<閑話3>こういうのもあり?
みんな最近、ヤンデレ成分足りてる?足りてなかったらこれで補給してくれ!
でも、今回は閑話――つまり、本編とは特に関係ない話。
しかし!今回はいつもとは一味違うヤンデレを感じれるよ。
私の名前は蒼羽優奈。今日は、彼氏のあき君のお家に遊びに来ている。
そしてあきくんのお部屋で手錠を腕とベッドに繋がれ、自由に動けない。
ガチャとは部屋の扉が開く。そこにいたのは、あきくんだった。
「いい子にしてた? 優奈」
「う、うん」
「そっか、偉いね」
と言いながら私の頭を優しく撫でる。こんな状態でも撫でられて嬉しく思うとは、どれだけ私は彼に溺れているのだろう。
彼はベッドに繋がれた手錠を外し、自分の腕にはめる。
そして、手錠で繋がれた手同士で手を繋いでくる。
こんなもの拒めばいいものの、握り返してしまう。彼の腕は細いし、指も長くて細い。しかし、私と違ってゴツゴツとしている。男の人の手だ。
「このままずっと時間が止まればいいのにね」
なんて夢物語を言う彼。もし、本当にこのまま時間が止まってしまったら、私はどうなるの?
夜になっても、彼が私を帰してくれることはなく、またベッドに手錠を繋ぎ彼は下に行ってしまった。
「いつになったら帰れるのだろう」
また彼が来たときには、お盆にハンバーグを乗せて持ってきた。どうやら、今日の夜ご飯らしい。
彼は机に皿を置き、箸で一口サイズに切ったものを私の口に運んだ。
「どう? 君の為に愛込めて練って作ったハンバーグだよ」
「美味しいよ」
「よかった」
彼は優しく微笑んだ。ああ……どうしてだ……こんな顔を見ると彼を愛おしく見えてします。
彼のハンバーグを美味しいとは言ったが、そこに嘘はなかった。本当においしかった。正直また食べたいと思った。
私はどうなりたいんだ? どうされたいんだ? 彼とどうなりたいんだ。
夜ご飯を食べたあと、私は下に連れていかれ、洗面所に連れて来られた。
「さあ、一緒にお風呂に入ろうか」
ここで拒まなければ、私は服を脱がされ、スカートを脱がされ、下着を脱がされ、私の全てを彼に見られてしまう。
別にこれが初めてというわけではない。何度も彼に服を脱がされたこともあるし、一つになったことだってある。
しかし、こういうパターンは初めてだ。いつもはするために脱ぐが、これは洗うために脱がされる。
「お風呂に入るときは手錠を外しておこうか」
「うん」
今だ! 逃げるなら今しかない。
きっと今、彼は油断をしている。洗面所を出て、玄関に行けば、外に出れる。
……どうして? どうして私の足は動かないの?
「ほら、脱がしていくよ」
「…………」
ああ……私の服に彼が手を掛ける。そのまま、ボタンを外され、服を脱がされていく。次ぎはスカートのファスナーを下げていく。パサッとスカートは重力に逆らうことなく落ちる。
私は下着だけの姿になった。そんな私を彼はじっと見る。
「これ……前に俺が可愛いって言った下着だね。俺のために着けてきてくれたの? うれしい」
違う。これは、私が着けたかったからこれにしただけだ。決して、彼の為ではない。
――本当にそうなの?
え?
――彼と会うと分かっていて、この下着を着けてきたんじゃないの?
そうなの? 私は彼に喜んでほしくて、これを――前に可愛いと言ってくれたこれを着けたの?
無意識に彼の事を考えていたってことなの?
プチっ。スルッ。
ボウーッとしているうちにブラを外されていた。私の胸が何にも隠されることなく彼に見られてしまっている。
スルッ。
「あっ……」
「ふふ、どうしたの? 恥ずかしいの?」
カァーっと、顔が暑くなるのがわかる。今の私は何にも隠されていない、生まれたときの姿だ。
彼も躊躇うことなく服を脱いでいき、彼も生まれたときの姿になる。
手を引かれ、お風呂に入っていく。
シャワーで体を濡らし、泡立てたボディータオルで彼に体を洗われる。
腕を洗い、足を洗い、背中を洗い、前を洗い、胸を洗い、下も洗われる。
恥ずかしい……恥ずかしいのに、拒めない。彼に全てを見られ、全てを洗われ――彼に愛されている。
そのあと髪を洗ってもらい、彼の体を洗ってあげた。
湯船に先に彼が入り、そこに私が入り。後ろから抱き締められる形だ。
彼に包まれているみたいで安心する。このまま、ずっと彼に抱き締められていたい。
はぁーはぁー……心臓がドキドキとしている。
「どうしたの? 苦しいの? 出る?」
「違うの……わからない。あなたに抱き締められて……」
「……そっか。一旦出て、ベッドに行こうか」
「うん……」
彼に体を拭いてもらい、彼も体を拭き、寝間着を着るのかと思ったら、そのままお姫さま抱っこされ、ベッドまで連れて行かれた。
「優奈――今、とても可愛い顔をしているよ」
「いや……恥ずかしい……見ないで」
ああ、私はこのまま彼と一つになるのか。
気がつくと、朝になっていた。隣では彼が寝ていた。
ああそうか、昨日はあのまま寝たのか。
……カァー。
昨日のことを思い出し顔が暑くなる。いやいや、昨日の私はお風呂の熱でどうかしてたんだ。
今すぐ服を来て家に帰ろう。
「ゆうな……」
彼が起きたのかと思い見ると、目を閉じたままだった。
なんだ、寝言か。……夢の中まで私といるのか。
「はぁー、しゃーない」
私はベッドから出て、服を着て下に行った。玄関に行くかず、台所に向かう。
フライパンを火に掛け、冷蔵庫から卵を二つ取り出し、それを割ってフライパンに落とす。
「ソーセージも焼こう」
目玉焼きを皿に乗せ、ソーセージを焼く。
パキパキと表面が割れてきたら、火を切り目玉焼きの隣に乗せる。
上に行き、まだ寝ている彼を起こす。
「あきくん、起きて」
「う……ん? ゆうな?」
「ご飯作ったけどいらない?」
「……いる! 食べる!」
バタバタとベッドから出ようとすると布団が足に絡まってベッドから転がり落ちる。
「そんなに急がなくても逃げないよ」
「あはは。早く食べたくて」
全く、たかが目玉焼き一つでここまでとは。ほんと、どんだけ私と事が好きなのよ。
――まあ、私も人のこと言えないけど。
◇◆◇◆
「っていう、世界線も有りだと思うんだ」
「なしだよ!」
なんだよ、俺のヤンデレパターンって。何の需要があって、誰得だよ。
「えー、いいと思うけどな。あきくんに
支配される生活」
「俺が支配なんてできないって」
「うーん……確かにあきくんはお世話される方がいいかもね。妄想のあきくんはまだまだ足りなかったし」
「足りなかった?」
「うん。まずはね、ハンバーグだよ。愛込めて練って作るまではいいよ。でもね、私的には、そこに更に爪とか血を加えたらより愛が増すと思うんだ」
……いや、普通ご飯の中に爪も血も髪も入れないからね?
ていうか、それを俺は前までは食べていたんだよな。
「というか、何で優奈は手錠で繋がれていたの?」
「束縛って好きな人に独占されてうれしいって思わない?」
「思わない」
「えー、私はずっとあきくんと繋がっていたいよ?」
ずっとはちょっとかな。トイレに行くにもついて来られのは嫌だ。
「まあ、あれだね。違う世界線でも優奈のヤンデレは治らないね」
「私からヤンデレを取ったら……エッチな部分しか残らないよ?」
………………。
「自分で言うなよ……」
どうでした?あきくんヤンデレパターンは。
ヤンデレ彼氏……こういうのもあり?
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ではまたいつの日か――