ルート2の2:あの真相
「つまりそれが御霊換えの術なわけです」
八雲邸、応接室。フカフカの赤い絨毯の上に乗せられた大きな大理石のテーブル。それを挟んでいるのは俺とミィちゃん、そしてまた目が髪の毛のように細くなってる美月ちゃんのパパだ。今しがた説明し終えた内容は俺とミィちゃんが入れ替わっていた本当の原因について。
「あ〜そういうことだったのね」
呟きながら、プリンのように柔らかなソファーに背中をズブズブと埋めて俺は高い天井を仰いだ。教会を思わせるようなルネッサンスの天井画が彩っていて、その中央からは金色の豪華なシャンデリアが下ってキラキラと輝いている。視線を前に戻すとパパは取り出した扇子で頭を叩きながら
「すみませんね、うちの馬鹿な弟が余計なことしまして。あれでもなかなか可愛いところが」
「あるわけないですよ!」
と言い切ったのはティーポットとティーカップの乗ったトレイを持っているマリサ。パパはそれに”いやいやこれは手厳しい”とニコニコ。
「お嬢様そのようなことは私共に任せて」
とか恐縮してるのはツインテールの後ろでクッキーやマフィンなどの軽食が乗ったトレイを持っているメイドさん3人だ。コスじゃなくて本物を初めて見たよキョウタロウ君。
「気になさらないで。これは私の好意でさせて頂いてるものですから」
マリリンはメイドさん達に100万ドルの笑顔でニッコリ。そして彼女達はテーブルの上に手際よく紅茶セットを飾りつけていく。チラっと見てみたけどなかなか可愛らしいよメイドさん。特にマリリンの後ろにいる子なんてヨードーちゃんクラス。流れるような金髪にマリサよりも青い瞳の女の子。北欧系の外人さんかな? マジマジとその横顔を見ている俺に気付いてニコっとして
「キョウタロウ様ですね。お話はお嬢様から良く伺ってます。私はシンシアと申します」
ペコリ。ちょっと訛りはあるけどほぼ完璧な日本語だ。
「初めましてシンシアさん。仰ると通り私は後宮京太郎です」
俺の挨拶にエーデルワイスのような笑顔で微笑んでるシンシアちゃん。あ〜うちにもこんなお手伝いさん一人欲しいなぁ。
「将来当家のご主人様になられるそうで」
「マリサ後で話があるから」
ティータイムの間にこれまでパパから聞かせれた内容について申し上げておこう。まずさっき出会ったシャブ中っぽい神主。名は碓井貞光で美月ちゃんパパの実の弟だ。けれどもこの名前は俺達についてるような”後宮京太郎”とはちょっと違って、代々に渡って神社の神主から神主へ受け継いでいく名前だそうだ。そういう意味の名前で美月ちゃんパパの名前は元、源頼光。現在は”園田きゅうり”というらしい。何てベジタブルな改名なんだよパパ。で、パパがある理由によって神社を抜けた後、家業を継いだあのシャブ中神主様が頼光を襲名したそうだ。キャラ紹介はここまでにしておいて今度は”御霊換えの術”について。あれは以前に美月ちゃんママパパが説明してくれた”生霊交換”の別名らしい。
美月ちゃんパパは手にしたティーカップを色々な角度で眺めながら
「まぁ弟もなかなかに筋は良いとは言え、訓練もしていないキョウタロウ君とミヤコさんを入れ替えるなんて、相当無理をしたと思いますよ」
”良い仕事してますね〜このカップ”なんてマリリンにニコっとしてパパ。そして俺とミィちゃんの方について
「なかなか入念な準備が必要なのですが、それ以前に妙なことが起きたりしませんでしたか?」
”妙なこと?”二人一緒に尋ねるとパパは”ん〜”とアゴを摩りながら
「例えば前兆現象として良くあるのは”脳内のセリフ”と”現実のセリフ”が入れ替わったりとか……」
「「「あると思います!!」」」
俺とミィちゃん同時発言。あとの一人? それは君じゃないか。しかしあれってキョウタロウ君のお家芸だと思ってたんだけどあのシャブ中神主様のせいだったのね。何であんなことしたんだろ。隣のミィちゃん目をウルウルさせて
「わ、私なんでそのせいで高校何回も転校しまくって武装高校に漂着した上にパパはどっか行っちゃったし! マイガーッド」
ヘヴィだねミィちゃん。
「よしよしよしミヤコ。お前には姉さんついてるからな〜」
とミィちゃんの隣で頬擦りしてキュンキュン来てるのはさっきシャブ中に”化け物”とか言われて普通は
”そうだ。私は鬼の子だ人間じゃない”
とかいうプチ自虐的な過去トークを暴露しつつ涙と共に失踪していくのがお約束の展開であるはずのミユキ先輩。妹は”お姉様〜お慕いしておりますフォエヴァー”とかやや際どく甘えながらしっかりとミユキ先輩の胸に顔を埋めていらっしゃる。そのブラウンの髪を優しく撫でながら
「しかし全く失礼だな! 久しぶりに再開したと思えば鬼の子とかデリカシーがないにも程がある!」
プンプンしているお姉様。ちょっと可愛いな。
「まぁまぁミユキ。あれは弟の照れ隠しみたいなもんなんだから」
「「「「ねーよ!」」」」
俺と3人美少女のマッハカウンター食らってビクっとしつつも
「い、いやいやいや。そうは言っても美雪がまだ赤ん坊だった頃はね
”この鬼子め! お前みたいな鬼の子は僕がオシメをかえてやるわ!”
とか
”未だ鬼に有らずの娘なら僕がミルクを飲ませてやるわ!”
とかちょっと大きくなっても
”フフフ鬼の子には血がお似合いだイチゴのカキ氷を食べるがいい! ミユキちゃんあーんして”
とか何とか言いながら私からしょっちゅうミユキを取り上げて」
「「「ウソー!?」」」
再びマッハカウンター。でもユキたんだけ否定せず俯いたまま赤面。パパはニコニコとしたまま
「本当です本当。すごく本当。新ジャンル”悪デレ”ですね」
「そんな属性って全くニーズないと思いますよ」
”しかも男だしさ”とガチでツッコミ入れてる俺にポリポリと烏帽子の上から頭を掻いているパパ。
「それにさっきのだって」
ミユキ先輩の方を向いて
「お前だって分かってたから、速度が命の抜刀にも関わらず、わざわざユルリと抜いたんじゃないのか?」
言われてお姉様。顔をあげたけどまだちょっと頬が赤い。
「まぁ殺気はなかったしな。しかし私の大事な仲間を”死んでいた”とか、いきなり説明もなしに”鬼の子”とか言われたりしたら……腹が立つじゃないか」
またプンプンしてる。あのクールなミユキ先輩のこんな表情見たのも初めてだ。しかしもうこの雰囲気なら大丈夫そうだな。気になっていたことを洗いざらい聞いてしまおうか。俺はパパの方に体ごと向けて
(鬼の子とか未有鬼とか鬼殺しとかいったい何なんですかね?)
「ユキたんって本当はツンデレなんですか?」
ほらな。やっぱりこれお家芸だったろ? 分かってたんだって俺もさ。キャラ設定的にも術一つであの地獄から解放されるとかそんな都合の良い話ないんだって。確かに抜刀は速度が生命線だよね、うん。涙目で月下美人の柄に手掛けてるとかさ、もう神速の構えだよユキたん。御願いパパ。その引きつった笑みなんかやめてキョウタロウ君を救うためのフォロー入れてよね。ほらママ。そこのママ。この話始まってから一度も話題に参加せずにずーっと豪華な調度品に”ウフフフ”とか目を奪われてるママ。君の出番だ。そこで
「お前、今何て言った?」
とか言いつつも涙目になってるこの子を何とかして欲しい。あんたの娘だろ。
「このキャンドルスタンドはバカラじゃない!? それも1750年代ならルイ15世所有!?」
とか一人フランスに行ってないで俺を助けるといいよ。無理か。こうなっては最後のギャンブルだ。俺はミユキ先輩の腰に腕を回してる可愛い妹にアイコンタクト。
”ミィちゃん! どうか君のフラグクラッシュパワーでこの場をブチ壊して欲しい!”
双刃の剣だがその威力は折り紙付きだ。キョウタロウ君バッドエンド3秒前というこれ以上悪化することはない今この状況ならこの賭けにデメリットはないはずだ! ミィちゃんは俺の必死のアイコンタクトにコクンとして
「3冊目は黒髪スーパーロングでしたね兄さん」
見事にキョウタロウ君の生存フラグをブチ壊してくれたねミィちゃんもう完璧! 今回なんの関係もないマリリンのゲージがあっという間にMAXだよお兄ちゃん大喜び!
三途の川泳いでヘルプ叫んでたら救助隊に血の池地獄に蹴落とされましたよしかも3冊目とかキョウタロ君知らないし何を仰っとるのですかこの妹は!?
「ミヤコ。なんだその3冊目って?」
おお! お姉様の気がそれたぞ! 絶好のチャンス到来! ミィちゃんここはお兄ちゃんのアイコンタクト通りに発言ヨロシク! ウィンク!
”尊敬するミユキ先輩を称えたポスターの事みたいですよマストビー”
ミィちゃんは”ラジャー!”とウィンク! よ〜し頼んだぞ最愛の妹! ミィちゃんはニコっとお姉様の方を向いて
「尊敬するミユキ先輩を称えたポスターの事みたいですよマストビー」
エクセレント! 一字一句違えずパーフェクトな出来だ!
「全裸の」
「加筆せんでええよ!?」
ツインテールが立ち上がって俺の後襟をガシ
「キョウタロウさんちょっと拳で語るお話がありましてよ」
「マリリン女の子らしくお口で語るお話にしないかな?」
涙目のモナリザになってる俺を扉の方までズリズリズリ……バタム
ドガ! ガス! ベキ! ドグシャ! ビシ! ドゴ! バキ! ドゴ! ガス!
「キャー! キョウタロウさんとお月見しつつ外で涼みながら挙式場所の相談をしていましたら突然現れた16両編成の”こだま”に三回も弾かれてた上にスンニー派の乗ったJAL大阪伊丹空港発22便の下敷きになってしまいましたわ!」
脱線事故とか道路交通法違反とか宗教テロとかいろいろミックスしたことを仰りながら俺を引き摺って再び応接室にインしたマリリン。ボロ雑巾のようになってる俺にユキたんがニッコリ。
「良かったな後宮。受身の練習してて」
「はい園田先輩。500系のぞみにウッカリ撥ねられた事を想定して前方回転受身の練習していて正解でしゴフ」
「でも屋敷内に新幹線走ってるなんてすごいですね姉さん」
ミィちゃん後で”標準軌”について一緒に勉強しようね。
紅茶を頂きながら話を続ける俺達。途中で”鬼殺し”について話してくれたので申し上げておこう。まずは”鬼”について。これには日本で語り継がれている酒飲童子伝説が深く関わっているのだ。パパから聞いた内容は次の通り。平安初期、越後の貧しい刀工の長男として生まれた少年がいた。少年の名前は今となっては分からないらしいが彼は生まれてすぐその日に2本足で立ち上がり、3歳になると大人に交わって話すようになり、5歳の頃には家業を手伝うほど頭も良く、力も強かったらしい。今の世の中なら神童としてもてはやされたかもしれないこの少年だが、当時は”他と違う”ということに対してはその善悪を問わず、差別という形で持って応対する風潮があり、もちろんこの少年も例外ではなく、”物の怪””鬼子”と言った呼び名で恐れられていたそうだ。
「今の科学で言えば”ミオスタチン関連筋肉肥大”と呼ばれる体質なんだけどね」
合間にママが解説。宜しければ”バーバラ・アクロバ”という単語を検索して欲しい。ステキな女の子が出てくるぞ。さて言うまでもないがお話のこの少年、後に酒飲童子と言われる”鬼”であり
「私の御先祖様だ」
サラサラサラと髪を流すお姉様。まぁそういうことである。ここでは童子君としておこうか。天は二物を与えずと言うがこの童子君、頭は良い、力は強い、だけではなく女性が嫉妬するほどの絶世の美少年だった上に、酒にめっぽう強かったらしい。一気に同情する気失せたでしょ? 俺も。でそれでもって16歳くらいになったら年頃の娘さんをどこぞに連れ込んでは取っ換え引っ換えしてたそうだ。一気に殺意芽生えたでしょ? 俺も。でまぁそんなイケメン童子君はあまりに”下”が緩いということで両親からお叱りを受けて、村で一番厳しいと評判のお寺に預けられたそうだ。ざまーみろ。ところがお寺に預けられても酒癖、女癖の悪さは直らず、ついにお寺の和尚さんはプッツン来て童子君をリリースしたそうだ。親からもお寺からも村からも見離されてる童子君はやむなく大江山に移り住んで、細々と一人で鍛冶をして生計を立てていたらしい。そうして3年目が過ぎて童子君20歳のある日のこと。人の恨みは買うものじゃないな、今まで手をつけた娘さんの親の中に外法がつかえる山伏さんがいて
”俺の娘をよくも傷物にしてくれたな!”
と童子君に”呪い”をかけたそうだ。
「今で言うと精神に作用がある毒物か何かかも知れないけど……まぁ後で話すわ」
疑問を呈しながらママの解説。そしてその日以来、性格自体はあまり悪くなかった童子君が急変し、たちまち村を襲う盗賊へと成り代わったそうだ。もともと頭も力もあったのでその被害は甚大。いつの時代にもいるゴロツキさんなんかは逆に”うぉお! カッコイイよ兄さん!”と魅せられて童子君窃盗団に加盟してどんどん悪事を働いたそうだ。そして瞬く間に悪名が全国に轟いて
「私の御先祖様と仲良しさん4人が、童子様を退治しに行った訳です」
とパパ。作戦はシンプル。
”お酒に酔わせてバッサリやってきます”
と”お上”に伝えたパパのご先祖こと源頼光と仲良し4人の部下。後に頼光四天王と言われるえらい人だ。そうして大江山の童子君の元に酒を手にして訪れ
”こんにちわ童子さん。一緒にお酒飲んでテンションあげませんか?”
と酒宴を一席設けたそうだ。頭が良い童子君ならあっさりと見破れたはずなのに、酒の誘惑には勝てなかったようで”どうぞどうぞ”と招き入れてワッホイワッホイと飲んだらしい。睡眠薬入りとも知らずに。そして童子君達がグーグーと寝静まって”さぁ月に代わってオシオキよ”という段になって、頼光さん。あまりに童子君が若いことに気が引けたそうだ。おまけにお酒を飲んでるときに意気投合したのかどうか知らないが、どうしても命を奪えなかったらしい。その時に仲良し4人組の一人に渡辺さんという薬活のプロがいて、彼が童子君を観察しているうちに
”彼、昔に何か一服盛られてますよ”
と見抜いたそうだ。そこでママはメガネのフレームをクイとあげて
「さっき言いかけたのはここなのよ。何年も前に飲まされた薬を観察で見抜くなんて、私には不可能だと思うの」
確かにそう思う。頷いたのは俺の他にもミィちゃん、マリリン。”だからね”とママは続けて。ここから少しそのままお伝えしようか。
「山伏は毒を盛ったんじゃなくて、ロボトミー手術みたいに精神外科的な何かを施したんじゃないかなって思うの。四天王の一人が気付いたのはその傷跡じゃないかしらって」
「「「ロボトミー手術?」」」
俺、ミィちゃん、マリサの声。それに
「別名は前部前頭葉切截術。早い話が脳の前頭葉を外科的に切除して人格を変える治療法よ。1930年にポルトガルの医師であるエガス・モニスが考案したの。当時は精神疾患の画期的治療法として後にノーベル医学賞まで受賞した手術方式よ」
”へ〜”と明日あたりに使えそうな豆知識に頷いていると”けれども”と区切って
「第2次大戦後にクランケになった統合失調患者が、その手術で大勢死んでるの」
ティーカップの紅茶にお上品に口をつけながらママ。続けて
「それに、手術に成功した患者も人間性を奪われたゾンビみたいな人間ばかりで、結局は医療分野から早々に姿を消したわ」
全然ダメじゃないか。
「ヒドイ話ですね」
ミィちゃんの相槌。”因果応報というのか分からないけど”ママはティーカップを置いて
「モニスは確か……65歳くらい頃だったかしら。自分が担当していた患者から銃撃を受けて脊椎を損傷したの。そして下半身不随になってその16年後に永眠したわ」
腕組みしてから
「あ、ごめんなさいアナタ。話の腰を折ってしまって」
と謝ってるママにパパはニコニコとして
「いえいえどうぞどうぞ」
夫婦仲は宜しいようで。
「また余談になるけど、今でもロボトミーの犠牲になった遺族や親類の人たちによるモニスのノーベル賞取り下げを訴える声は多いのよ。犠牲っていうのは手術中亡くなったっていうだけじゃなくて人間性を失ったという意味でもね」
どうでもいいけどユキたんがさっきから壁にかかってる西洋の剣を横目でチラチラ見まくってます。
「そういえば温厚な人が何かの事故で頭をぶつけて、その日を境に性格が凶暴になるとか、そういう話はドラマとかゴシップ記事なんかで何度か見たことありますけど。そういうのとは関係ありますか?」
とマリリン。ママは
「そうね。それで脳に何かの異常をきたして性格を変えてしまうっていうことは、十分に考えられると先生は思うわ」
ニッコリ。そして溜息を吐きつつ
「医学の発達した現代になって、徐々にではあるけどそういうケースで脳に原因があるって診断されるようにもなって来たわ。でも科学が未発達だった時代では、宗教や思想によって”悪魔がついた””キツネがついた”とか、そんな理不尽な理由で殺された人も大勢いたでしょうね」
最後に
”童子が山伏にされたのは、そういう脳に影響及ぼすような事じゃないかなって思うの”
そう付け加えてから
「美雪」
いつの間にかソファーを離れて壁に掛かっているサーベルに”ハァハァ”と手を伸ばそうとしていたユキたんがビクっと振り返って
「な、なに母さん?」
それに
「前髪をあげて見せてあげて」
するとユキたん、ちょっとハニかみながらもパッツン前髪を手でゆっくりとあげた。真っ白な額のそこには
「「「あ」」」
薄っすらとした×型の傷が入っていた。なるほどユキたんもロボトミったのですね納得。だからあんな時代錯誤的な発言をしたり常時真剣を携帯したり俺を死地に追いやったりとカラフルな思考にな
「たまにだが、私の家系では生まれついてこの傷跡が出てくることがあるんだ」
違いました。”ピピピピ”っと無機質な音が鳴って
「おっと失礼」
パパが袖の中から抹茶色のシブイ携帯を取り出してパチンとオープン。それをシゲシゲと読んでからニコっと笑って俺達にこう言って見せた。
「弟からです」
---------------------
送信者:うんこ星人@弟
件名:留守番連絡
本文:
兄さんへ。アナコンダと訳の分からない丸っこい少年から逃れつつも園田神社に着きました。お邪魔します。ところがどっこい未有鬼ちゃんも兄さんも利恵姉さんもいないじゃないですか。聞けば外泊されるそうですね。美鬼の誡めが解け、いつ美月ちゃんや美花ちゃんが襲われるかも知れないというのに、どういう思考回路したらそういうクソみたいなことが出来るんですか。桃花の到着が遅れるようなので、今晩は僕がここで一泊させてもらいます。ひとまず安心してください。それから、それから〜イチゴのカキ氷は冷凍庫に入れておきます。後で未有鬼ちゃんにあげて下さい。鬼子には赤がお似合いです。でも僕が買ったことは黙ってて下さい。最後に、兄さん自身もくれぐれも油断しないように。今度間抜けな対応したら本当に死んでもらいますから。以上
追伸:
美花ちゃんの迎撃システムで死に掛けました。あの東方みたいな弾幕何とかして下さい(吐血)。それから美月ちゃんにクッキーの作り方教えたのは未有鬼ちゃんだよね絶対。久しぶりに三途の川を観光して来ました。またオーブンから何か香ばしい匂いが……来ました二皿目。あははははは(狂) 生きて朝日を迎えられたらまた連絡しm
---------------------
「15年前はもう少し素直だったのにね、貞光君は」
ニコニコしてる美月ちゃんママ。うんこ星人には突っ込まないのね。俺が聞いてみたら
「メールとか会話に”クソみたいな”って言葉が多くなったからですよハハハ」
とパパ。
話を戻そう。ともかく童子君を殺せなかった頼光さん達。渡辺さんが何かの治療をして童子君の”毒”を”解いた”らしいのだ。源神社の秘伝書には逆に”誡めを施した”と記されているらしい。そして目覚めた童子君は四天王に連れられてどこかに隠居し、源さんは酒宴で食べた肉やら魚から骨を取って夏休みの工作のような”鬼の首(焼いた後)”を作って”お上”に献上したというのだ。
「ホンマですかいそれ?」
とんでも話に突っ込む俺。向こうでミユキ先輩がマリリンにレイピアの握り方を教えてもらっている。ミィちゃんとかは部屋の隅にいるドーベルマンにジャレられてるんじゃなくてジャレている。ていうかお前ら最後まで話を聞いてやれよ。パパちょっと涙目だぞ。それから嫁。あんたも壁絵の鑑賞してないで夫の話を最後まで聞いてやれ。
「100%とは言い切れませんが、なかなか信憑性の高い古文書に書いてあるんですよ」
ほ〜。
「それじゃぁ、博物館クラスの逸品じゃないですかねその古文書」
「京太郎君が前に破いたヤツです」
マジでしばいたほうが良いかもしれないぞこの”きゅうり”。俺は溜息を吐きながら、三杯目の紅茶をティーカップに注いだ。長くなったので続きは次話でね。そうそう。今回は”あとがき”に”異次元ショートコント”っていうステキかっこハテナなオマケがあるよ。
-メガネっこ姉弟の異次元ショートコント-
鼻血「どもー演劇部部長でーす」
空気「どもー野球部新入部員です」
三頭身のア○先輩とシ○君登場。パチパチパチー
鼻血「いやーすごいフラグクラッシュですね」
空気「そうですねーどう見てもラスボスフラグ立ってましたよね」
鼻血「読者様からも”ヘドがでる”とか言われて悪の大王気質プンプンしてたじゃないですか」
空気「作者的には掴みOKって感じなんですけどね。ところで最近ヤバイくないですか姉さん?」
鼻血「どうしてお姉ちゃんもうすっごい元気よ? ”た○しの挑戦状”以外ならどんなクソゲーでも1日全クリできるくらい元気よ?」
空気「いやだってあなた”オープンエミーロ”で出てきた新キャラってショートヘアでメガネっこですよ」
鼻血の頭にグザっと良い角度で矢が刺さる。
空気「被りまくってますよね。見た目とか外見とかメガネとか」
鼻血の頭にさらに矢がグザザっと刺さる。
空気「しかも筆談系にロリにキャンディに異次元ポケット装備。どう考えてもあっちの方がハイスペック」
飛来したセガ○ターンが鼻血の頭に命中する。
空気「もうヨー○ーちゃん捕まえてハァハァしながらネピア使うだけじゃ役もらえないんじゃないですかプ」
鼻血が地雷を踏んだかの如く黒焦げになる。
鼻血「分かってるわよ崖っぷちにいること! でも何もそこまでストレートに言わなくても良いじゃない!」
滝涙流して号泣の鼻血。”ネピア入りま〜す”とティッシュを置いて去っていく3等身の妹ミ○コ
空気「まぁ僕とかも人のこと言えないですけど。でも今回は野球少年って設定もらって大活躍しましたし序盤」
床の涙をフキフキしながら空気。腕組みの鼻血
鼻血「アタシも何かもらえないかしらね? TIPS1の”抜刀娘の独り言”みたいに”演劇娘の憂鬱”とかゲリラ執筆ないかな?」
空気「あるわけないじゃないですか。脳みそ発酵してませんか姉さん」
遺影になってる鼻血に線香あげてる空気。
鼻血「いや勝手に他界とかさせないでヨー○ーちゃんの巫女衣装見るまでお姉ちゃん死ねないから」
遺影から出てくる鼻血。
空気「だけどカップリング投票でヨー○ーちゃんに負けたっていう事実どう受け止めてます姉さん」
鼻血の頭にテポ○ン命中。
空気「項目に”脱衣バ○”とか”大○君”とか入れたら負ける勢いですよ。もう非常事態じゃないですか」
鼻血が粉々になって崩れる。ホウキでサッサッサと掃き集めていく妹。ターミ○ータ2のごとく鼻血復活。
鼻血「ううう。前話のユキ○んの怪物設定でファンを散らしてアタシのとこに回収しようとしてたのに!」
また号泣。空気がネピア2箱目オープン。
空気「鬼畜なこと言ってますけど涙ぐましいので許します。でもそんな簡単に人気落ちないと思いますよユ○たん」
鼻血「紅零様にキャラ絵描いて貰った日の”鬼の爪”が4000PVだもんね。ユニアクでも1300超えだったし」
リンクをペタっと貼る空気。
http://crossxhearts.web.fc2.com/menu2.html
鼻血「アタシもイラスト描いて貰ったら人気でるかな? 一応巨乳だし」
空気「いや無理でしょ。ていうか描いてもらえないと思いますよ普通に」
テルテルボーズのようにプランとクビ吊ってる鼻血。”わーい”と背中を押して揺らしてる妹
空気「順番的にも次はツインでその次がポニー、妹、妹少年ってなると思いますよ」
鼻血「次がアタシかしら?」
吊ったままクリンクリン回ってる鼻血。
空気「いやたぶんクマとかですね。リクももらったし」
鼻血の足にブラ下ってる妹。痙攣してる鼻血。
空気「え〜っとそういうわけで。今回も御覧頂きまして有難うございます。無一文に代わってお礼申し上げます」
鼻血「今後もたまにこの4次元的なコントをやらせて頂きますので、また異次元でお会いしましょう」
ペコっと鼻血と空気。退場していく姉妹。
鼻血「あ、ここに呼んでコント見たいキャラがいましたらメッセとか感想とか評価とか評価で教えてくださいね」
扉から手を出してヒラヒラしてる鼻血
END