<閑話>後日談
あれから、十年後の話です。
二人の子供たちは……
優良と優輝が生まれてから十年が経ち、二人は十歳の小学四年生になった。
本当に優奈は母乳だけで、二人が離乳食に変わるまで育てきった。流石、俺の妻だ。
子供が大きくなってからも、優奈は母性が溢れるようで、子供二人も俺も甘やかされていた。
優奈は、子供が見ている前でもイチャつき、あーんとか、おはようとお休みのキスをしてくる。そのせいでいつも子供が言う。
「ママとパパ、ラブラブ~」
「仲良し~」
「そうだよ~。ママとパパは、いつまでもラブラブの仲良しだよ。ね、パパ」
「そ、そうだね」
子供達が変な影響を受けなかったらいいけど。
そんな、幸せな日々を暮らしていると、ある日、子供たちから相談を受けた。
「ねーねー、ママ。わたし、好きな男の子できたの~」
「ねーねー、パパ。最近、ぼくのこと好きって言ってくれる女の子がいるの」
「まあ! どんな男の子?」
「マジか。どんな女の子?」
まずは、娘の方からだ。
優良が好きになった男の子は、あまり友達がいないらしく、よく一人でいる子らしい。
前に、優良が困っていたら、助けてくれたらしく、それで好きになったらしい。
ん……ボッチ。一人でいる。優奈の血を強く受け継いでいるな。
「だからね……どうしたら、わたしだけを見てくれると思う?」
「んー、そうだね。まずは、男の子のことを沢山知ることからかな」
「それはちょっとは調べたよ? 家とか、好きな食べ物とかアニメとか、何時に家を出るとか」
ん? 優良? それは、あれかな? 友達に聞いたとかかな。
「そっか、流石ママの娘だ。だったら、次は給食のときにあーんとか」
「それも、しようとしたけど、恥ずかしがっちゃって」
「あー、男の子は恥ずかしがりやさんだからね」
あー、じゃねーよ。何が、男の子は恥ずかしがりやさんだからだよ。
その前に、好きな男の子にあーんしようとしたの優良!? それは、まだ早いんじゃないかな。
女の子はおませさんとか言うけど、ちょっとおませさん過ぎないかな?
「パパ、恋した乙女は、積極的に男の子にアタックするもんなんだよ。私がしたように」
「いや、ママのアタックは闘牛並みじゃん」
「アタックは強くね」
「やかましいわ!」
続いては、息子の優輝の話だ。
最近、優輝は毎日同じ女の子からラブレターを貰っているらしい。
なんとも、青春をしているじゃないかと思っていたら、
『赤石ゆうきくん大好き大好き大好き大好き大好き大好き大好き大好き大好き。愛してる愛してる愛してる愛してる。わたしのかれしになってください』
「…………流石、俺の息子だな」
「どうしたらいいと思う、パパ」
「んー……ま、まあ、仲良くはしておいたらいいんじゃないか」
「一応、仲良くはしてるけど、なんか勘違いされて、クラスの子や他クラスの子までに、ぼくとつきあってるって言ってるんだ」
「おー……がんば!」
「いいじゃない。優輝のこと、大切にしてくれそうじゃん。そのまま、付き合ったらいいじゃない?」
「んー……えー」
優輝のやつ、さては、困っている風に見せて、満更でもないな。
全く、優輝も優良も、俺と優奈によく似たものだ。
いろんな意味で、将来が心配だ。まあ、俺たちみたいに、幸せになってくれたら、何でもいいけどさ。
『おーわーりー!!』
この親にしてこの子あり!!
幼馴染み夫婦はこれからも、家族四人で幸せになります!
最後に一言――俺もこんな人生を送ってみたい……というか、送りたい!!
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では、また会う日まで!!
(´ゝ∀・`)ノシ