<32>彼女の日記
どうもです!
今回は、前半は軽い振り返りみたいになり、後半は本編みたいな形です。
では、どうぞ!
『○月△日(□)
今日はあき君に水族館デートに誘ってもらいました。嬉しい!
あきくんと手を繋いで、沢山の魚を見たり、イルカショーを見たりして楽しかったです。
帰り際に、観覧車に二人で乗りました。
頂上にくると、景色がキレイでした。きっと、あきくんと一緒に見たからだね』
『○月△日(□)
今日はあき君が欲しいと言っていた漫画とゲームの発売です。
あきくんは最近金欠のようです。なので、そんなあき君のために、私が漫画とゲームを買ってあげます。
普段から私はお金をあまり使うことがないから、あき君のため使うお金は沢山あります。
この二つをあき君に渡すととても喜んでくれました。
あきくんの笑顔を見ると、私まで嬉しくなります』
『○月△日(□)
今日から夏休みになった。
学校から帰ってくると、あき君のご両親と私の両親が何やら話していた。
なんと! 今日から二週間旅行に行くみたいです。
更になんと! 今日から二週間の間、私とあき君は一つ屋根の下で生活することになりました! お母さん、旅行券を当ててくれてありがとう』
『○月△日(□)
今日から二週間の間あきくんと一緒に暮らせるようになりました!
沢山あき君のお世話ができて、嬉しいです!
私と秘蔵コレクション『あき君の寝顔集』がまた、溜まりました。やった!
お昼はあき君が私の膝枕でお昼寝をしました。寝言で私の名前を呼んでいました。
夢の中でも一緒にいれたらいいな』
『○月△日(□)
なんと、今日、ついにいつもあき君に作ってあげるご飯に入れてある“隠し味”がバレちゃいました。
でもそんなことはどうでもよくなるような出来事が起こりました!
な、なんと! ついに……ついに! あき君に彼女になってほしいと告白されちゃいました!きゃあー! やった! 嬉しい!
さらには、キスをしたり、一緒にお風呂に入ったりもしました! もう、幸せ過ぎて死んでしまいそうです。
そした、その夜……私とあき君は一つになりました』
『12月24日(□)
今日はクリマスイブです。
今日はあき君が好きなグラタンを作りました。
本当は今日も明日もご馳走を作ろうと思っていたのですが、あき君が大変だろうから今日は普通のご飯でいいよ言いました。やっぱり、あき君は優しいな。
今日も一緒にお風呂に入り、身体を洗ってあげました。
そして、時刻は21時になりました。
24日21時から25日3時までは性の6時間と言われています。
そうです――この6時間の間で私とあき君は激しく愛し合いました』
『12月31日(□)
今日は大晦日です。
こたつに入りながら、年越蕎麦を食べました。
今年が終わろうしたそのとき、あき君に呼ばれ振り向くと、キスをされました。
今年最後で、初のキスです。あきくんは、顔を真っ赤にしていました。
本当に私の彼氏は可愛くて、素敵です』
『○月△日(□)
今日から三学期がです。二年生も残すところあと少しです。
そんな、もうすぐで二年生が終わり、三年生になろうとしていた春。
あき君は将来どうするか悩んでいました。
三年生になれば、進学か就職か決めなくてはいけません。どちらも選んでも大変でしょう。
そして、夢の話のなり、私はずっと変わらない『あき君のお嫁さんになる』ことと答えました。
あき君は、昔の夢を思い出したようです。それは、『小説家』になることです』
◇◆◇◆
そのあとも日記には北海道旅行のこと、夏祭りのこと、海のこと全てを日記に付けていた。
優奈のやつ、あの水族館以来ずっと日記を書いていたのか。
約一年分の思いでを何冊もの日記に書いていた。
「よく続いたな」
それにしても……読んでいるこっちも恥ずかしくなる内容ばかりだ。
改めて思うけど、付き合ったその日にキスをして、セッ……体を重ねるってヤバイな。
と、思い出に浸っているとガチャリとドアが開いた。
「あきくんお菓子……持って……きたよ?」
「あっ……」
しまった。油断してた。
これは流石に怒られるよな。
「見たの?」
「あー……うん。ごめん」
「そっか……」
そう言いながら、優奈は持っていたお菓子を乗せたお盆を机に置き、俺の真正面に座った。
開けるなと言われた引き出しを勝手に開け、そこに入っていた勝手に日記を読んだ。
うーん……俺のリア充生活は今日で終わりかな。
しゃーないよな。自業自得だ。
よし! 覚悟を決めよう!
「ごめ……」
「もー……読まれたら恥ずかしいから開けちゃダメって言ったのに~」
「?」
? あれ? 怒っては……ない?
優奈は少し顔を赤くしていた。
これは、怒って顔を赤くしたのではなく、恥ずかしさから赤くしているのだろう。
「怒ってはないの?」
「うーん? 怒ってはいるよ? でも、あき君だから許してあげる」
「勝手に引き出しを開けて、勝手に日記を読んだのに?」
「うん。そりゃー、日記を読まれて恥ずかしいよ? でも、これには私とあき君の思い出が詰まったものだから。特別に、あき君なら読んでもいいよ。でも、今度からはちゃんと言ってね?」
「うん。わかった。本当にごめん」
「いいよ。それより、お菓子食べよ」
「うん」
良かった。まだ、俺のリア充生活は続くようだ。
優しい彼女を持って、俺は幸せ者だと、改めて感じた。
日記を書くのは少し大変でした。
でも、軽くこんな話もあったなと思い出してもらえたら嬉しいです。
次回も優奈の誕生日です。
良ければブクマと星を押していってください!
ではまた!