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工場と微笑み  作者: bashi
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吾亦紅

曇りの空を遮る、工場の巣の上に、またさえない労働者。工員。私のことだ。


朝早くに、150㎜四方の鉄板を4枚切る。切る機械の右側に長鉄板をセットして、電子パネルに150と打ち込んだ。4枚腹に響く音を立てながら、切断されていった。


ブレスプレートに罫書き線を入れる。ノギスの使い方に手こずってしまった。


耐久度を上げるためパーツ補助材のため、穴位置のズレは許されない。


時間ばかりが過ぎていく。ミスはだめ、でも早い方が良いに決まっている。


なんだか自分が情けない。


先週に作業した部品に不備があった。初めて扱ったためどうしても上手くいかなかった。確認で測ったはずなのに、そういえば、心配になると、何度も何度も確認してしまい、一向に作業が進まない、早くできないを思い、なあなあになってしまったのだろう・・・。


工場の中の轟音。耳に木霊する。


先輩が、直してくれたが、嫌われたくない先輩を失望させてしまった。ボクを見る目が変わった。


そして、なんとか罫書いて、下穴を開けた。


キリキリキリキリ・・・。自分には向いていない。どういう仕事か分かってた筈でしょ?どういう仕事か分かってた筈でしょ?どういう仕事か分かってた筈でしょ?


そして穴開けの機械に、24πのキリを筒に差し込んで、木材で叩いて押し込む。そして機械に差し込むカバーを持ち上げて、それを下げてセットする。


20π以上の穴のため、ダイアルを1、5に設定する。

そして、速度を高速のBに設定した。(薄い板なら、Aでよかったらしい。)


そして、しっかり盤を上に上げなきゃダメだと注意を受けて、盤をハンドルで回して高くした。そして、下のポールを引っ張って盤を固定した。


そして、レバーを下げて、穴あけをする。時々油を注してやる。潤滑剤だ。


自動で機械は停止するが、穴が開け終わったら、レバーをまた押し上げると、手動で停止する。


この繰り返しを4回行う。


これで時間がかかる自分は、社会人失格だ。次はもっと早くやろう。そう決意しているが、心は曇り模様。


午後は、床基礎の外側の部品。そこに穴を開けていく。昨日開けた穴にを面取りする。少しだけ、穴の周りを削り出して、バリをとるんだ。機械に24πのキリをチャックハンドルで右回りで回して固定する。


外部品は、4000㎜もの長い板に、穴を打ち込むため、時間がかかる。先ずは、電磁石で固定する機械で下穴を開ける。キリを上下させる部分の固定を解除して、キリを起動させて、穴位置を確認したら、電磁スイッチをonにして固定する。穴を開け終わったら、電磁スイッチを切って、そのまま次の穴位置にキリを合わせて、電磁スイッチをonにする。その繰り返し。


そして、本穴を開ける、チャックハンドルで、9πのキリを、はめ直し、潤滑スプレーを吹きかけて、力強く、キリを入れすぎないように注意して、本穴を開ける。


工場中の轟音。耳に木霊する・・・。どういう仕事か分かってた筈でしょ、どういう仕事か分かってた筈でしょ?分かってた筈でしょ?分かってた筈でしょ・・・わかって・・・・わ・・・・ブブブ・・・。


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