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<16>クリスマス 後編

一週間ぶりぐらいですね。

元気にお過ごしですか?

寒くなってきたので風邪をひかないように気を付けてください。

「少し冷えるね」

「そうだな。雪でも降るのかな」

「そうなったらホワイトクリスマスだね」

「まあ、めったにないだろうけどな」

「降ったら奇跡だね」

「ほんと奇跡だよ」


 クリスマスの夜に雪が降るなんて、漫画やテレビだけだろう。

 ……クリスマスだけど暇だな。テレビもクリスマススペシャル! 見たいなものばかりで何もやっていない。

 外は寒そうで出たくないしな。と思いながらボーとテレビを見ていたら、イルミネーションの話題をやっていた。

 イルミネーションか……やっぱクリスマスと言えばイルミネーションだよな。優奈も興味ありそうだし、行くか。


「イルミネーション見に行くか」

「えっ……でも、外寒いよ? あきくんは家にいる方がいいんじゃないの?」

「確かに外は寒いけど、せっかくのクリスマスにずっと家にいるってのも、何か勿体ないし……行こうよ、イルミネーションデートに」

「デート……行く!」

「よし! じゃあ、暖かい格好して行こう」



 イルミネーションを見に少し遠くまでやって来た。クリスマスなだけあって人は多く、殆どリア充ばかりだった。まあ、俺もリア充の仲間だが……ゴメンね。

 星やトナカイやサンタやら丸い(名前知らない)やつがそこらじゅうに装飾されていて、光っていた。少し歩くと、大きなクリスマスツリーがあった。


「ほぉー、でかいな」

「大きいね。キレイ」

「優奈方がキレイだよ……」

「……///」


 何となく、定番なセリフを言ってみたが、恥ずいな。優奈は何も言わないし。

 二人ともとくに何かしゃべることなく、いろいろ見て家に帰って来た。


「ただいまー」

「ただいま」

「お腹すいたー」

「だったらご飯食べよっか」

「うん」


 本日のメニューは、サンドイッチにチキン、ビーフシチューにクリスマスツリーぽくしたポテサラだ。そして、デザートに優奈の手作りクリスマスケーキだ。しかも、半分生クリームで半分チョコのワンホールで2つの味を楽しめる。

 料理上手の彼女ていいよな。毎日美味しいご飯が食べれる。


「では」

「「いただきます!!」」

「いつも美味しいけど、今日はより美味しい」

「ふふ。よかった。今日のご飯はいつも以上に愛を込めて作ったから」

「優奈、毎日美味しいご飯作ってくれてありがとう」

「っ! う、うん」


 優奈の美味しいご馳走とケーキを食べた。少し量が多いかなと思ったけど、全て食べてしまった。美味しいご飯はいくらでも食べれると言うが、本当かもしれないな。

 ご飯を食べて、風呂が沸くのを待っているのだが……そろそろ触れていいかな。


「ねえ、優奈」

「ん? どうしたの?」

「その格好は……なに?」

「これ? サンタさんのコスプレだよ。今日のために買っておいたの。どう?」

「いや、まあ、可愛いよ……とても」


 いや、サンタのコスプレをしている優奈は可愛いのだが……スカートが短すぎないか! 動いたり、座ったりと動作をするだけで、あれが……つまり下着がチラチラ見えるんだ。

 いや、別にさ、今さら下着が見えるからどうと言うことはないけどさ……分かるかな、みんなは。ズボンやスカートを脱がして直接見えるのと、見えそうで見えなかったり、スカートが風で捲れて偶然見えたり、ミニスカートからたまにチラチラ見える--まあ、何が言いたいかよ言うと、裸で全部見えるより、大事な部分を隠している姿の方がエロいじゃん。て言うこと。……言っておくけど、最近俺が変態見たいなことばかり言っているかも知れないが、俺は紳士だ! ……♪ 『お風呂が沸きました』風呂に入るか、そして頭を冷やそう……。


 風呂を出た。さて、いつプレゼントを渡そうか。今? 寝たら? んー、クリスマスと言えば、朝起きたら枕元にプレゼントが置いてあるってイメージだな。

 プレゼントをいつ渡すかも悩むが、今になって俺が買った物は喜んでくれるか心配になってきた。一応これを選んだ理由はあるけど……。

 優奈もきっとプレゼントを用意していると思うけど、何を買ったんだろう? まさかベタな『プレゼントはわ・た・し』だったりしてな……さすがにないか。だったら他に何があるか……ブルッ、いま一瞬頭をよぎったけど、まさか某雑誌『ゼェクシュィ』に付いているあの紙じゃないだろうな……はは、まさか……な。だって俺たちまだ高校生だよ。来年になったら、俺は18歳で結婚できるけどさ、それでもまだ学生じゃん。ま、大丈夫だろ。


「さて、そろそろ寝るか」

「そうだね」


 結局、プレゼント交換的なことをせずに、寝ることになってしまった。

 プレゼントは、優奈が寝た頃に置いておくか。


「お休み」

「お休み」


 翌日、朝目を覚ますと枕の上にプレゼントが置いてあった。きっと優奈からだろう。

 優奈はもう起きたのか。プレゼントも無くなっているってことは、先に起きて開けたのだろう。俺も起きてプレゼントを開けるか。

 彼女からのプレゼントは……なんと、指輪--ではなく、ペアリングだった。裏に『AKIRA』と名前が彫られてあった。

 マジか……まさか、プレゼントがペアリングだとは、思わなかった。いや、別に嫌ってわけじゃないけど。とりあえず、リビングに行くか。


「ふゎ~、おはよう」

「あ! おはようあきくん」


 優奈は嬉しそうに挨拶を返してくれた。それと俺がプレゼントに用意したものを身につけていた。

 俺が優奈にあげたものは、エプロンだ。いや、王道とか、簡単とか思われそうだけどさ、これでも考えまくって選んだからな。

 そりゃーさ、ペアリングと比べたら安いけどさ、こういうのって値段より……気持ちじゃん。


「どう? エプロン似合ってる?」

「うん。とても似合ってるよ」

「ふふ。ありがとう。大事にするね。あきくんもペアリングしてくれたんだね」

「うん。もうひとつは優奈のだろ。はい……」

「あきくんにつけてほしいな」

「いいよ」


 優奈は両手を出した。俺が左右どちらのどの指につけるかをみたいのだろう。

 俺は迷わず、ペアリングをつけた。


「こ、ここでいいの? あきくん?」

「うん。いいよ。いつかこの指にはペアリングじゃなくて、本当の指輪をつけてあげたいって思ったんだ」

「だったら、待ってるね。あきくんが本当の指輪をつけてくれる日まで」

「うん。待ってて」


 ……チュッ♡



 今日はいつもより、少し起きるのが早かったです。理由はきっと……あきくんからのプレゼントを開けたかったからです。

 わくわくしながらプレゼントを開けると、中身は白くて可愛いエプロンでした。


 ……え? なんか今日はいつもより落ち着いているって? んー……そうかもしれませんね。

 だって……仕方ないよう~♡ あきくんからのプレゼントもとてもとても、すごくすごく嬉しいよ。でも! それ以上に今日、あきくんに言われたことが頭から離れなくて、あれは、夢だったんじゃないかって思ってしまうんです。

 あきくんからは、エプロンを貰って、わたしからはペアリングを渡しました。

 あきくんの枕元に置いて、それを朝起きたあきくんがつけて、リビングに来てもうひとつをわたしの指につけてくれるまでがわたしの計画だったんです。

 正直あきくんにつけてもらえるなら、どの指でも良かったんです。でも、まさか……あきくんがこの指につけるとは思っていなくて、これで終わりかと思えば、さらにまだありました。

 なんと、あきくんに将来を約束されたんです。プロポーズとは、まだ違うものだけど、でもあきくんに「この指に本当の指輪をつけてあげたいって思ったんだ」って言われちゃったんです。きゃー♡ あきくんカッコいい!! これはもう、来年には結婚すると言うことですよ。


 はぁ~♡ やっぱり、クリスマスにこっちのプレゼントをあげなくてよかった。ペアリングじゃなかったら、きっとあの言葉は言われなかったもんね。

 やっぱりあきくんもわたしとはやく結婚したいって、思ってくれていたんだね♡ 

 それに、口には出さなかったけど、二人の子供も欲しいって思っているよね。男の子と女の子二人ずつは欲しいよね。パパとママと子供四人の六人家族。きっと、何年経っても幸せな家庭だろうな~♡ いつまでも、夫婦はラブラブで子供達に「パパとママ仲良しすぎて、見てるこっち恥ずかしい」って言われちゃいそうだな。でも、夫婦何年経っても仲良しなのは、良いことだよね。

 来年の卒業式には、お腹にあきくんとの赤ちゃんを宿して、みんなに自慢しながら卒業するから、今のうちから少しずつ体力つけた方がいいよね。それに、あきくんといっぱい……作るし……。

 今年のクリスマスはすごく楽しくて、嬉しかったな。次は、大晦日と年越しだね。あきくんと初詣に行かなきゃ。


「あ、なんか寒いなって思ったら雪降ってる。まだ、ぎりぎりホワイトクリスマスだね」


 ちょっと早いけど――『メリークリスマス』幸せな日を過ごしてね――


みんなはクリスマスプレゼント欲しいものは決まってる?

クリスマスの夜に、この小説をもう一度読むと夢にサンタコスの優奈ちゃんが出てくるかも……

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