<5>女の子の一日前編
皆さんこんにちは。私の名前は蒼羽優奈です。そしてあき君の彼女になって将来はお嫁さんになる予定の女の子です。
突然ですが今日は私の一日を紹介します。
――では、どうぞ。
私は毎朝五時に起きます。そして制服に着替えて、顔を洗って歯磨きをして、最後に髪をセットします。
ここまでを三十分で終わらせます。次はお待ちかねのあき君の家に行きます。あき君の家は隣で両親とも仲が良いです。
あき君のご両親は朝早くからお仕事に行かれるのでピンポンを押しても誰も出てきません。
ではどうやって家に入るのかって言うともちろん合鍵です。合鍵で家に入り、リビングに学校のカバンを置いてあき君の部屋に行きます。
あき君の部屋に入っても起こすわけではありません。起こすのは朝食を作ってからです。
では何をするのかと言うとまずあき君の可愛い寝顔を楽しみます。それからスマホを使い無音カメラで可愛い寝顔を何枚か取ります。
「今日も可愛いなあき君は」
あとは頬にキスをしてキッチンに行きます。隠し味をたっぷり入れて愛情をこめながら朝食を作ります。
朝食ができたら今度はあき君を起こしに部屋に行きます。部屋に入り頬にキスをしてから起こします。
ちなみにさっきと今の頬のキスの意味は違います。さっきは「また来るからゆっくり寝てていいよ」って意味で今のは「おはよう」って意味です。
「あき君朝だよ起きてー」
「う~ん眠い」
ムニュ~。
「も~あき君は甘えん坊さんだな~」
実はあき君って私の胸が好きなんですよ。うれしいですね。
朝はいつも私の胸に顔をギュウーってするんですよ。すごく可愛いです。
あき君にならいつでも顔をギュウーってさせてあげるし、年頃のあき君なら触りたくもなるはずだからいつでも触らせてあげたいです。
あき君以外がしたら顔でも手でも切り落とすかも。他の女にあき君がしていたらその女のを切り落とさなくてはいけません。
あき君には何もしないのかって?。あき君は別に何も悪くありません。あき君を誘惑する女が悪いんです。
「あき君ギュウーは後でしてあげるからご飯食べよ」
「うーん」
毎日朝にギュウーってしくれてうれしい。
「「いただきます」」
「どうあき君美味しい?」
「美味しいよ」
「良かった。あき君のために作ってるから美味しくなかったら遠慮なく言ってくれていいよ。全部捨てて新しく作るから」
あき君にまずいご飯は食べさせません。美味しくなかったら何回でも作ります。
「優奈のご飯はいつも美味しいよ」
「きっと良いお嫁さんになれるよ」
――キュンッ!
あき君によくキュンってなるけど、たまにいつもと違うキュンっていうのがあります。
それは「良いお嫁さんなれるよ」と言われたときです。
これを言われたときはプロポーズを言われるときと同じ気持ちかと思います。
それに良いお嫁さんになれるようにがんばっているのはあき君のためだよって言いたくなります。
「優奈どうしたの顔赤いけど。大丈夫?」
「だ、だいじょうだよ」
「それならいいけど」
「心配してくれてありがとう」
「別にいいよ」
あき君はきっと誰よりも優しい人間です。そんなあき君が私は大好きです。
朝食を食べ終わるとあき君は部屋に行って制服に着替えます。私は部屋の外で待っています。
着替えを見られるのは恥ずかしいようです。別に将来は一緒に住むんだから恥ずかしがらなくていいのに。私はあき君に見られても見せてもいいのに。
他の男に見られたら目をくりぬくかも。私の身も心もあき君のものだから。
「終わったよ」
「はーい」
制服に着替えたあき君が洗面所に行っている間に私は部屋に入り寝巻きの匂いを嗅いだあとたたみます。たまに布団に潜ったりしています。
それから学校のカバンに必要な教科書やノートを入れてリビングに持っていきます。
どうしてここまであき君にしてあげるのかって?
それはですねあき君ってすごく無気力なんですよ。もしかしたら面倒くさがりやかも知れませんが。どっちでもかまいせん。
ただあき君のお世話が私の生き甲斐なんですよ。
昔あき君はいじめられていました。それが原因で今のようになったのかも知れませんがあき君がいじめられたの私が原因でもあるんです。
この話またいつか話します。
「優奈まだ時間ある?」
「三十分あるよ」
「ゆっくりできるか」
「あき君しなくていいの?」
「何を?」
「私の胸に顔をギュウーって」
「しないよ!」
あき君って寝起きしかギュウーってしないんですよ。残念です。
でもギュウーってしなくて一緒に朝ゆっくりできるので良いです。
たまに朝起こすつもりが添い寝しちゃうときもあります。そのときあき君が偶然胸を触るんときもあります。
そろそろ時間なので学校に行ってきます。
「あき君そろそろ学校に行こ」
「はぁー行きたくないな」
私は学校でもあき君のお世話をします。
――では、さようなら。