<23>旅行に来た
今回は修学旅行に行かなかった二人がプライベートで旅行に来ました!
三年生になってから一ヶ月が経った。
今教室では、ある行事の話が先生から説明され、その班を決める話し合いが始められている。
その行事というのが学生生活で一番大きく、皆が楽しみにしているであろう――修学旅行――ボッチには厳しい行事である。
行き先は京都の嵐山だ。
「はぁー、帰りたい」
「今回はどうするの?」
「勿論前回同様だ」
「そっかー」
中学の修学旅行――俺は行かなかった。いろいろあったのもあり、行っても面白くないからだ。
優奈は俺が行かないから行かなかった。
本当は行きたかったんじゃないか聞いたら、
「私はあきくんといる方がいいから」
と言われた。嘘ではないだろうけど、多分、行ったら行ったで、俺といろいろな建物を見たり、食べ歩きをしたりしたかったかも知れないと、今ではそう思う。
しかし、俺は行きたくない。
わざわざ遠出をしてまで遊びに行くなら、家で遊ぶのと変わらないのではないかと思う。
さらに、特に話したこともない人と一日過ごして何が楽しいのか分からない。
これを気に仲良くなれる? そんな簡単にボッチは卒業はできない。
結局帰ってこれば、元通りの他人同士だ。
行くだけ時間の無駄だ。
俺と優奈は適当な余り者の班に別々に入れられ、班決めは終わった。
そして、本来なら修学旅行に行く日――俺は、優奈に連れられ電車に乗っていた。
「あの、優奈さん? どこに行くの?」
「着いてからのお楽しみだよ~」
知らないうちにキャリーバックが用意されており、中には着替えとかが入っていた。
電車に揺られること三十分。とある空港に着いた。
優奈にチケットを渡され、飛行機に乗り込む。
陸を走った後は、空を飛んだ。
空を飛ぶこと四時間程。着いたのは場所は――雪まつりやカニが有名な――北海道だ。
気温は17℃。ぽかぽかとしていた。
「いや、なんで北海道に来たの?」
「んー。今回も修学旅行には行かないと思ったから」
「理由になってないよ」
「私があきくんと二人で旅行に行きたいって思っていたの」
行きたいと思って――それで、北海道に来れるってすごいな。
これが金持ちの力か。
「なら、北海道を目一杯楽しむか!」
「うん!」
まずは、海鮮丼を食べるべく、スマホで美味しい海鮮丼を食べれるお店を探した。
評価や口コミを見て、良さそうなお店に向かった。
「いっらしゃいませ」
「海鮮丼を二つ」
少し待つと海鮮丼が運ばれてきた。
「ひょー、うまそうー」
「ねー、おいしそー」
イクラにウニ。海老にサーモン。マグロが乗った贅沢丼だ。
なんか、普段スーパーで見るのより、輝いて見える。
これが北海道。これが本場の海鮮丼。
「「いただきます!」」
――うまー! 何これ、本当にいつも食べるイクラなの!? プチプチじゃなくて、トロッとしてる。
海老はプリプリとしていて、サーモンは脂がのっており、身が締まっていた。
マグロはいつも身にするのより色がいいように見えた。
味は身の締まりもいいし、歯ごたえがあり、ほんのり甘みが感じれた。
「「ごちそうさまでした」」
お店の人に良い観光場所を知らないか聞くと、とある場所を紹介され、途中タクシーを拾いそこまで向かった。
着いた場所は見渡す限りキレイな花々が咲き乱れる公園だった。
咲いている花はチューリップで、その種類なんと二百種類らしい!
「わあー……きれい」
「優奈写真撮ろうよ」
俺は近くで花を見ていた人に写真を撮ってほしいと頼み、花をバックに優奈と手を繋ぎ撮った。
「ありがとうございます。ほら見て優奈」
「わぁー! 後で絶体に送ってね」
「ちゃんと送るよ」
次はとある池を見に来た。
池の水は青く神秘的だった。
池に生えた木や森を反射するほどキレイな池だった。
あっちこっちと観光していると、あっという間に夕方になった。
ホテルに行く前に最後にあるテーマパークに行った。
そこはイルミネーションで輝いていた。
夜の世界に輝きを与えていた。
周りを見ると、家族連れや恋人たちが多く見掛けられた。
自然と俺たちは手を繋いだ。
優奈が予約したホテルにタクシーで向かった。
予約した部屋は畳の部屋で、家族風呂が付いていた。
「おー! 一回家族風呂が付いている部屋に泊まってみたかったんだよな!」
「ふふ、喜んでくれてよかった」
夜は部屋までご飯を持ってきてくれ、それを食べたら二人で家族風呂に入った。
夜に海鮮丼のことを調べていたら、お腹が空きました。
そして、食べてみたくなった。いつか、本場の海鮮丼を食べてやる!
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