第5話-2 謎の大ヒント
さて、周辺の捜索をしているわけだが……一向に何も見つからん! 噓でしょ……魔物の1匹も見当たらないし、階段すら見つからない。所々岩と薄暗い光があるだけでマジで無。やべえ、普通に鬱になりそう。なんだよここ、わかんねえよ……カグラ、ここ何処かわかる?
【ちょっと待ってね……うーん、魔素や魔力が入り乱れてるからわからない。少なくとも地上からは結構離れているね】
もう終わりでは?上に向けてカグラが最高火力をぶっ放したら地上と繋がる?
【崩壊に巻き込まれて死ぬよ?】
ですよねー。さて、どうするか。物語ならなんかやばい魔物がひょっこりやってくるんだよなあ、それか封印された上位種
【当たりじゃん。なんかデカい魔力の塊がやってくるよ】
まじかぁ……。そう思っていると壁を突き破って3つの頭を持つデカい犬がやってきた
「ケルベロス……?」
【そうだね、けどかなり弱体化してる。古の英雄の封印が解けたばかりなのかな?ならここは潜った巣窟で間違いないね。そして現在地は最奥かな】
「古の英雄でも殺しきれないならもう終わりじゃないですかね」
【大丈夫、ドルティナよりは弱いから】
「アレに勝てる奴は多分カグラみたいな大妖精だけでしょ……」
さて……ぱっと見の印象はワイバーンよりも強そう。……無理ゲーでは? 仮に倒せたとしてもかなりの消耗は必須。さて……どうするか……
その刹那、ケルベロスは爆発四散した
「は……?」
理解が出来なかった。なぜなら爆発四散の原因が俺でもカグラでもなかったからだ。煙が晴れる。ケルベロスがいた場所に眼が完全にキマッている女性が立っていた。女性の容姿は魔女と形容できるような服を着て、長髪の金髪に眼は碧眼で長身スレンダーな美人さんであった。そしてその美しさと同時にやばいオーラを漂わせていた
【不味いね……弱体化しているとはいえ古の英雄が封印を選んだケルベロスを瞬殺とは……しかも君らで言うとこのレベルもものすごく高そうだ。生きて帰れるか不安になってきたよ】
奇遇だな、俺もだ。あの人と眼が合っているが鳥肌や震えが止まらん。俺の全身が圧倒的な差を訴えてる。逃げる? 無理。絶対に逃げられない。戦う? 論外。勝てるわけない。結論。積み。けど! それでも! 生きるのを諦められるか! せめてマリーと結婚式を挙げて幸せな結婚生活をしてあのクソ神に一発でも叩き込んでからじゃないと死んでも死にきれない! では、どうするか。土下座? 話し合い? 相手がどんな常識を持っているかわからないのにできるわけない。下手に地雷を踏んだら死一直線。ここからは慎重に言葉を選んで応対しなければ……!
「あ、あの~、助けていただいてありがとうございます。私ミリバーブ=アーベル・ニナーナルと申します。貴方様は……」
そう言いかけて俺は口を紡いだ。完全にキマッていると思われた眼がもう一段階キマッたことが解ったからだ。ここでは貴族の息子というのは意味をなさない。今一番意味を成すのは目の前の人の機嫌を取ることだ。そのためには全裸で土下座だってやってやる
「あ、はいそうですよね! 私と貴方様が同じ目線で話すことなんておこがましいですよね!」
俺はそういって床に正座をした。仕方ない。出来ることは何でもしなければならない。……なんか反応起こしてよ! 怖いよお!
「頭、高くない?」
そう言われた瞬間に俺の頭は地面にめり込んだ。俺が自らやったわけではない。目の前の魔女らしき方の魔法だろう。重力に作用する魔法? それとも言霊みたいな感じのか?
「ニナーナル……貴族の家の者がそう簡単に頭を下げるとは……笑えるな。おい、お前はなぜここにいる」
「転移トラップらしきものを踏んだらここに居ました!」
「ほう、それは災難だったな」
ならアレは彼女のスキル? 無意識のうちに発動して、本人が自覚していないから魔法やギフトではなさそう
「ああ、元に戻れ。幼子にその姿勢を続けさすのは忍びない。……では私も名乗ろうか。私はシュガート。聖女だ」
「は?」
は? え? シュガート? 嘘、なんでいるの?
「ほう、その反応。多少は知っているのか。なら、疑問だろう。なぜ、シュガートの名を名乗る聖女が2人いるのかっと」
「は、はい!」
「まあ尤も私のギフトはなくなったがな。だから厳密にはシュガートという名は名乗れない」
「い、いや待ってください! ギフトが無くなる!? そんなこと……あっていいんですか!?」
「さあな。ただわかることは私のギフトは奪われたということ。そして奪ったやつにここに捨て置かれたことだ」
神の管轄であるギフトを奪う!? 恐らくやったのは……教会? けど教会がそんなことできるのか? なら、協力者がいるはずだ。一番考えられるのは……
「妖精……?」
「ほう、中々に頭が回るようだな。ああ、そうだ。教会の妖精派と呼ばれる奴らが結託して私の! ギフトを奪ったんだ!」
そういうことってできるの?
【出来るない……出来ないと思う。少なくとも僕らにギフトをどうのこうのする権限はない】
だよなあ……
「シュガート様は……何時からここに?」
「最後の暦の記憶は教会暦1678年」
6年前……確か6年前はあの2人が死んだ年だ。何か関係がある?
「クルーノ大司教の娘とその周辺の子供に心当たりは?」
「ああ、あの教皇が村娘を孕ましたやつね。確か大司教の養女とその周りにいた村娘は親違いの子供だったはずだ。養女が先で村娘が妹。同い年だったような……どうだろうな、忘れた」
「貴女はどのようにギフトを取られました?」
「どうって……魂を取られる感じで……?」
【なら心あたりが1つだけある。光の大妖精だ。アイツならもしかしたら出来るかもしれない】
どういう事だ?
【光の大妖精の魔法に魂を肉体につなげるっていう魔法があるんだ。所謂死者蘇生だね。恐らくこれを使ったんだ。2人が死ぬときに魂をつなぎとめて、けど片方にギフトが有ったせいで魂の釣り合いが取れず代理が必要だった。そこで白羽の矢が立ったのが】
目の前のシュガート様と
【ああ、恐らくだけどね。で、これは完全な妄想ということを頭においてね。まず養女になっていたタペインの身体が損傷して魂を戻してもってところで偶々一緒に死んだ今のシュガートの身体に魂を入れるという手段を取ることにしたけど魂の釣り合いが取れずこのままでは魂が上手く入らなかった。そこで目の前のシュガートのギフトを魂ごと一旦奪ってギフト周辺を切り取って今のシュガートの身体に入れた。調和は光の大妖精が中に入って行っていると思う。まごうことなく禁忌だね】
タペインと今のシュガートは父親違いの姉妹だから容姿が似ていてもおかしくない……か。ならなぜそれに光の大妖精が手を貸したかだな
【あの子はツンデレでけど身内にはゲロ甘だから元々タペインを気にってた可能性が高いね。そして認知していないとはいえ教皇の自分の娘を助けたいという願いと合致したと】
俺は一連の考えをシュガート様に話した
「成程、火の大妖精様がそう言っているんだね……ならその可能性が高い。私よりも物知りで魔法関係にも精通しているとなれば猶更よ」
「……とすると今のシュガートを殺しても私のは戻ってこない可能性が高いか……まあけどイラつくから殺すわ。手伝いなさい。連れ出してあげる」
へ? 殺す? いや、確かに勝手に奪われて勝手に捨て置かれたらそうなるか。しかもこれ実質的な強制だし。俺に拒否権はない。実力差が違い過ぎるから。だってあのケルベロスをワンパンだぜ?手負いでもワイバーンよりも強いと思われるケルベロスを……。……まあ俺の答えは決まっている
「嫌です」
「あ゛? 聞こえなかったか? 手伝えって言ってんの! いい? 私の方が立場が上なのにここを脱出できるっていうメリットも提示してるのに断る? 頭おかしいんじゃない? そもそもお前に拒否権なんかないの!」
「それでも……あいつは俺のクラスメイトで、たった2,3か月だけど一緒に過ごしてきた仲間だ。それを今日はじめましての人に売れと? ハッ! そんなことしたら笑われ者よ! 生憎貴族として引けない意地ってのもあるんでねえ! さあ掛かって来いよ、元聖女様!」
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