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貴族の子息ははかりかねる  作者: 月照建速
第2章 学園編

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第7話 初々しい両片思いは大好物

 あっという間に1学期が終わる。定期テストは……まあ今回も5位だった。例の5人衆も無事夏休みに補習ということにならずに安堵していた。今回は2週間前からみっちり鍛えたので赤点ギリギリはいなかった。俺たちは無事に夏休みに行けるが別クラスでは赤点補修が出たらしい。可哀想

 夏休みになるが、俺たち生徒は3種類に分けられる。まず実家に帰省せず夏休みの1か月をこの学園で過ごす生徒。部活動に熱心な奴に多い。この学園の食堂は年中無休なので問題ない。少々ブラックでは? 2つ目は基本的に実家に帰省する生徒。王都に住んでいる生徒や貴族に多い。3つ目はインターン的なもので将来の就職先で技術を磨くためにそこで住み込みで働くという生徒。これは主に6,7年生の平民出身の生徒や騎士の子息、貴族の3男以降に多い。俺は領地に帰省する。理由としては強くなるために鍛えるためだ。ここでも鍛えることはできるものの、領地で職業軍人と一緒に訓練をしたほうがいいと思ったからだ。そう考えているとマリーが友人を連れてやってきた


「初めまして、ミリバーブ=アーベル・ニナーナルです」

「初めまして、マリーさんの友人のブルーノ・エネと申します」


 ブルーノと名乗ったエルフの少女は時折顔を赤くさせながら相談内容を言えずにもじもじしていた。それを見かねたマリーが代わりに相談内容を言う


「この子、ミリーと同じクラスのボローネくんが好きみたいなの」


 まさかの恋バナだった。おいおい、ワクワクしてきたじゃねえか! 成程、ボローネに惚れるとは……見る目あるじゃねえか! ボローネの初対面こそコイツ頭イカれてんのかと思っていたが、話してみると話を回してくれるし、こちらのパーソナルスペースに無理に入り込んでこない。後、笑顔で会話もまず否定から入らないから話していてあまり不快感を覚えない。身体能力も高いし、なんやかんやでうちのクラスの中心はこいつだろう


「……ボローネのどこに惚れたんだ?」

「えっと……あの……私技術授業で一緒なんですが、作成の授業の時に失敗してしまったんです……けど、ペアを組んでいたボローネくんが笑顔で励ましてくれて、出来るまで付き合ってくれて……。あと、偶々部活動をしているところを見てから、私その笑顔をずっと見てて……」


 青春……! ああ~素敵。俺、こういう恋愛大好き。彼女の勇気に報いなきゃ漢じゃねえ……! 


「成程ね……協力するよ。夏休みあいつは帰らなかったはずだ。任せろ。セッティングしてやる」

「ありがとうございます……!」


 まずは、ボローネのスケジュールを知らねばならない。……勉強会でいいはずだ。聞くと成績はボローネ以上とのこと。図書館で距離を縮ませるか。そこから遊びに誘うような中になればよし。まずは接点を多く作ることからだ

 俺はボローネを探し、図書館で勉強会の約束を取り付けた。俺とボローネ、マリーとその友達の4人ですることも伝える。俺とマリーは途中で離席、後は2人で……という形だ。まあベタだが何とかなるだろう


「ミリバーブとマリーさん……お! ブルーノじゃん! マリーさんの友人ってブルーノだったんですね」

「ええ、私とよく話すの。お知り合い?」

「はい! 技術の授業同じなんですよ。ペア学習とかもやってるし」

「へー……聞いたところによると、お前技術やばかったらしいじゃねえか。エネさんに教えてもらえよ」

「え、いやまあ……ブルーノがいいなら……」

「わ、私は大丈夫です!」


 !? お前……! 照れてんじゃねえか! これは脈ありでは? もしかしたら俺たちが思っているよりすぐくっつくかもしれない。俺はマリーに眼で意見を交換し合い、時間を決めた。計画はこうだ。まず俺たち4人で勉強会をする。リシュリーノたちが時間になると俺たちに接触して離席、そのまま奥の方で変装をして見守るというものだ。完璧な計画。そう思いながら俺たちは図書館で勉強会を始めた。俺とマリー、ブルーノさんとボローネが隣り合う席順にした。あ~もう、照れっちゃってまあ! こっちも照れちまう。俺は数学をマリーに教え、マリーは魔法理論を俺に教える。ボローネはブルーノさんに技術を教えてもらっている。予定時刻なり、リシュリーノたちがやってきて俺たちは離席した


「わりぃ! ちょっと用事が入った! すまんが、2人でやっててくれ!」

「ごめんなさいね……」

「俺は大丈夫だけどよぉ……」

「わ、私も大丈夫です……!」


 俺たちは眼でブルーノさんに応援を送った。その後、変装をし、図書部員専用の入り口から入り、観察できる位置に陣取った。五感を魔法で強化して、内容を聞くことにした


「……」

「……」


 おいおい、黙っちゃて……ボローネ……お前、そんなキャラじゃねえだろ!? ああ~これは思春期ですわ。これだけでご飯が進む。しかも、両方の耳が若干赤くなってるし。ああ~たまんねえ! 


「な、なあ」

「は、はい!」

「いや、あの……ありがとうな。俺頭わりぃから、ブルーノばっか教えて」

「い、いえ! こちらこそ、実習では足を引っ張ってばかりで……」

「……それも実習の一部だから……あと、ブルーノと一緒は楽しいから」

「「……///」」


 あ゛あ゛あ゛あ゛堪んねえ!!! おい! てか、お前はそういう反応せず笑顔で言うもんだと思ってたよ。けど、それもお前なんだよな。これで、ボローネの気持ちの一端を知れた。次はボローネから2人で誘わせるか? まだ早いか? お部屋勉強会という手もあるし……ワクワクしてきたな。けど、あの初々しい2人を見ていたら周りの人までその初々しさに当てられそう。思春期初心領域


「おいおい、ここはお子ちゃまの恋愛ごっこをする場じゃねえよ!」

「そうだぜ!」

「あぁ……すみません、こいつ失恋したばっかで……すぐ連れて行くから、ごめんね?」

「ああ、けどいい面してるじゃねえか! このモブーノ様の恋人にしてやる!」


 チンピラ乱入……王道じゃねえか。いつでも介入できるように準備しておくか。あの学章的に3年か。まあやれるな


「兄貴! 俺もおこぼれにあずからせてくだせぇ!」

「……ごめんね、今連れて帰るから」

「ヘイ、彼女~そんな芋臭いガキより俺と遊ぼうぜ~」

「え、あの……」


 そういいブルーノの肩を掴みかかろうとしたがボローネがその腕を掴み制止した


「すみません、彼女、嫌がってるじゃないですか」

「あ? なに、1年如きが俺の邪魔すんの? てか、君何? ヒーロー気取り? ヒューカッコつけ。ただの知り合いの癖に出しゃばんなよ」

「知り合いじゃないです、今は友達です」


 今はって言った! 今はまだ友達だもんね! やばい、テンションが高くなってる。さて……そろそろ止めるか。図書部の仕事にはうるさい奴を黙らせる仕事もある。司書の手が空いていないときは俺たちがうるさい奴を黙らす


「あ? 逆らうなや!」


 そういい、殴りかかろうとした手を止めた


「はぁ~い、先輩。おいたはだめですよ~」

「てめえは、図書部の!」

「ミ、ミリバーブ!」

「今から3秒以内に学生証を置いてください。さもなくば腕、折ります」


 そう言い、力を入れると3人は学生証を置いた


「……ええ、では生徒指導のとこに行きましょうか。まあ、拒否権はないですが」


 その後、俺は生徒指導の先生に3人を連れていった。聞く話によるとこのチンピラはチンピラムーブをすることで彼氏に守らせ、初々しいカップルをいやらしい雰囲気にすることで興奮するゆがんだ性癖の持ち主であることが解った。なんでも、実際にチンピラに絡まれている彼女を守る彼氏を見る彼女の眼を見てその道を進むことに決めたらしい。そして最近彼女に降られた。そんなことをしているから彼女に降られるのでは?


「それでも……俺は……いやらしい雰囲気にしたい……!」


 バカだ。マジモンのバカだ……流石に引く。生徒指導の先生も引いていた。生徒指導の先生が受け持つ生徒らしくかわいそうに思えた。合掌

 俺は一通りが終わり、図書館に戻ると2人が手をつないでいた! 俺は内なる笑顔を必死で抑え、話しかけた


「大丈夫だったか?」

「は、はい! ボローネくんが守ってくれたので」

「あ、当たり前のことだって......」


 ああ~心が洗われる~。照れながらけれど手はつないだまま。素晴らしい……これを絶対に絵画にしてもらおう。絶対にだ。この素晴らしき景色を絵画で残さないなんて損だ。絵画が完成したら小さいのも描いてもらってこいつらに送ろう

 その後、解散して俺はボローネの部屋に上がり込んだ


「お前さぁ……好きなの?」


 俺がにやけながらそう聞くとボローネはむせて飲んでいる物を噴出した。ああ~初々しいなあ!!!


「……だったらなんだよ」

「手伝う」


 即答だった。逆に手伝わないという選択肢はあるだろうか? いやない! 友人として手伝わないなんてない。俺は最前線でこの2人を見たい。純愛の摂取で栄養を取れる人間として俺はこの2人を見なければならない


「……これから仲を深めるにはどうしたらいいと思う?」

「まず、あっちにも脈はある。そう考えると……文通をしよう」

「ぶ、文通……」

「ああ、俺たちは12。行ける場所ややれることは限られている。まずは手紙を書いて徐々に相手との距離を近づけよう。そして……」

「そして……」

「マリーから聞いた情報だが、彼女は料理が上手いらしい。料理部に入っているくらいだ。お前は彼女の手作りの何かをもらう! そうすれば大きく進展する!」

「お、俺やってみるよ……!」

「てか、なんで好きなの?」

「いや、最初はあんま気にしてなかったんだよ。けど、段々授業でブルーノを目で追いかけてて、偶々ブルーノの部活してる姿見たんだけど、その時の笑顔やエプロン姿が忘れなくて……きっかけはわかんねえ」

「大丈夫。お前ならやれるよ」

「おう……ありがと」


 恐らくこの時の俺は気持ち悪い笑顔をしていただろう。よかった、こいつが俯いていて。下手したら怖がらせていた。ああ、だが堪んねえな! 

 しかし、知らなかった。こいつらの進展速度があんなに速いなんて……。3日後には手作りのお菓子をもらって、その後ボローネの部屋でお部屋デート。夏休みに入って2週間目には外に出て、ボローネの実家に行ったらしい。そこで、ボローネの実家の味を覚えるために夏休み中足繫く通ったらしい。この時点で告白していないのはバグだろうか。そして学園に残った生徒たちで行う花火大会で告白。俺たちは少し離れてみていた。控えめに言って最高だった。ボローネとブルーノがくっ付き合って線香花火をしていてポロっとボローネが


「好きな人との花火ってなんかいいな」


 というと、ハッとしたボローネが必死に弁明しているなか、ブルーノも


「私も」


 と短くいった。お互い見つめ合い、ニッコリと笑いあって正式に告白をしていた。危うく心臓発作で死んでしまうところだった。尊み原液100%を静脈注射したようなものだ。仕方ない。マリーやスヴォーフも巷で流行の女性向けの物語みたいとはしゃいでいた。俺たちのくっつけ大作戦は成功に終わった

 尚夏休みが終えた後ボローネは主に男子から手荒い歓迎を受けた。時折、同じクラスで昼食や勉強会をしていて俺は後方腕組親戚面をしていた


こんにちは、月照です。誤字脱字、誤記等ある場合は報告してくださると幸いです

両片思いっていいですよね。素晴らしい。基本的に日常回とシリアス回の温度差は激しいです。サウナを目指しています

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