<3> 休日の日常
朝起きたら頭が痛かった。それに咳も出ている。完全に風邪をひいてしまった。
せっかくの休日に風邪をひいてしまうなんて最悪だ。
今日は一日中ごろごろしようと思っていたのにこの有り様だ。ベットでごろごろできてはいるが、苦しみながらごろごろしても何も楽しくない。
俺はとても運が悪い男かも知れない。平日だったら学校を休めてラッキーとなるが、休日では何の意味もない。
それに親は仕事で会社に泊まるとさっきメールが着ていた。家に誰も居ない状況でどうやって過ごせばいいかと思っていたが、ひとつだけ運が良かったことがあった。
それは昨日優奈が家に泊まっていたことだ。朝から体調が悪かった俺に優奈が「私が一日中あき君を看病してあげる」と言って、今台所でお粥を作ってくれているところだ。
今日一日はなんとかなりそうで良かった。そう思っていると優奈が階段を上がって来る音が聞こえた。
「あき君お粥できたよ」
「うんありがとう。さっそく食べるよ」
「私がふーふーして食べさせてあげる」
「いや自分で食べられるからいいよ」
「言ったでしょ私が一日中看病してあげるって、だから遠慮しなくていいからはいあーん」
「あ、あーん」
「どう美味しい?」
「美味しい」
「良かった、私の愛がいっぱい入っているからどんどん食べてね」
優奈が作ったお粥を全部食べて俺は少し寝ることにした。
優奈が寝るまでの隣にいると言っていたが俺はべつにいてなくてもいいけどと思いながら寝た。
「あき君お休み。チュッ」
次に俺が起きたときは夜になっていた。少しのつもりがだいぶ寝ていたらしい。
体調は朝と比べるとだいぶましになっていた。だがまだ完全に治ったわけではない、まだ少しくらくらする。
ベッドから体を起こすと優奈が部屋に入ってきた。
「あき君起きたんだ、どう体調は?」
「だいぶましになったよ」
「そうなんだよかった。ご飯はどう食べられる?」
「うん」
「分かった。作ってくるね」
俺も下に行こうかと思ったがベッドにいることにした。寝転んでいる方が楽だからだ。
ご飯ができるまで何をしようかと思ったが何も思いつかなったからベッドで目をつぶって横になった。
目をつぶってボーとしていると昔のことを思い出した。
昔も今みたいに風邪をひいたことがあった。そのときも親は仕事で家にいなかった。けど、優奈はいた。
優奈は今日みたいに看病してくれた。そのときもお粥を作ってくれて「私の元気がいっぱい入っているからいっぱい食べて元気になってね」と言ったいた。
昔は元気が入っていて今は愛が入っている。なんだか笑けてきた。一人で笑っていたら優奈がきた。
「おうどんできたよ。どうしたの何か面白いことでもあった?」
「いや昔のことを思い出してた」
「昔のこと?」
「うん、昔もこうやって看病してくれたことあったじゃん」
「覚えていてくれたんだ」
「覚えていたと言うか思い出したんだけどね。うどん食べるね」
「あき君が覚えていてくれた。すごく嬉しい」ボソッ
「このうどん美味しいな」
夜ご飯を食べ終わり俺は汗を拭くことにした。ちょっと汗で風が寒かった。
タオルの準備をしようとしたら優奈が準備していてくれた。
優奈からタオルを受け取ろうとしたら「私が拭いてあげる」と言われた。
正直自分で拭くのは面倒だったから任せることにした。
汗を拭いてもらいベッドに寝転んだ。
今日は優奈が居てくれて良かった。一人だったらご飯も食べれないところだったし、少し不安だったかも知れない。俺は優奈に今日のお礼を言った。
「優奈今日はありがとう。本当に助かったよ」
「私もあき君のこと(ずっと見ながら)看病できて良かったよ。」
「今度何かお礼するよ」
「そんなの気にしなくていいのに」
「今日のこともあるけど日頃の感謝もあるし何かたまにはお礼をさせてよ」
「あき君がそこまで言うなら」
俺は今度優奈に何かお礼すること約束して寝た。
何をしたら優奈は喜んでくれるだろ。
(私はあき君とずっと死ぬまでいや死んでも一緒にいれたらそれでいいのに。あき君は優しすぎるよ。その優しさは私だけに向けてね。他の女の子に向けたら嫌だよあき君)