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アルム  作者: 鈴木将太
8/9

私が気になるお嬢さん3



「よお、アルム」

「兄上。こんな時間にお仕事ですか……お疲れ様です」


ハルムは首に手を当てて、ポキポキと鳴らした。アルムは嫌そうな顔をするとハルムは笑いながら、謝った。


「そうだ。アルム一杯付き合ってくれないか?」


珍しい誘いにアルムはキョトンとしていたが、アルムは笑顔で頷いた。


「アルム、何がいい?」

「兄上にお任せします」


ハルムはアルムの肩に手をかけて、大笑いで歩いた。アルムは困ったように笑った。


「兄上、仕事中に呑みましたか?」

「なーに、ちょっとだけさ」


ハルムの部屋は少し散らかっており、アルムはそれを見つめてはため息をつく。


アルムは椅子に座ると、一口呑んだ。すると、アルムは少し首を傾げた。


「これって、お酒ですか?」

「違うよ。ただのジュースさ」


「私を騙したんですか?」

「誰もお酒を呑むなんて言ってないぜ? それに真面目な話だからな」

「たまに兄上はズルいところがありますよね。

で、なんですか?」


アルムは不機嫌になり、ハルムは少し笑うと一口飲んで、コップを置いた。


「進路相談ですか……」

「そんな機嫌損ねるなって。来月に俺はここを継ぐ。アルムはどうする?」

「……」


目線を反らすアルムを見つめ、ハルムは肘をついて話し出した。


「決まってないなら俺の補佐として働くか? アルムなら反対する者はいないし、むしろ大歓迎だと思うぞ」

「私は……」

「ゆっくり考えたらいいさ。決まったら、いつでも話してくれ」


み終えたハルムはベットにダイブして、ゴロゴロと転がり始めた。呆れて見ていると「アルムも転がるか?」と聞いてきた。アルムは無視して、ハルムのコートを脱がせて、畳んで椅子の上に置いた。


「まったく……シワがつきますよ」

「まるで主婦だな。将来は家政婦として働くのか?」


冗談らしく話すとアルムは眉間にシワを寄せて、コートの上に座った。


「そんな険しい顔をするなよ。キレイな顔が台無しになるだろ」

「兄上は女の人まででなく、ついには男にまでも手を出し始めましたか」


アルムは眼鏡を上げて、ベットに座った。ハルムは始めはキョトンとしていたが、じわじわと笑いだして、腹を抱えて大きく笑った。ヒーヒー言って泣いているハルムを見て、アルムは腹を殴った。


「一週間で一番笑ったよ」

「兄上、もう遅いので私は自室に帰ります」

「ああ」


ドアに手をかけるとハルムは体を起こして、涙目を拭いて「考えすぎるなよ」と言った。アルムは振り返りハルムを見ると笑顔で親指を立てた。無言で頷き、廊下に出た。


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