でごめんなさいするか民事でどうぞ”ということらしい。そしてグランドに乗り込んできたバイク集団の事件。このことでミキさんは”自分が彼らを焚きつけた”といった旨を伝えたのだが、

”それで、皆さんや桜花学園さんにはどのような被害があったのか詳しくお願いします”

と問われた。そこで気付いたが、よくよく考えたら学園や俺達に被害は全くなかったのだ。不法侵入や殺人未遂とかなら確かに該当するのだが、どちらかといえば死にかけたのはモヒカン軍団であり、ヘアスタイルに次ぐトレードマークのバイクを一瞬にしてスクラップに変えられたのだから、やはりどちらかと言えば被害者はあのモヒカン連中のような気がしなくもない。

”自業自得とは言え、少し気の毒ですね。ハハハ”

というパパの苦笑いに皆が同意し、被害届は出さないことになった。優しいねみんな。ていうかあの”破壊神による無双乱舞”な事実を語ったら、扉の小窓からチラ見してハラハラドキドキしてる妻子持ちの巡査さんのクビがそれこそマッハで飛ぶこと確実なので、早い話が”なかった”ことになった。最後、ミキさんが校舎に入れた亀裂と割った窓ガラスについて。これは事実を話しても信じてもらえなかったものの、動かぬ物的証拠があるので、被害届けの提出と検証が行われることになった。しかし

”10mを越す校舎にあんな綺麗に一直線の傷が入ってたんじゃ、重機器の使用を疑うしかないですね。地元の工事関係者からまず事情を伺っていくことになりそうですが、死人が出たりしてるわけじゃないので、”悪質なイタズラながら犯人不明”という形で捜査もすぐに終わるでしょう”

話を最初から信じてくれなかった捜査員の一人が、溜息とともにそうこぼすのだった。表向きはこれで一件落着となりそうだ。

 警察署を出たのは夕暮れ。以後しばらくは

”また連絡を差し上げることがあるかも知れませんので”

と言われたので、ミキさんや貞光さん、桃ちゃんも近くに留まることになった。さて次は裏向きのお話。まずは貞光さん。ミキさんの”鬼殺し”を怠った罰として、兄である美月ちゃんパパから、源神社からの追放を言い渡されました、といえば聞こえは良くないが、

”もう私の代わりは十分に果たしてくれたよ。お務め御苦労様”

ということの建前らしい。そういえば貞光さんも”僕に押し付けておいて”とか言ってたね。で、貞っちはこれから園田神社で働くことになり、

”名前を”園田なすび”に改めよ”

という命令が下った。もちろんそれには頭に青筋を立てて

”兄さんいったいどういう思考回路したらそういうクソみたいな(以下略)”

という反論があったが、ミィちゃんがそれにニパっとして

”じゃぁウンコ星人で”

”いいねなずび! すっごくいいよなすび! 兄さん夜道歩くときは背中に注意しろ”

と2秒で決着した。で、ミキさん。校舎を傷つけた罰として桜花学園への編入をママより言い渡されました。ちょっと呆然としてるミキさんに、ミィちゃんは大喜びしながら飛びついていた。ちなみにそれでユキたんがちょっと妬いていた。パッツン前髪を指でよじりながら。そしてママはニッコリとこうつけ加えた。

”私はあなたのお母さんになれるなんて厚かましいこと言うつもりはないけど、いつでも甘えたり頼ったりしてくれたら良いからね”

これはミキさんだけじゃなくて、桃ちゃんやミィちゃんにも向けられたものだった。で、さっそくミィちゃんは”ママ”と呼び始めたので美月ちゃんママは一瞬ポカンとしたが、すぐに

”もちろんママでも言いわ”

とニッコリ。後日の話になるが、俺のお袋はミィちゃんに”お母さん”と呼ばれることになる。姉妹だけじゃなくて親も増えていくのね。さて桃ちゃんについても予想通り、園田神社で暮らして桜花学園へ通うことになった。で、ミキさんもそうだが、苗字については貞っちの”なすび”に合わせて園田にするか、碓井(ウスイ)神社に(チナ)んだまま”碓井”にするかということだ。それについてミキさんは”園田”を選び、桃ちゃんは

”あ〜、どっちでもええけどなぁ”

と耳たぶを触りながら大雑把ぶりを発揮して、最後は”碓井”を選んだ。理由は

”語呂がエエと思わへん?”

知らんがな。

 さてさてさらには貞光さんが目がほとんど見えなくなった理由や、桜花学園を襲ってきた理由もミキさんは話してくれたのだが、その驚愕の事実は個別ルートで明かされる、かもしれないという異次元的な形で(ケム)に巻いておこう。ちょっとだけチラリズムみたいに申し上げようか。俺の感想としては一つ目。

”貞っち。そりゃあんたが悪い。でも良かったね戻してもらって”

二つ目。

”すごい萌えポイントだねミキさん……”

まぁそんな具合だ。謎だよね? 良かった良かった。

 そしてこれが俺の回想ラストだ。今のミキさんの人格は美鬼さんであり、美樹ちゃんではない。お互い何かの拍子でまた入れ替わるという不安定な状態なのだが、パパによると

”もう危ないこともしないと思うから、無理に”(イマシ)め”を施さなくても今のままで良いと思うよ。あとは”なずび”と”ミキちゃん”で相談すると良い”

とニコリ。それに貞光さんはミキさんの方を向いてこう即答したのだ。

”もちろん美鬼も含めて美樹なんだ。父さんはお前の全てを受け入れたい。それに美樹のどんな部分も一つとして失いたくないし、否定したくもない”

その後、ちょっとした親子感動のシーンがあった。茶化さずにはいられないようなね。

 「ふふふ、全く人騒がせというかオチャメというか」

「どうしたのキョウ?」

隣のツインテールが青い瞳で覗き込んできた。

「ああ、何でもないよ」

と返して、一緒に並んで校門を潜る。休校はほんの数日なのに、日常が戻って来たのは久しぶりのような気がする。後ろではミィちゃんとミキさんが仲良くおしゃべり。マジで本当の姉妹というか、いや姉妹にしては仲良過ぎるという妙な表現がしっくりくる。今日から朝練もしっかりと始まる。眠い。マジで眠い。今まではそれだけだったけど、今日は少し違う。眠い。マジで眠い。すげー眠い。でも幸せだ。普段なら当たり前のように過ぎていく一日は、当たり前過ぎて失うまでその大切に気付けない。それはちょうと両親や友人のように、そこにいるのが当たり前だというように。

「それじゃぁキョウはさ、俺がいなくなったらどう?」

いつの間に脳内トークをもらしていたのか、突然俺の前に回り込んだマリサが青い瞳でそう問いかける。ん〜。正直に言うなら寂しいだろうな。いや寂しいじゃすまないだろう。でもそれを口に出すのはちょっと、っていうかかなり恥ずかしい。恥ずかしいけど、いつまでも言えると思ってるのはきっと間違いで、言えなくなってからでは遅いのだろう。少しの間失っていた日常が、俺に教えてくれた答えだ。ニコニコと100万ドルの笑顔を向けているマリサを見て思う。

”言えなくなって一生モヤモヤするより、ちょっとくらい恥をかいてスッキリしておこうか?” 

ということで、俺はマリサの目を見て三文セリフを吐くことにした。

「俺がお前を離すわけないだろ」

「え?」

さー言った言った。変化球だけど言った。あ〜スッキリだ。我が生涯に一片の悔いなしと! 俺は瞬時に誕生したツインテールの石像を置いて先を行くミィちゃんとミキさんへ追いつくべくそそくさと早歩き。石化魔法が効きすぎて逆に早く解けたマリサが小走りで俺の隣に来て

「ちょっと待ってキョウ! 今何ていった!? 俺に何ていったの!? ねぇ!?」

と騒がしいツインテール。二度も言えるほど俺はヘラクレスじゃない。何食わぬ顔を作って

「何も言ってないさ幻聴だ幻聴。空耳」

それに怒ってるように見せかけて、でも緩んだ表情を隠すのにすごい失敗してるマリリンは俺の前に回りこんで

「ハッキリ聞こえたわよ? ”マリサ愛してる結婚してくれ!”って」

やっぱりコイツは脳ドック受けさせた方が良いかも知れない。

改竄(カイザン)にも程があるだろお前今からマジで病院連れて行くぞ」

「答えはイエスよ」

「勝手にコンボ繋げんな! ていうかマトモに会話できないならいい加減……」

あまりにウザイので俺はその両肩を掴んで抱き寄せる。瞬く間に二人の距離は数センチ。そして恐らくは頭が真っ白になっているであろうマリサの目を覗き込む。徐々に紅潮してくる頬、でもそれはきっとお互い様。そしてその揺れている青い瞳が、やがて訪れる何かを受け入れるためにそっと閉じられた。だから俺はそれに答えるべく、その端正な顔には似合わない、捏造セリフ製造マシーンと化している小さな唇を封じるためにそっと顔を寄せて……


「そういうのは二人きりでやってくれへんか〜?」


もうベストタイミングだよ桃っちお兄ちゃん大喜び!


いつのまにか背後に迫っていた関西娘の呪文により誕生した石像は二つ。その石像が(カタド)るあまりに”放課後の教室でむふふ”的なポーズを目の当たりにして固まっているのは奇跡に等しい確率で朝練に来たシロクマのヒロシ、野球部新入りのシキ、そして朝のミーティングへ参加するヨードーちゃん。


6時だよ。全員集合。


空気を微塵(ミジン)も読めない桃っちは二体の石像に向かって

「なんや最初見たときからこの二人なんかあるんちゃうやろか? って思てたけどやっぱりデキとったんやな。うんうん」

とか

「ミィミィにも聞いてたけど、なんや秘蔵のエ○本にはマリィがインスパイアされとるらしいなこの絵呂宮(エロノミヤ)

とかもう石化どころか即死魔法をギャラリーの存在を無視して唱えまくり、最後は

「ほれ宇都宮(ウツノミヤ)。マリィの肩離すか”ムチュー”ってやるかして早う朝練いけよ」

”ほなね〜”とポンポンと俺の肩を叩いてから桃っちはスーパーロングポニーを揺らしながら坂を上り始めた。間違いなくあの桃太郎も破壊神ですね、最強レベルの。しかしすごいねマリリン。石化したまま顔が発火するなんてコテコテ過ぎてむしろ誰も修得してない顔芸だよ。たぶん今の俺もそうだろうね。ほらクマ。シロクマ。これ見せ物じゃないんだからいい加減

”キョウの裏切り者〜! 春は一緒に迎えるって言ったじゃね〜か〜!”

ってお約束のセリフを吐きながら涙と共に体育館に走って……

「いつまでも待たせてんじゃないわよバカ!」

一喝されたと思いきやマリサは俺の手を払いのけた。そしてちょっと涙目になってるその瞳でにらみながら、両腕を首に回して来て唇を塞がれた。猫かぶりもギャラリーも、今まで築き上げてきた”八雲様”のイメージもお構い無しの蛮行。強行突破。もう即死。だから俺は言えなかったんだよ。だいたい初めて()った時からお前



”俺が好きなの知ってただろバーカ”


第2章:「幼馴染は破壊神」:完

-エピローグへ-

 

お疲れ様でした! ノーマルルート完結です。いかがだったでしょうか?


で、まさかのマリサエンドでしたね(爆)

次のエピローグでは二人のその後を少し描きます。

ラブラブになるのかプラトニックになるのか

それともいつも通りなのか

お楽しみに^^


あ、最後に。今後のルート作成用のアンケートを

ここでもう一度お知らせさせて頂きます。こちら

http://www.smaster.jp/Sheet.aspx?SheetID=15968

ご協力御願いします〜



評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
このランキングタグは表示できません。
ランキングタグに使用できない文字列が含まれるため、非表示にしています。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ