<4>休日の日常 水族館編
優奈のおかげで風邪はすっかりよくなった。
昨日も言ったが優奈に何かお礼をしたい。でも何をしたら喜ぶか分からない。
何をしようかと考えながリビングに行くと、テーブルに手紙が置いてあった。母さんからの手紙だ。
手紙には昨日優奈に一日中看病してもらったんだからお礼をしないさいと書いてあった。手紙と一緒に水族館のチケットも置いてあった。
二人で水族館にでも行ってこいと言うことだろ。これでお礼にすることは決まった。あとは優奈を誘うだけだ。
優奈は朝家に帰ったから電話で今日用事がないか聞くことにした。
「もしもし。どうしたのあき君」
「今日って何か用事ある?」
「今日は用事とかはないけどどうしたの?」
「今日一緒に水族館に行かない?」
「あき君と二人で水族館?」
「うん」
「行く、絶対に行く!」
「分かった。後で向かいに行くよ」
「うん。待ってるね」
電話を切ったあと俺は出掛ける準備をした。
優奈すごく喜んでいたけど、魚とか好きなのかな。
準備もできて、外に出ると優奈がいた。向かいに行くはずが優奈の方から向かいに来た。
「向かいに行くはずが何でいるの?」
「楽しみ過ぎて待てなかった」
「そうなんだ。そんなに楽しみにしてくれるなら誘って良かったよ」
俺たちは自転車で駅に向かいに、電車で水族館まで行った。電車に乗っている間も優奈は楽しそうだった。そんなに水族館好きなのかな。
水族館の入り口でチケットを見せて中に入った。
魚達が泳いでいる水のトンネルを通って行った。その先には大きな水槽の中で小さい魚や大きい魚、サメなどがたくさんいた。可愛い魚や面白い顔の魚もいた。
「いろいろな魚がいるな」
「うん。いっぱいいるね」
優奈も夢中で魚達を見たいた。
次にクラゲの水槽を見に行った。クラゲにも小さいのや大きいのがいた。
クラゲはプカプカ浮いているだけでいいから羨ましい。俺もクラゲみたいにのんびり過ごしたいよ。
他にもいろいろな海の生き物を見ていると人も多くなってきた。休日だから人が多いのはしかたない。
優奈とはぐれないようにしなとと思っていたら、優奈がいなかった。回りを見て探すと少し遠くにいた。優奈の方に近づいて手を掴んた。
「大丈夫か?」
「うん。人が多くなってきたね」
「うん。はぐれないようにしないとな」
「ね、ねえあき君はぐれないようにこのまま手を繋いで歩かない?」
「そうだな。少し恥ずかしいけどはぐれるよりはいいか」
俺達は手を繋いだまま他の魚達を見に行った。周りから見たら恋人にでも間違われそうだ。別に間違われて嫌ってわけではないからいいけど。
お昼になっておなかが空いてきた。そういえば朝も食べてなかった。
「お昼どうする?」
「私あき君のためにお弁当作ってきたよ」
「それじゃお弁当食べれるところ探すか」
マップを見ながらお弁当を食べる場所を探した。マップにお弁当広場というところがあったからそこで食べることにした。
お弁当広場のイスに座りながら優奈が作ってきたお弁当を食べた。
「今日も美味しい」
「それは良かった。あき君のために作ったからね」
お弁当も食べ終わり少しゆっくりしてからイルカショーを見に行った。
イルカショーも人がたくさんいた。俺達は座れるところが探してそこでイルカショーを見た。
イルカとキャッチボールや、イルカが輪っかの中をジャンプしてくぐったりといろいろな芸をしていた。
イルカが大きく動くたびに水が飛んで前の方の人たちはビショビショだった。俺達の方にはギリギリ水が飛ばなかった。イルカショーのあとはペンギンや鯉の餌やりをした。
日も暮れてきたのからそろそろ帰ることにした。駅に向かう途中に観覧車があったから二人で乗った。
「頂上まで来ると遠くまで見えるな」
「本当に遠くまで見えるね。さっきの水族館も見えるよ」
「今日は来て良かったな」
「うん。誘ってくれてありがとうね」
「いいよ別に。日頃のお礼もしたかったし」
「二人の思い出になるね」
「そうだな」
観覧車を降りて駅に向かい帰った。
今日はあき君から水族館デートに誘ってくれて、すごくすごく嬉しかった。それに水族館ではあき君から手を繋いでくれた。
手を繋いだまま歩こうって言ったの私だったけど、きっとあき君もそうしたかったけど恥ずかしくて言えなかっただよね。
恥ずかしいがるあき君も可愛すぎてもっと好きにいや大好きになちゃったよ。
最後は夕陽を見ながら観覧車も乗ったよね。もしあの時にあき君に「付き合って下さい」なんて言われたら絶対「いいよ」って言っちゃうよ。
別に今日見たいな時でもなくてもいつでも付き合っちゃうけどね。告白を超えて「結婚してください」ってプロポーズをされてもいいよって言っちゃうな。
はやくあき君の彼女でもお嫁さんでもいいからなってずっと隣にいたいな。
「あき君はやく私をあなたの物にしてね」