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<10>夏休み終 二学期始まり

「あき君朝だよ起きて」

「う~ん」


 優奈が起こす声が聞こえる。

 もう起きなければいけない時間だと分かっていても起きれるものではない。


 せめてあと10分いや5分でも良いから寝たい。そう思っていると口に何か柔らかい感触が感じられた。


「私の王子様はおはようのキスが必要だもんね」


 口の柔らかい感触は優奈のキスだった。


「うんっ」

「あきく~ん」

「ゆ、優奈起きるから」


俺は優奈を引き剥がそうとするがなかなか離れない。

俺ってこんなに力無かったっけ?


「んっ。おはようあき君」

「お、おはよう」

「ごはんの準備出来てるから食べよ」

「うん」


 俺はベッドから起き上がりリビングに向かった。

 机にはいつもどおり美味しそうなご飯が並べられていた。


 椅子に座り優奈と一緒に朝ごはんを食べた。ちなみにメニューは鮭と味噌汁とご飯だ。


「鮭の骨取ってあげるね」

「ありがとう」


 優奈が鮭の骨を取っている間に味噌汁を飲みながらボーと考えていた。

 夏休みが終わり今日から二学期だ。

 別に二学期だからと言って何かが変わるわけではない。

 そう別に学校は何も変わらない。変わったのは俺と優奈の関係だ。


 俺と優奈は幼馴染みから恋人になった。

 と言っても別に恋人になったからと言って何か大きく変わったわけではない。

 いつもどおり朝起こしてくれるときにおはようのキスが増えたくらいだ。


 ご飯もたまに? 口移ししてくるぐらいだ。夜も風呂に入っていたら乱入してくるぐらいだ。ベッドでちょーっと愛し合うぐらいだ。


 本当何も変わってない……。いや一気に変わりすぎだろ。

 おはようのキスも口移しも思春期の男の子には刺激が強すぎるって!

 夜だっていろいろヤバイよ! 風呂に入っていたらタオルで隠そうともせずに入ってくるし。

 寝ようと思ったら優奈がわざと押し付けてくるし。


 恋人って普通もうちょっとゆっくりいろいろ進めて行くものじゃないの。

 一ヶ月どころか一週間もしないうちにと言うか恋人になって次の日に一気に最後までしちゃったよ。

 この夏休みの間のことを考えているうちに鮭の骨が取れたみたいだ。


「あき君あーん」

「あ、あーん」

「んっ」

「私の愛も一緒に味わってね」


 優奈が口移しで鮭を食べさせてきた。


「美味しい?」

「美味しいよ」


 たまにと言いましたが嘘です。毎日口移しされます。

 朝ごはんを食べて、制服に着替えた。


「そろそろ行くか」

「そうだね行こ」

「今日から二学期だな」

「学校に行ったらみんなに私たちのラブラブなところを自慢しちゃおっか」

「そうだな」


 やっぱり学校でもいちゃつくんだ。

 みんなにどんな顔をされるかな。ある意味楽しみだな。

 と、こんなことを考えなが学校に向かった。

 優奈は俺と腕を組ながら楽しそうな顔をしている。


 多少学校でいちゃつくのは良いけどほどほどにしてほしいな。

 たぶん無理だけど。



 今日から二学期が始まりました。

 あき君と恋人になって初めての学校です。

 いっぱいみんな私とあき君のラブラブイチャイチャなところを見せて、あき君は私のものだって教えてあげなくちゃいけません。


 もちろん私もあき君だけの、あき君と会うためだけに生まれてきた、あき君のものだってことも教えます。

 はぁ~、早くあき君と夫婦になりたいな。私はいつでも学校を辞める準備が出来ているから心配しなくていいよあき君。

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― 新着の感想 ―
[一言] 是非、二人の過去話みたいのも読んでみたいです!
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