<29>夏だ!海だ!
夏=夏休み=海だ! というわけで、夏祭りデートの次は海デートにやって来たゆうあきコンビ。
煌めく太陽。太陽を反射しキラキラと輝く海。風に乗って香る潮。ザバァーンと流れる波。
俺は今は海に来ている。もちろん、優奈も一緒だ。
今は優奈の着替えを待っている。
「夏祭りもそうだったけど、海も久しぶりに来たな」
夏らしいことしようと、夏祭りの次は海に行くことに決めた。
「予想はしていたけど、人多いな」
夏休み真っ只中だから仕方ないけど。
それでも、平日に来ているし、休日よりは少ないと思う。
海を眺めていると、着替えを終えた優奈が来た。
「お待たせ~」
「そんな待ってないよ。それより、浴衣もそうだったけど、水着も可愛いな」
「えへへ。あきくんから誘ってもらったから新しい水着を買ってみたんだ。ちょうど、前の水着ちょっとキツかったからよかったよ」
「そうなんだ」
「うん。特に胸の部分が少し。また大きくなったのかな?」
「さあ~」
そこまで育って、まだ育つんですかそのお胸様は!!
いやいや、今日は純粋に海を楽しみに来たんだ。
最近、優奈に誘惑されてか、雰囲気に流されてか、旅行にしても夏祭りにしても……必ずエロいことをしてんだよ!
いくら年頃だと言っても、流石に回数が多い気がするんだ。
そろそろ落ち着いて、自分を自制しないといけない気がする。
そういうのも込めて、海にやって来た。
「んじゃ、さっそく泳ぐか!」
「うん。でも、その前にお願いがあるの」
きた。こういうときの優奈は、大抵俺の理性を崩壊させようとしてくる。
「お願いって?」
「うん。日焼け止めを塗ってほしいの。背中とか」
「背中ぐらいならいいよ」
優奈はありがとうと言いながら日焼け止めを渡した。
流石に、背中に日焼け止めを塗るぐらいどうということはない。
流石に前は別だけど。
手にクリームを出し、両手で擦り合わせ、背中に塗っていく。
優奈の背中は白くサラサラとしていた。
この背中を焼くのはもったいないな。
塗り残しがないように全体的に塗っていく。
なんかこれ……リア充ぽいな。
彼女と海に来て、日焼け止めを塗ってと頼まれ塗っているこの絵面。
青春の一ページだな。
俺、青春してんな!
なんてふざけているうちに、塗り終わった。
「終わったよ」
「ありがとう。あとね、あきくんが面倒じゃなかったら、足の方とかお尻の方も塗ってほしいの」
「わ、わかった。いいよ」
動揺することはない。
彼女が日焼けしないように、念入りに足にもお尻辺りにも塗るだけだ。
決して、下心もやましい気持ちもない!
「ふぅ~」
よし。塗るか。
手にクリームを出し、両手で擦り合わせる。
いざ! ポヨン――わあ、柔らかい。
別に優奈自信太っているわけではない。
言うならば、程よく肉が付いたムチムチなのかも知れない。
太もも……つきたてのお餅みたいに柔らかい。
ばかやってないで、早く塗って海で遊ぼう。
足は塗り終わり、次はお尻を塗っていく。
これは日焼けを塗るだけ。決してやましい心なんてない。
ちょっと失礼して、水着の隙間から手を入れて――
「あ! ごめんね。塗りにくいよね。水着のヒモ解くね」
優奈は水着のヒモを解き、スルスルと水着がズレていく。
少し大きく、白くキレイな、風呂でもベッドの上でも見慣れた真ん丸なお尻が露になる。
逆に塗りにくくなったんですよ優奈さん。
「じゃあ、塗るな」
「うん。お願い」
うわ……めちゃんこ柔らかい。
なにこれ……手に吸い付くようなこのお尻は。
そういや、普段シタときとか、あまりお尻を触ったことはなかったな。
今度触って……いやいや! 関係無い関係無い。
心を無にして、日焼け止めを塗る。
「んっ……ふぅ……ん」
「ねえ、変な声出さないで」
「ごめんね。なんか出ちゃうの」
気にしたら進まないな。うん。早く塗ろう。
いろいろ葛藤しながらも日焼け止めを塗り終えた。
「ありがとう。あれ? なんか疲れてる?」
「いや……大丈夫。ちょっと自分の欲を抑えてただけだから。そんなことより、せっかく海に来たし泳ごうぜ!」
「うん! 泳ごー!」
優奈に膨らませた浮き輪を渡し、海に入る。
「あきくんが膨らませた浮き輪……この中にはあきくんの息が」
「機械で膨らませるのって楽だな」
「……」
「どうかした優奈?」
「ううん。大丈夫」
何かがっかりしているようにも見える優奈だった。
日焼け止めは日焼けしないように塗る行為であって、そういう行為ではない!
つまりエロくない!
次回も海回です。
では、また――