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貴族の子息ははかりかねる  作者: 月照建速
第2章 学園編

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第5話-4 真実と失望 

 学園は何事もなかったように再開した。他クラスのだれかが突っかかってくるかと思ったがそんなことはなかった。尚学園が休校になった2週間は夏休みが削られることになった。大変申し訳ない。いや、けど仕方ない。うん。俺悪くねえしというスタンスで行くようになった。俺が望んだことじゃねえしと開き直ることが出来るようになったのは成長なのかもしれない

 そしてあの事件でのMVPは間違いなくA組とD組だ。3人の侵入を防いで被害の拡大を防いだのだから。退院した後菓子折りを皆に配った。口を揃えて怖かったと言ってるので本当に怖かったんだろう。怪我している奴も居たし、本当に申し訳なかった

 学園が再開した後、俺は手紙を出した


「いや~、来てくれないかと思ったよ、シュガート・タペイン……いや、光の大妖精ルシフェルさん?」

「な、なんのことですか」

「もうそんな猿芝居なんかしなくてもいいだろ、ネタは割れてることくらいわかってんだろ? ルシフェル。それとも……猿真似を続け過ぎて本来の姿を忘れたのか?」

「……挑発しているつもりですか? なら、0点ですね。神はあなたに戦いの才能を与えたようですが挑発の才能は与えられなかったみたいね」

「違うな、神が俺に与えたのはギフトだけだ。これは俺が引き当てた才能だ」

「人間は神によって造られます。すべての才能は神に由来するものです」

「神は初めの人間を創造したんだろうが、それ以降の人間は全て人間が生み出している。そこに神は介在しない」

「……教会の人間にそういうとは……愚かですね。実に愚か」

「ハッ! 禁忌を犯し、神に背いた教会こそ、気に入った人間を生存させたいという一心で禁忌を破り、とんでもない禁呪を使ったお前こそ神を冒涜してるよ」

「……」

「図星か? まあ所詮偽の聖女か……」


 その瞬間斬撃が飛んできた


【取り消しなさい……】


 ビンゴ。やっぱ精霊が出てきたな。となるとあの仮説は正しかったことになる。ルシフェルが斬撃を放つが、あまり脅威を感じない。本体を庇っているのか? それともあまり本体と合わない? いろいろな可能性が考えられるがこいつの攻撃はあまり怖くない。何度も回避していて気付く。誰もここに来ない。確かに人通りがほとんどない場所を選んだものそれでも斬撃などの音で誰かしら来ても可笑しくないはずだ。なのに来ない。……結界か?


【気が付いても遅い! もうここは私の領域。妖精が最も輝く場所。そこでお前は死ぬ。けど安心して?お前が死ぬと混乱するから命は保障する。けどそこに……】

【「自我はない」】

【!?】

「なんでわかってるかって顔してるな。そりゃあ簡単だよ、ルシ」

【その声は……!?】

【久しぶりだね、死ね】


 魂の仲介役として妖精が機能するなら俺もできそうということで試したら出来た。他の妖精とするってなったら怖いけどカグラなら大丈夫だしな。しかも、俺は万全、あっちは下手したら魂が分離する。その兆候は学園内でもあった。普段は丁寧なのにふとした時に出る辛辣な言葉と苦虫を噛み潰したような顔、それを見せたかと思えば無邪気な天真爛漫さ。最初は表と裏と思っていたが、今考えればタペイン、誰か、ルシフェルの性格によって行動に変化が生じる。もし、戦いに集中して魂の仲介を辞めれば最悪魂も分離して2人は死ぬ。ルシフェルはそれが1番避けなければならないと考えている。つまり、戦いはおざなりになって俺たちは勝つ


【ん~、流石にハンデ差が大きかったかな】

【妖精が人間の身体を操るには簡単にでも相当な信頼関係が必要なはず……】

【まあ? 僕らは一心同体だし? 最高の相棒だからね、出来るんだよ。君みたいに彼女たちを守るべき存在だと思ってる輩とは違うんだよ】

【……】

【じゃあ、聞かせてもらうか。真実とやらを】


 話をまとめると俺たちの仮説はほぼあっていた。唯一違ったのは彼女たちが双子であったこと。つまり彼女らは両方とも教皇の落胤だ。ではなぜ、片方が単なる村娘として育てられたのか。それは村娘が産んだ双子を引き取れば何かあると思われるからだ。片方だけならギフトを理由に聖騎士候補としての名目はあるが、ギフトもない子供諸共引き取るのは邪推を産むだけだと判断し、片方だけを養女として迎え入れ、もう片方は遊び相手の奴隷として引き取ったと。しかしある日魔法の訓練をしていると魔力が暴走し、タペインは即死し、奴隷も巻き込まれた。奴隷は息をしていたが死ぬことは明らかであったが、ルシフェルが救いの手を差し伸べ、シュガートさんを連れてきてその魂を抜き、ギフトを切り取って、移植した。1人の身体に2人分の魂は大変アンバランスでいつ崩れても可笑しくなかったからルシフェルが融合して保っていると


「なんで、そこまでして助けた? 所詮は人間だろ?」

【昔、彼女たちは私に花をくれた。それがうれしかったから今回助けた】

「その結果、先代聖女と名無しの犠牲によりタペインは復活……か」

【……名無しじゃないわ。あの子にはフェウっていう名前がある。彼女も私と遊んでくれたわ。だから、私はフェウの方も助けたかった! 2人とも助けるにはあれしかなかった!】

「なら、先代聖女の犠牲はよかったと!? あの人は生まれ育った孤児院で必死に子供たちを守っていた! 信仰を持ち、最後の時まで信仰を捨てず、強き人だった! それなのに……なんで!? なぜだ!?」

【……魂の重さの釣り合いを取るために聖女のギフトが必要だった。偶々彼女が近かっただけ。別に彼女じゃなくてもよかったわ】

「ざけんな……!」


 俺は胸ぐらをつかんだ。俺はこの休みに少しではあるがシュガートさんについて調べた。彼女は孤児で偶々聖女のギフトが発現し、聖女となった。聖女となっても生まれ育った孤児院を守り、子供たちを育てていた。なにも悪くない人が唐突に平凡な平和な日常を奪われた。しかもその理由が偶々近くにいたから!? ふざけるな……なにが、大妖精だ、何が教皇だ、なにが宗教だ! 


【私は不平等よ。彼女よりタペインやフェウの方を優先するのは当たり前でしょ? 聖女なんて所詮ギフトを得た人をそう呼んでいるだけ。別にいなくても、死んでも問題n】


 パァン


 俺は目の前のやつが喋る終える前に叩いていた。妖精と人間の価値観も認める。助けるときの優先順位があるのも認める。俺も普通のやつとマリーとなら絶対にマリーを選ぶ。それでも、あの人は、子供を愛し、育った場所を愛し、得た力の責任と誇りを胸に、人々を癒した。だから、そんな彼女がいなくていいなんてことはあってはならない


【ルシフェル、もういいよ。うん。ミリバーブ、帰ろう。時間の無駄だ】


 カグラにそう促され、俺は領域を壊して寮に帰った。もういい。アイツのことは知らない。ああ、勘違いしていた。カグラやドルティナと人間と近い価値観の大妖精しか知らなかったからああいうやつがいるってことを知らなかった。あの2人に罪はない。けれど、今の俺には折り合える気力はない



 Sideルシフェル


 なによ!? 意味が解らない! 私たちにとって契約者以外はいないも同然じゃない! アイツもそうだった! なのに……なんなのよ! その眼は!? 私に対して失望したような眼をするな!


(ルシフェル様……やはり、私は……あのまま死ぬべきだったんです。先代聖女様は輝く光でした。それを私のためにあんなことをしたのは……)

(そうですよ……私、ルシフェル様が傷つく姿みたくないよぉ……)


 違う! 貴女は生きるべきだった! 他の有象無象なんて関係ない! 貴女……貴女たちは私の希望の光だった。薄汚い欲望にまみれたあの地で貴女たちの笑顔や優しさが私を照らしてくれる光りだった! ええ……安心して……貴女たちは絶対に守るから


((ルシフェル様……))

あけましておめでとうございます、月照です。今年も何卒宜しくお願い致します。去年の11月末から始め、1500PVを達成し、多くの方々から評価をもらい、大変うれしい限りです。今年も『貴族の子息ははかりかねる』を是非ともよろしくお願いします

誤字脱字、誤記等ある場合は報告してくださると幸いです

そしてこの作品のコメント・評価も是非ともお願いします

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