<20> 春休みになったよ
皆様、夏休みはどうお過ごしでしょうか?暇ならこれでも読んでおこう。
今日も今日もとて日常話です。
時間が流れるのは早いもので――今日から春休みだ。
これからは時間がたっぷりとある。おまけに春休みの宿題もある。
最悪こっちは優奈に見せてもらおう。どうせて、答えを見てするし。
小説は今も続け、少し前から書いた小説を某サイトにも投稿するようになった。
その際、できた小説は優奈に一番に見せると約束したから、誤字脱字が無いかの確認も含め優奈に読んでもらってから、投稿している。
投稿したばかりだからなのか、俺の小説が面白くないのか、ブックマーク数は五人、ポイントは三十、閲覧者は多くても三十いくかいかないかぐらいだよ。
なんか……書いた結果がこれだと、才能がないのかと思って挫けそうになることもあるけど、いつも優奈が面白いと言ってくれるから、今も頑張れている。
取り敢えずは目指せブックマーク数五十人だ。後々には百人を目指したい。
そりゃー、ランキング入りしている人を見たら何千ものブックマーク数にポイントはヤバイけど、あれを目指すには壁が高すぎる。
まあ、ゆっくりと頑張るしかない。本を読んだり、他の人の小説を読んで可能性を広げていくさ。
「まずは、アプリで小説を書いて、それをコピーしてサイトの投稿小説に張り付ける。そして、ルビや・を付けたりする」
これが俺のやり方だ。最初からサイトで書いてもいいが、俺にはこっちの方が合っている気がする。
ちなみに書いているのはスマホだ。
「あきくん、進んでる?」
「うん、昨日読んでもらったやつ投稿したところ」
「そっか。ねぇねぇ、これ見て」
「ん? 小説?」
「そう、これって何だか私とあきくんを逆にした感じがしない?」
優奈が見せたのは俺が投稿しているサイトにあった小説だった。
タイトルは『病んだ彼氏に溺れた彼女』だった。
タイトルからして、ヤンデレものの気がするが……。読んでみるか。
内容は、手錠に繋がれた彼女が彼氏に溺れているという話だった。
確かに、俺と優奈を逆にしたような話だな。でも、俺ってあんなにも優奈に溺れてない気がするけど。
「ねぇねぇ、今度あきくんがしてよこういうの」
「しないよ」
そもそもできねーよ。手錠やら風呂やらって、俺のキャラじゃない。
ぷぅーと頬を膨らませている優奈。こういう顔も可愛いな……これか! 溺れるということは!
「夜のシーンならしてもいいけど」
「う、うん」
いやそこで、照れられるとこっちまで恥ずかしくなってくる。
ぶんぶんと頭を振り、小説を書いた。
今日は主人公のアキナが山賊と戦うところを書く。
街道を歩いてると商人が山賊に襲われていた。
アキナは疾風を使い商人のもとまで駆け寄る。そして、風切りで山賊たちを撃退する。
商人はアキナにお礼を言う。
どうやら、商品の中に大切な物があり、それを山賊に盗られていたら損害額がヤバかったらしい。
商人はお礼にとポーションを五本アキナに渡した。
「少し休憩するか」
勢いが乗れば、一気に三千文字ぐらい書けたりはするが、乗らないとなかなか進まない。
休憩がてら、優奈に何か作ってもらおう。
リビングに行くと、香ばしい匂いが漂ってきた。
「あきくん、今丁度クッキーが焼けたから持っていこうと思ったいたんだ」
「おお、俺も丁度休憩がてら、優奈に何か作ってもらおうと思ったいたところだよ」
「そうなんだ! じゃ、本当に丁度良かったんだね」
「だな」
録画してあったアニメを見ながら、クッキーを食べた。
プレーンとチョコの二種類のクッキーがあって、どっちもおいしかった。
さて、休憩もしたし、糖分も摂ったし、続きを書くか。
「書けたー」
「書けたの?」
「うん。読む?」
「読む!」
書いた小説が開かれたスマホを渡し、俺は少し待った。
数分後。優奈はスマホから目を離した。そして、こっちを向き、
「今回のも面白かった! 特にアキナが――」
といつも面白かったと一言言うだけではなく、どのシーンがどう面白かったを伝えてくれる。
そして、ここはこうした方がもっと面白くなると改善点も言ってくれる。
「いつも、面白いって言ってくれてありがとう」
「そんな、お礼なんていらないよ。本当に面白いから面白いって私は言ってるんだから」
「そっか」
「うん。これからも一番に読ませてね」
「ああ、もちろんだ」
◇◆◇◆
今日から春休みになりました。これからの二週間ほどはずっとあきくんと一緒にいれます。
一緒に朝起きて、一緒に私が作ったご飯を食べて、一緒に過ごして、一緒にお風呂に入って、一緒にお布団に入って寝る。
とても素敵で充実した二週間になりそうです。
それに最近はあきくんの小説も読めて幸せです。
でも、その分あきくんと同じ部屋にいれる時間が減って寂しいです。
あきくんには夢に向かって頑張ってほしいけど、もっと私との時間も大切にしてほしいな。
そんな、今すぐに小説家を目指さなくても、ゆっくりと頑張ってくれたらいいんだよ?
卒業後の心配なんてしなくていいんだからね?
私が養ってあげて、全て私がお世話してあげるのに、何か欲しいものがあったら買ってあげるし、お金が必要なら用意するのに……もうちょっと、あきくんには全てを私に委ねてほしいな♡
未来の心配なんてするだけ無駄なんだから。私とあきくんはずっ――――と一緒なんだから♡
実際、超不定期にも関わらず、もうすぐ皆様のお蔭様でブックマーク数100いきそうです。
こんな女の子に養われたい人はブックマークと星をお願いします!
俺は養われたい笑
ではまたいつの日か――