<5>女の子の一日後編
皆さんこんにちは。蒼羽優奈です。
前編では家での様子を紹介しました。後編では学校での一日と放課後の様子を紹介したいと思います。
――では、どうぞ。
今は登校中です。隣にはもちろんあき君も一緒です。
あき君は太陽がまぶしいようで少し下を向いて歩いています。
「夏は暑いしまぶしくて嫌いだ」
「確かに夏は暑いけど、そのぶん海やプールで遊べるよ」
「俺は泳げないから浮き輪で浮いているだけだよ」
「あき君が溺れたら人口呼吸して助けるよ」ボソッ
「なんか言った?」
「うんん、何でもないよ」
あき君と楽しく歩いているうちに学校に着きました。
私とあき君は同じクラスです。私とあき君が離れるなんて有り得ませんけどね。ふふふ。
教室に入るといつも通りクラスの男子が「今日もラブラブ登校だな」と言ってきます。
何を言っているんでしょうね。ラブラブ登校なんてものではありませんよ。イチャイチャラブラブ登校ですよ。
あき君もきっとそう思っているはすです。
(何がラブラブ登校だよ。普通だろ。寝よ)
「あき君寝るの?」
「うん。先生が来たら起こして」
「いいよ起こしてあげる。お休みなさい」
「zzz」
「やっぱりあき君の寝顔は可愛いな」
あき君が寝ているあいだに私は朝撮ったあき君の寝顔の写真を整理します。
寝顔の写真は寝顔フォルダーに入れて大事に保管しています。寝顔フォルダー以外にもたくさんのフォルダーがあります。
「そろそろ席に付けー。HR始めるぞ」
先生が来ちゃった。あき君を起こさないと。
「あき君起きて、先生来たよ」
「ふぁ~、分かった。ありがとう」
「どういたしまして」
HRが終わって1限目が始まった。あき君は起きてはいるけどボーとしています。
寝ている人もいるのにあき君はちゃんと起きていてえらいです。
私は後であき君にノートを見せるために見やすいノートを書いています。え、ちゃんとノートを書くように言わないのかって?
あき君にはあき君のペースがあるので別に今ノートを書かないといけないことはありませんよ。
それに分からない所があったら私が教えてあげればいいのです。
キーンコーンカーンコーン――
1限目が終わりました。あき君は伸びをしています。
このまま特に何か起きるわけでもなく2限、3限、4限が終わり、お昼です。
「あき君屋上に行こ」
「うん」
屋上に行き、レジャーシートを敷いてお弁当を食べます。
私は自分のとあき君のお弁当を作っています。あき君のお弁当の中身はあき君が好きなものと栄養を考えたものが入っています。
「今日も美味しいな」
「よかったー。あき君のために作っているから美味しくなかったら大変だよ」
「いつも美味しいから大丈夫だよ」
「そう?それならよかった」
朝ご飯のようにお弁当にも隠し味と愛情がいっぱい入れています。
お弁当を食べた後はお昼寝の時間です。もちろん寝るのはあき君ですよ。
「ふぁ~。眠たい」
「はい。あき君どうぞ」
「お休みー」
「お休みなさい」
あき君は私の膝枕で寝ます。私はあき君の頭を撫でています。
この時間はとても静かです。屋上には私とあき君しかいません。まるで世界に二人しかいないようです。
「zzz
「ふふ。あき君がヨダレ垂らしてる可愛いな」
――ペロッ。
「ん~。あき君の味だ~。美味しい~エヘヘ」
チャイムがなる5分前にあき君を起こします。
「あき君起きてー」
「う~ん」
「授業に遅刻しちゃうよー」
(私はあき君といれるならサボっちゃってもいいよ)
「起きるよ~」
「えらいね」
私達は教室に戻って午後の授業を受けます。あき君はがんばって起きています。
午後の授業もHRも終わって家に帰ります。帰り道も何もなく家に着きました。
「カバン置いて着替えたらお家に行くね」
「うん。じゃあ鍵は開けとくよ」
私はさっと着替えてあき君の家に行きます。
「おじゃまします」
「ただいま」ボソッ
家に入りリビングに行きます。あき君はいませんでした。
部屋に行くとあき君がいました。どうやら漫画を読んでいたようです。
「あき君なに読んでるの?」
「この漫画を読んでる」
「あき君が好きな漫画だね。たしか明日新刊でるよね」
「うん。そうなんだけど買わない」
「え、どうして?」
「お金がない」
「こないだお小遣いもらったんじゃないの」
「そうなんだけど。今度でるゲームが欲しくて」
「よくテレビでしているあのゲーム?」
「そう」
「漫画も欲しいけどゲームも欲しいんだね」
「うん」
(私が買ってあげたら喜ぶかな)
こんな感じで学校では過ごしています。
――ではさようなら。