私のことが嫌いなお嬢さん3
アルムは腕を組み、ハルムを見ると姿はなく。振り返ると少女と話していた。
「初めましてお嬢さん。俺はアルムの兄のハルムです。以後お見知り置きを」
少女は座って、ただハルムの目を見ていた。
「今夜、僕とベット踊りまs……」
アルムはハルムにカカト落しをして、少女へのセクハラをなんとか防いだ。ハルムは振り返り頬を膨らませた。
「なんだい。アルム、攻撃なんてよくないぞ!」
「朝からなに言ってるんですか? セクハラですよ」
「ダンスをお誘いをしていただけど?」
「なんでベットに行くんですかね?」
アルムとハルムの間にバチバチと火花が散って、一触即発状態であった。
「ああ、子どもの頃は国の皇子に婚約申し込まれる程可愛い子だったのに今はこんな生意気になって……」
「兄上、懐古は楽しいですか?」
ハルムは睨み付けるとアルムも睨み付けた。
「アルム、男なら堂々と勝負しようか。アルムが一勝でも出来たら、俺負けで」
「いいですよ。私が勝ったらこの子へ指一本触れないで下さい」
ーーー
中庭の広場で少女はベンチに座り、二人の対決を眺めた。体格の差のせいか、今のところアルムは全戦全敗であった。
「アルム諦めてもいいんだよ?」
「これでも私は諦めが悪い人なんですよ」
剣を杖のようにして立ち上がると「もう一本お願いします」と笑顔で話し、「怪我しても知らないからね」とハルムは構えた。
だが、アルムには勝てる気配はなく、すぐに倒れてはまた起き上がるの繰り返しであった。
「アルムもう血が出てるから止めとけ」
「勝つまで止めません」
アルムは何度も擦りむけて腕や足、そして服からさえも血が見えて、痛々しい姿であったが立ち上がり、またハルムに挑んだ。