第6話-2 部活で作れぬ友人
前回までのあらすじ。俺が教会から狙われる理由が増えた。まず、ルシフェルと聖女のこと、神からもらった手紙、信仰の象徴たる大妖精をペットにする。……うん、聖女の1件だけでも殺されかねないのにそれに加えてこれかぁ……いや、俺は既に火の大妖精であるカグラと契約しているから、大丈夫なはず……普通に誑かしたとして殺されそう
「おーい、ミリバーブ、大丈夫か?」
「なんだっけ? お前の拾った枝に付けるカッコいい名前選手権の話だったっけ?」
「いや違う。大丈夫か? 今話してるのはカッコいい2つ名を考えようぜ選手権だぞ」
「ああ、そっか。わりぃ、わりぃ。今どんな感じ?」
「クライスの超最強ウルトラスーパー王子が満場一致でダサいに決定したとこ」
「確かにダサいわ。なんだよ超最強ウルトラスーパー王子ってよ」
「カッコいいじゃん」
「カッコいい単語を繋げたら陳腐になるだけだぞ」
「なら君はどうなんだい!」
「妖精の加護を持つもの。そう、フェアリーテイル!」
「お、おう」
「なんかカッコつけ感が出てる」
「大人びてる感じがしてなんか痛いです」
「散々な言われ様」
酷い……カッコいいじゃん……フェアリーテイル。いや、ここは「火の」とつけるべきだったか? 俺はクラスメイトとのバカみたいな会話で現実逃避をした。その後改めて状況を整理する。今の俺の状況はまだセーフのはずだ。だって王子の依頼によって調べているから。……あ、契約書を交わしてないから俺が切られることも全然あり得るのか。前金でもらったこの世界の神について書かれた古代書も盗まれたってことにして王子や王国も被害者でしたってなる可能性もあるか。アイツはそんなことしないと思うが、親や兄たちがそうさせる可能性もある。もう追い詰められてる。……いや、本来のことを言って教会勢力を壊す? 無理だ。まだ神、いや神の代理人足る教会というものはほとんどの人の共通認識であり、それが道徳につながっている。下手に教会を壊そうものなら神の否定、ひいては人々の道徳を破壊する。そうなったらマジで世紀末、最悪洪水もありえる。内内で処理? 地位がないから無理。俺がどっかの国の王様なら話は別だけど……この国の王様に王子経由で話す? 口封じで殺される可能性が高い。最悪魔領に雲隠れ? 生きていけるか心配だわ
俺は自分の人生が詰みに向かっていることから必死に目をそらすために学園生活を楽しんだ。シュガートとは距離を置いて今度は俺が避けるようになった。せめてまだ生きたい。そんなある日、ボローネから相談を受けた
「は? なんつった?」
「いや、だから合コンがあるらしいんだって」
「早くね? いや、貴族ならわかるけど……平民もこんな早く結婚相手見つけんの?」
「わかんね、けど招待状が届いてんだよ」
「おーい、バリードイル!」
バリードイル。珍しい農村出身でその農村がある土地の貴族からの推薦で来たらしい。推薦されるくらいなので才能は有り、特に発明の才能がすごい。こいつ下手したら蒸気機関見つけるんじゃね?と思うくらい
「はいはい、どうしました?」
「農村とかって何歳で結婚すんの?」
「16くらいですね。ボローネさんも届いたんですね。かくいう私も届いていまして……」
「つまり、平民限定?」
「けど、貴族のお嬢様も来るって書いてるぞ」
「アレじゃね? 騎士とかの1世代限定の貴族」
「「ああ……」」
「ならテーブルマナーや言葉遣いは覚えておいた方がいいな。何時?」
「明日」
「早くない?」
「いや、ずっと郵便受けの中に入ってたらしくて気が付いたのがつい最近なんだよね」
「お前が悪いわ」
コイツ……あれ? けど普通は参加の意思を表明しないと人数の把握が出来ないのでは? そう思いボローネに手紙をよく見せてもらう。なるほど……マジックファイト部とマジックアーツ部の合同新入生コンパ、略して合コンか……
「ただの新入生歓迎会じゃねえか!」
俺は手紙を机にたたきつけた。何が合コンだよ、普通にコンパじゃねえか! 紛らわしい略し方すんなよ! いや、多分、合コンの要素も多少はあると思うが、それ以上に新入生歓迎の方が強い。なんでこんな時期に? もう8月だぞ。……9月には新人戦があるからそのため? だったらなんでマジックアーツ部と? いや、普通にガチで険悪じゃないからか
「普通に楽しめよ……」
後日、歓迎会のことを聞くと楽しかったらしい。料理もおいしかったって言っていてほっこりした。にしても他部との交流かあ……うちではないな
「どうした? 後輩くん」
そう考えていると俺が部活で唯一話す3年生のキンド先輩に話しかけられた。キンド先輩は頭脳明晰で1年生の時は定期テスト全て満点という史上初の記録を打ち立てた人だ。それ以降は遊びでテストを受けるようになり、賽子で降った目の数の点数を取っているらしい。留年ピンチの時は留年にならないぎりぎりの点数を取り帳尻を合わしている。普通に気持ち悪いことをしているが、俺からしたら気のいい先輩だ
「あ、キンド先輩。いや、友人が他部との交流を楽しんだって聞いてうちではないなーって思ってただけです」
「まあ、確かにうちはあんまりそういうのはないからね。ていうか君、部活の中であんまり交流してないから他部と交流する前にまずは、同部の人と交流を取りなよ」
ドギツいことを言われた。確かに俺はこの部活で話すのはキンド先輩。これまではシュガートがいたけど最近は避けている。女子ばかりで肩身が狭く、女子トークの中に入っていけるわけがないので話しかけることもできず、ズルズルいっている。数少ない男子もあまり来ないので話す機会がない。そもそも最近はカグラたちとの訓練で来てなかった。更にはあの出来事のせいで遠巻きに見られている。そりゃあここはどっちかと言えば文科系の部活。対して俺は体育会系に近いことをしている。これでもテストは上位なんですよ? それ以上にのこしたインパクトは大きかったという事か。だって、キンド先輩に言われたから話しかけに行ったら逃げられたぞ。先輩に。それを見たキンド先輩はゲラゲラ笑っていた。ここで友達を作ることはあきらめないといけないかもしれない。そう思いながら今日も本を読む
今は王子から貰った古代の『神大全』という本を読んでいる。文字は古モンテン語で書かれ、所々薄くなっているが俺のギフトのお陰で完全に読める。恐らくもっとボロボロでも文字があれば読める。仮に俺がこの能力を持って前の世界に戻ったら古代史の解明が進むだろう。読み進めると気にある記述があった
「クエイグレイ:神と人の子。古代の英雄ブラビリムと結ばれ、死後運命と愛を司る神となる。神に昇ったその日、巫女に神託を託す。その神託『我が愛は永遠に続く。彼が神になる日まで永遠に彼の魂を見守ろう』」
ブラビリム……反対から読んだらミリバーブとも読める。……もしかして俺を転生させたのはこいつか? いや、アイツは俺の世界に干渉したということはあっちの世界の神じゃないと戦争起きるのでは? しかも見守ると反対のことしてるし。アレだな、流石に自意識過剰過ぎた。俺はそう思いなおしまた本を読み進めた
こんにちは、月照です。誤字脱字、誤記等ある場合は報告してくださると幸いです
今回は日常回です。ほのぼのですね。ミリバーブの普段はこんな感じです。恐らく裁縫セットが選べるならドラゴンか星空のを選ぶタイプです
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